美術・日本編

2016/02/25

川合玉堂の「二日月」に一目惚れ

 過日、NHK 日曜美術館を見ていたら、思わずほれぼれするような絵に遭遇した。

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→ 川合玉堂「二日月」(明治40年 墨画淡彩・絹本・軸・1幅 86.4×139.0 東京国立近代美術館

 見ようと録画しておいたのは、東京在住時代に好きになった向井潤吉の特集(「民家巡歴 向井潤吉の戦後|NHK 日曜美術館」)を見るためだった。
 作品の保存されている「世田谷美術館分館 向井潤吉アトリエ館」へは、砧の公園で憩いたいというのもあって、幾度となく通ったものである。

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2014/09/03

イラストレーター八木美穂子ミニ特集

 我が家は築60年の家である。父母が亡くなって早3年となるが、家の内外のいろんなものが故障したり壊れたり。
 一昨年はボイラーが破損。まあ、設置されてから30年以上だから、ここまで持ったのが不思議なくらいだが。
 その年、トイレ(小)に流れる水道の機能がおかしくなった。

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↑ 偶然、遭遇した頁なのだが、以下のコメントに惹かれたのだった:「「東京コンシェルジュ」忘年会で八木亜希子さんから戴いた12枚綴りのミニカレンダー(並べてスキャン)。なぜこれを?と思いきや、イラストを描いているのが、姉の八木美穂子さんなのだ」。小生、八木亜希子さんのファンなのである。そうだったのか、である。

 今年に入っても、洗濯機の故障、寝室のエアコン(冷房)が不調、台所の蛇口が緩んでいる、一昨日は、とうとう風呂場の照明が消えた。

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2014/09/01

異形の画家「小林たかゆき」を知る

 ほんの数日前のこと、不意に全く面識のない人物から「友人追加リクエスト」が来た。
 大概は、無視するのだが、念のためとりあえずはサイトを覗いてみた:
[mixi] お絵かきチャンピオンさん
 その人物の名は、小林孝至たかゆき氏(以下、畏敬の念を込め、「小林たかゆき」と呼称し、敬称は略させてもらう)。

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← 画像は、作者のホームページ「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」より。

 その画像群に驚いた。絵に力がある。訴えたいもの、描きたいという衝動が激流のように溢れ返っている。無定形の情熱が噴出する形も時も度外視して、奔騰している。
 絵を描く上での修練はもう、十年以上も継続してきているようだから、若き日の衝動や瞬発力だけではなく、持続力もあるようだ。

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2014/05/23

山の版画家・畦地梅太郎の世界

 今日は昨夜来の雨がほぼ終日、続いた。
 畑など外仕事はできない。おかげで、ゆっくり読書と居眠りを愉しんだ。

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← 「畦地梅太郎 新収作品展(2014.4.13〜9.28)
」 (画像は、「あとりえ・う(畦地梅太郎ギャラリー)」より。このギャラリーは、山の版画家・畦地梅太郎の作品をゆっくり楽しむためのもので、畦地梅太郎のアトリエを改装して、2001年6月にオープンした。)

 本日、伊藤 正一著『定本 黒部の山賊 アルプスの怪』(山と溪谷社)を読了。
 知る人ぞ知る、ロングセラー本。

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2013/10/15

霧の作家・宮本秋風の周辺

 ある小冊子を見ていたら、とてもいい木版画を見つけた。
 いい木版画家を見つけたというべきか。
 それは、宮本秋風(しゅうふう)という作家(木版画家)。作品名は「雨音」である。名前だけは聞いたことがあるが、ネット上に限っても多少なりとも纏まった形で作品を見たことはない。
 まして、覚束ない記憶ながら、実物を見る機会にはまだ恵まれていないはず。
 宮本秋風氏は世間的はどれほどの認知度があるのか。既に結構、知られている?
 せっかくなので、紙上にて(パソの画面上にて)宮本秋風氏の世界を楽しませてもらうことにしよう。

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→ 宮本秋風「川霧」(画像は、「東京書芸館」より) クリックすると拡大する。画面の中央に小舟と人影が見える…だろうか。見えるはずである。これが《ぼかし》の技法なのである!

 小冊子とは「しょげい倶楽部」(「東京書芸館」が発行元)。内外のいろんな作家の作品を紹介してくれている。
 小生には到底、手の出ない作品ばかりだが、眺めて楽しむ分には有り難い冊子である。

 以前、この冊子を通じて知った王子江の『天地斎徳 日月同明』 を紹介したことがある:
王子江『天地斎徳 日月同明』を巡って

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2013/08/15

浜田知明の飄逸なるプロテスト

 過日、NHKテレビ(教育)で浜田 知明(はまだ ちめい)の特集があった。:
版画家 彫刻家 浜田知明95歳のメッセージ|NHK 日曜美術館

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→ 初年兵哀歌 (歩哨)/ Elegy for a New Conscript: Sentinel / etching, aquatint / 23.8×16.2cm / 1954 「一度見たら忘れられない絵がある。みずからののど元に銃口を突きつけ、今まさに足で引き金を引こうとしている若い兵士。骸骨のような目から涙がこぼれ落ちる」(「版画家 彫刻家 浜田知明95歳のメッセージ|NHK 日曜美術館」より) (画像は、「ヒロ画廊 - アーティスト - 浜田知明 - 作品」より)

浜田知明 - Wikipedia」によると、「浜田 知明(1917年(大正6年)12月23日- )は、日本の版画家・彫刻家。日本の版画家が国際的に注目されはじめたのは1950年代からであるが、浜田は、棟方志功、浜口陽三、駒井哲郎らと並び、第二次大戦後の日本を代表する版画家の一人に数えられる」人物。

 久々の出会いだった。
 暑い夏の真っ盛りの、一服の清涼ならぬ、底冷えさえしかねない深い哀感。

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2013/06/09

「幻の画家」橘 小夢を知る

 過日、食事しつつ見ていた「お宝鑑定団」で紹介された「橘 小夢」の画に興味津々。
 小生には初耳の人物。

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← 橘 小夢作「水魔」 「三省堂で開催された第一回版画作品個人展覧会に出品した後、内閣省から発禁処分を受けた」とか。 (画像は、「お宝鑑定団 橘 小夢 - 脳内写生:ご異見版」とか)

 番組で紹介された作品は、橘小夢 (たちばなさゆめ)の初期の作品とかで、後年のいかにもというような妖艶さはない。
 しかし、目元の表現の妖しさ、行燈の表現の独特な幽玄は、彼の資質を示している。

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2013/03/09

画鬼・河鍋暁斎に驚倒!

 日本には北斎など世界に誇る絵師がいる。
 曽我蕭白や伊藤若冲など凄い絵師はほかにもいる。河鍋暁斎も断然、その一人。もっともっと知られていい画鬼である。

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← 河鍋暁斎「閻魔大王浄玻璃鏡図」 真実の姿を映し出すはずの鏡に、美しいままの姿が映って、びっくり仰天する閻魔大王らの面々! 暁斎ワールドパワー炸裂! (画像は、「河鍋暁斎 本画Ⅰ Kyosai01」より)

 一昨日から車中で、狩野博幸/河鍋楠美著の『反骨の画家 河鍋暁斎』(新潮社)を楽しみ始めた。
 実は、本書で彼の春画に感服した。
 その春画を紹介したかったのだが、いい画像が見つからず、断念。
 

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2013/03/05

竹内栖鳳作「大獅子図」にライオンを観る

 日曜日、車中での待機中、ワンセグテレビを見ていたら、「竹内栖鳳 ~日本画に革命を起こした男~|NHK 日曜美術館」(再放送)だった。
 番組でも説明されていたが、実力の割に、必ずしも高名ではない、少なくとも教科書などに載ることは少ない画家のひとり。

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← 竹内栖鳳作『班猫(はんびょう)』 1924年(大正13年) 栖鳳が沼津に滞在していた際、八百屋の店先で猫を見て「そうだ、猫を書こう」と思い立ったという。そして八百屋のおかみと交渉して猫を譲り受け、画室に自由に遊ばせながら丹念に観察して作品に仕上げた。(画像や文章は、「竹内栖鳳 - Wikipedia」より) 「絹本彩色、山種美術館蔵、重要文化財 作品名は、画家自身の箱書きによるとのこと」 本作については、「KIRIN~美の巨人たち~ 竹内栖鳳・作『班猫』」を参照のこと。

 といっても、美術にも疎い小生ながら、名前ぐらいは知っている。
 作品の幾つかは、画集か何かの折に観てはいる。
 しかし、一時間弱であれ、竹内栖鳳作品にじっくり向き合ったことは、恐らくない。

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2013/01/17

上村一夫…劇画なる世界に焦がれ戯画に生き

1月11日 今日は何の日~毎日が記念日~」を覗くと、興味深い事項や人物の名前が多数出ていて、誰を、あるいは何を採り上げるか、迷ってしまうほど(以下、文中で敬称を略させてもらうが、有名人だからこその尊敬の念を込めて、である)。
(先に進む前に、「毎月11日」が「めんの日」だと、今日、初めて気がついた。なんでも、「「11」が細く長い麪に見えることと、「いい」と読めることから」だって。こいつぁ、うまくしてやられた。1本、取られた! 昨日のうちに、「安藤百福…我あるは即席麺の賜物さ」という麺に関係する記事を書いておいて、タイミングがピッタリ?!)

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← 45歳で亡くなった女絵師・ 上村一夫の世界。下記参照。

「1983年」の今日に「ワコールが肩ひものないストラップレス・ブラジャーを発売」したという。発売された当時は、ヌーブラの発表以上に衝撃的で、何故か小生、ドキドキしたものだった(あるいは、トップレス・ブラジャーと勘違いしたのか…。ちなみに、「トリンプ・インターナショナル、買い物袋としても利用できる特製ブラジャー「No!レジ袋ブラ」を製作」というニュースがある。そのうちヌーブラならぬヌーパンなんて出ないとも限らない…?)。

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