2025年4月の読書メーター
春の憂鬱。それは草木も眠る…じゃなく目覚める頃だから。休日は草むしりや枝葉落としなどの庭仕事に追われる。数年ぶりに畑にナスやキュウリ、ミニトマトなどを植えたし。それでも休日の夜は読書を楽しんでる。仕事の車中での待機中にも読書を楽しみたいのだが、この頃は忙しいわけじゃないのに、本はなかなか読めない。
昨秋から数か月に渡って続いて来た再読シリーズ(?)も四月で終わらせた。
4月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:4795
ナイス数:4691
量子超越: 量子コンピュータが世界を変えるの感想
読みやすく分かりやすいから、自宅で庭仕事の合間に読んでても正味四日足らずで。 「従来のコンピュータの限界を超える「量子超越」が実現すれば、現行のいかなる暗号技術も解読されるようになり、国家機密や金融界にまで甚大な影響が及ぶことが見込まれるという。」
読了日:04月28日 著者:ミチオ・カク
書くことについて (小学館文庫) (小学館文庫 キ 4-1)の感想
読了…早くも3回目。肝心の小説は…もしかしたら読んでないかも。映画人気が高くて、読んだ気になってしまってる? 読むと流石の面白さもだが、書くことに励まされる思いがする。感想など無用かな。読んで後悔はしないってことは断言しちゃう。
読了日:04月28日 著者:スティーヴン キング
比翼の象徴 明仁・美智子伝 下巻 平成の革命の感想
本書扉の裏に、「本書の記述はすべて筆者による取材と信頼を置ける資料に基づいており、想像、憶測に基づいたものはない。」云々と注意書きしてある。それだけに単調になりがち…の懸念が。それは読み進める都度、杞憂に終わる。空気は常に緊迫している。
読了日:04月24日 著者:井上 亮
数奇と無常の感想
再読(3回目か)了。読み返して良かった。『数奇と無常』の帯には、「西行思想の中核であり、中世思想史のキーワードでもある数寄と無常。名著『西行の思想史的研究』以後究明した西行の諸問題と、その前後数百年間に生きた人々への展望によって、このテーマを豊かにわかりやすく描き出す。無常を知るゆえに花や月の美しさに感動した彼らの生は、現代人の思想や感情に、忘れかけたものの回復を訴えてやまない。」と。
読了日:04月18日 著者:目崎 徳衛
エロスの涙 (ちくま学芸文庫 ハ 12-2)の感想
感想は、前回に変わらない。今回は挿画(画像)に観入るばかり。仕事の車中での待機中に手にしていたのだが、仕事が恐ろしいほどに暇で、挿画に妄想を逞しくするばかりだった。 吾輩にとって本書は読むというより、豊富なエロス画像を鑑賞する、といったほうがいいかも。この中で、レオノール・フィニに再会できたのが嬉しい。
読了日:04月15日 著者:ジョルジュ バタイユ
日本の土: 地質学が明かす黒土と縄文文化の感想
30年に及ぶ地質学の研究で明らかになった、日本列島の形成から表土の成長までを、風成層の堆積と、地すべり・崩壊などの侵食との関わりで、考古学、土壌学、土質工学も交えて解説する」という内容だが、最後には「日本列島を覆う表土の約2割を占める真っ黒な土、クロボク土。火山灰土と考えられてきたこの土は、縄文人が1万年をかけて作り出した文化遺産だった」という縄文文化理解に資する結論に至る。
読了日:04月14日 著者:山野井 徹
百億の星と千億の生命 (新潮文庫 セ 1-5)の感想
吾輩は、カール・セーガンの翻訳本は大概フォローしてきた。再読した本も本書に限らない。『コスモス』はいいし、『エデンの恐竜』はお勧めだ。 本書は古い本で、世界の科学者たちが結集してオゾンホール現象との戦いに懸命だった頃に出ている。データは古いが、科学者の社会的役割に自覚的なセーガンの論考だけに読み応えがあり、今以て参考になる。
読了日:04月12日 著者:カール セーガン
百人一首の作者たち (角川文庫ソフィア)の感想
本書は、「王朝時代を彩る百人百様の作者たち。親子・恋人・ライバル・師弟などが交差する人間模様を、史実や説話をもとに丹念に解きほぐす」というもの。ある意味ポピュラー過ぎるほどに馴染まれている(?)『百人一首』。だが、目崎氏も指摘されるように、「編纂直後から早々と忘却の羽目に陥り、千年もの長い間冬眠しつづけていた『万葉集』などは物の数でもない。」「すべての文化領域の典拠となり基礎となったのは、王朝の勅撰和歌だった。」そのエッセンスが『百人一首』。
読了日:04月11日 著者:目崎 徳衛
アメリカひじき,火垂るの墓の感想
親が亡くなったり生活に追われて無責任になったりする中、子供らだけで生き延びようとする懸命な姿を饒舌な語り口だが、悲惨な生活や死にどこまでも向き合おうする抑制された筆致もあって、特にやはり「火垂るの墓」が名作と感じた。野坂自身の戦争体験でもあり、生々しくもあり、深く悔いることもあって、敢えて客観的な叙述に徹したのだろう。それが作品の質につながってるのか。
読了日:04月09日 著者:野坂 昭如
ロマンの系譜 怪奇幻想玉手箱ーゴヤからシュルレアリスムへの感想
情けなくも10年ほど前に富山県立近代美術館にて開催された当該の展覧会を見過ごしている。過日、たまたま訪ねた富山県民会館の売店でこの図録を発見、即入手。休日の長い夜の楽しみに読んだ。 東京在住時代は、本図録で扱われる画家の展覧会があれば(東京ではしばしば際会できる!)都内であれば欠かさず出かけたものだ(余談ながら、「怪奇幻想」なんてテーマ名は紋切り型以下に感じる。まして玉手箱とは!)。
読了日:04月08日 著者:富山県立近代美術館
とやまの歴史 改訂版の感想
やや古いが我が富山県の歴史なので。富山県史の本は何冊めだろう? 富山県の歴史本はいろいろ読んできたが、古代史はともかく、以後の歴史は複雑で頭に入らない。他国のや中央権力の刈り取り地だったからか。ただ、今回は、近現代や女性史、文芸などの項目を丁寧に読んだ。(下記するが)明治の民権運動などで活躍した中川幸子 (1857-1910)なる人物に関心が湧いた。明治の富山にも偉人が居たんだ。
読了日:04月06日 著者:富山県公文書館編
小泉八雲作品集 (1)の感想
三浦佑之氏の「古事記の神々」にて、八雲の「加賀の潜戸」なる小文の説明が見事だとあり、これま間違いなくこの作品集にあるはずと、改めて書庫から引っ張りだしてきた。 今回で二度目か三度目かな。久しぶりに読んで、やはり八雲の文章は味わい深い。今以て瑞々しい。今更吾輩ごときがあれこれ言う必要もないだろう。
読了日:04月04日 著者:ラフカディオ・ハーン(小泉八雲),森亮
サイエンス・ライターが古文のプロに聞くこんなに深い日本の古典 (ちくま文庫)の感想
バリバリのサイエンスライター竹内氏が、恩師であり長年古文の教師を勤めた黒澤氏に、「伊勢物語」「大和物語」「平家物語」「源氏物語」「万葉集」のこれはという場面を巡って質疑応答。それぞれに実に興味深い講義。「万葉集」が典型的だが、古文を読むには、時代背景を単に註釈だけじゃなく、想像力を目一杯働かせないといけない。例えば旅にしても、昔は地図がない。月の出ない闇夜と云えば、恐怖で身動きできない、だけどジッとしていることも出来ず無闇に走り出す、そんな漆黒の海。
読了日:04月03日 著者:黒澤 弘光,竹内 薫
古事記の神々 付古事記神名辞典 (角川ソフィア文庫)の感想
三浦氏は、明治維新政府が織りなした幻想としての「記紀神話」打破に力を尽くしてきた。吾輩は、三浦氏の著作にも幾らかは親しんできた(拙稿「三浦 佑之著『古事記講義』」「三浦佑之『口語訳 古事記』」)。
読了日:04月01日 著者:三浦 佑之
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