2025年5月の読書メーター
植木や草花たちの凄まじい成長力に圧倒される日々。好きな本を読むことが癒し…だったらいいな。 五月の特筆すべき本は、エカ・クルニアワン著の『美は傷 (アジア文芸ライブラリー)』(太田 りべか 訳 春秋社)だ。あるいは今年の筆頭書になるかも。インドネシア作家の本は初めて。世界は広い!
5月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:4021
ナイス数:5580
偏見だった。なかなかの傑作喜劇。すれた現代人には古典風だが、一度は読んでいい。喜劇を織り成す構成が緻密なことに感心する。訳者解説も最後にしっかり読んだ。本作のスペインの文学史上での位置づけも含め、とても参考になった。
読了日:05月30日 著者:モラティン( 会田 由 訳 岩波文庫 )ランティエ2025年5月号の感想
いろんな作家のいろんな時代(歴史)小説を読めて楽しかった。 我輩には、ほとんど未知の作家たち。売れっ子の作家ばかりなのだが。連載ばかりで、少なからぬ作家の作品をいずれも20頁から40頁ほどだが、読めるというのも、面白い読書体験だ。 各作品毎に冒頭に 中野カヲルや寺西 晃らのイラストが表紙(扉絵)的に載っていて、それらを眺めるのも楽しい。
読了日:05月27日 著者:角川春樹事務所
「(前略)どうして彼らは光合成をやめてしまったのか? どんな花を咲かせ、どんな生きものに花粉や種子を運んでもらっているのか? 暗い森のなかで生きのびるための、彼らのたくみな作戦をときあかします。」小学生対象の図鑑。うん、我輩向き。植物の生存戦略の巧みさ、必死さ。
読了日:05月25日 著者:末次健司
シェイクスピア全集 (2) ロミオとジュリエット (ちくま文庫)の感想
面白いし、あまりに有名な作品で、昔他の方の訳で読んだし、馴染みもあるので、仕事での中断を除けば一気読み。松岡版シェイクスピア作品も本作で9冊目かな。 「宿命的な出会いと、短かくも美しい悲恋物語……あまりにも有名な悲劇作品」なのだが、今回久方ぶりに松岡和子訳で読み返して、ロミオも若いが、ジュリエットも14歳の誕生日間近の13歳という年齢設定を再認識、驚いた。あまりに若い。美しくも短く萌え、なのか。
読了日:05月24日 著者:W. シェイクスピア
少年が来る (新しい韓国の文学 15)の感想
既に本作を読みながら、その都度、幾度となくメモってきた。事件の現場に生き死にした当人(の魂)に乗り移って、まさに当人ならではの言葉にはならない実相を生々しく映し出す。日本の一九八〇年の世相とのあまりの違いに衝撃を受けなければ嘘だろう。
読了日:05月23日 著者:ハン・ガン
水=生命をはぐくむものの感想
「「水」をキーワードにその不可思議な性質から説き起こし、地球と生命の進化、さまざまな生きものたちの日々の営み、進行する環境破壊の話題など、広い視野で、興味深いエピソードをまじえて解説。」といった内容。
読了日:05月20日 著者:ラザフォード プラット
新・動物の解放の感想
かなり重いというか強烈な主張の書で読んでて滅入りそうに。自宅で読まなくて正解だった。自らの主張を正しいと思い込み、執拗に…これでもかと言い募る。 訳者による解題は必読。
読了日:05月19日 著者:ピーター・シンガー
加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか (中公新書 2828)の感想
「『日本書紀』は任那と記し、「任那日本府」の記述などから長く倭の拠点と認識されてきた。だが戦後、強く疑義が呈される。歴史教科書の記述は修正が続き、呼称も韓国における加耶へと変わる」というが、吾輩の「任那日本府」のイメージは、まさに『日本書紀』に綴られた像のまま旧態依然たるものだった。
読了日:05月16日 著者:仁藤 敦史
皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)の感想
推理小説界では古典なのかな。吾輩は初めて読んだ。かなり際どいトリック。嫌疑を被る人間が弱みを抱えていて堂々とは冤罪を訴えられないという状況はありえるだろう。意外な人物が犯人というのも、ありがちか。それでも、まる一昼夜で一気読みさせたんだから、エンタメ的に抜群と感じた。たまにはこういう楽しみの読書もいいな。
読了日:05月13日 著者:ジョン・ディクスン・カー
ミミズの農業改革の感想
「地面の下で、無数の土壌生物が蠢いている。土は、彼らの活動の痕跡が幾重にも刻み込まれることで維持されている複雑な構造物だ。もし土壌生態系が失われれば、土もただの砂に戻っていき、やがて失われてしまうだろう。」という問題意識。 近年ようやく一般社会においても(遅ればせながら)<土>への危機意識が高まってきたように思う。
読了日:05月11日 著者:金子信博
数学する精神 増補版-正しさの創造、美しさの発見 (中公新書 1912)の感想
著者は本書を一週間で書き上げたとか(電車の中などで)。我輩は、五日を費やして読了した。とてもユニークな内容。我輩には新鮮な数学の入門書だった。但し、今さら入門する気はないです。
読了日:05月09日 著者:加藤 文元
北斎 富嶽三十六景 (岩波文庫 青 581-1)の感想
久々北斎「富嶽三十六景」全般を鑑賞。知名度の高くない作品にも素晴らしいものがあるね。惜しむらくは、文庫本ということで、どの絵も見開きになってる。それは仕方ないとして、どうしても作品のど真ん中に折り目が来ること。鑑賞しづらいよね。
読了日:05月08日 著者:葛飾 北斎,日野原 健司
林芙美子紀行集 下駄で歩いた巴里 (岩波文庫)の感想
昭和の始め頃に、何でも観てやろう精神の女性(作家)が居たことに驚き。片道分の旅費があるだけなのに、妙に楽天的に樺太やらシベリア、満州、巴里、倫敦へ、北海道やら伊豆やら上州へ。そう言えば子供の頃から転居を繰り返してた。結婚してたのに、旦那はおっぽりだして放浪する。破天荒なんだな~
読了日:05月06日 著者:林 芙美子
美は傷 (アジア文芸ライブラリー)の感想
傑作だ。本書の冒頭の一節を読み終わらないうちにこれは間違いないと実感させられた。実際、最後までだれることなく読み手を引き寄せ続けてくれた。 2日の日記にも書いたが、500頁を超える大作だし登場人物が多くて、新しい人物が登場するたびに手元にメモ書きしていた。メモ片がとうとう四枚に渡った。吾輩は人物名やら人間関係を理解するのが苦手なので、弥縫策ではあるが面倒でも役に立っている。
読了日:05月03日 著者:エカ・クルニアワン
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