2025年2月読書まとめ
今月も再読シリーズ。読んだ11冊のうち8冊が再読。悲しいかな再読の感より初読の感が強い…。でも、再読して良かったという納得感が強いのはいいことなのか。今日気が付いたのだが、今年一月のまとめを書いてない!:
2月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:4116
ナイス数:4776
アンリ・ルソー 楽園の謎 (平凡社ライブラリー)の感想
1983年に新潮社から。2006年にこの平凡社ライブラリーに。古書店で発掘。久々再読。まる一昼夜で。改めて岡谷氏のアンリ・ルソーへの深い思い入れを感じた。図版は多数だが、カラーは四点のみ。カラー図版多数の形で再刊してほしい。やはり、ルソー 好き! 詳しい感想は初読の際に書いている。
読了日:02月27日 著者:岡谷 公二
方丈記私記 (ちくま文庫)の感想
鴨長明が書いたこともだが(藤原定家の極端なほどに抽象性な歌法とか…源氏物語の圧倒的存在感)、書かなかったことこそ面白いとか。木曽義仲が一時期京都乱入支配したこと、地獄草紙や餓鬼草紙が同時リアルだったこと。更に親鸞の存在感の高まりなど。平安貴族がジリ貧になり武士が台頭する世相の大転換。…それはともかく、改めて再読してよかった。
読了日:02月26日 著者:堀田 善衛
国際秩序の感想
ハアハアゼエゼエ辛うじて通読。この手の本は、斜め読みで済ませる(というか初めから相手にしない)。何故なら大概の政治本は数年も経ないうちに内容が陳腐化するから。同僚に頂いた本。なので敢えて読み出した。が、甘かった。原書の刊行は2016年なので、データや世界の情勢は10年前(書かれたのは2014年)。それでも読み応えがあった。さすがにキッシンジャーだけのことはある。仕事の車中での待機中に慌ただしく読む本じゃなかった。
読了日:02月24日 著者:ヘンリー キッシンジャー
無の本 ゼロ、真空、宇宙の起源の感想
ジョン・D・バロウ本ファンの吾輩、改めて素晴らしい本だと確認。 「数学、神学、哲学、文学、素粒子物理学、宇宙論……さまざまな角度から無の探究の歴史をはじめ、音楽や文字おける無の表現も多彩に紹介しながら、「無(=nothing)」を語り尽くす」というものだが、無、宇宙、時空、真空と話題が実に豊富で楽しい。再読してよかった。
読了日:02月21日 著者:ジョン・D・バロウ
二葉亭四迷伝 (講談社文芸文庫 なH 1)の感想
たった今再読了。なかなかの傑作。中村光夫の二葉亭四迷への傾倒ぶりを実感。明治に於いて文学する言葉を生み出す先人の労苦。漱石や鴎外らに先んじる者の孤高の悲劇。自らに課し期待した理想の重み…は重圧でもあった。文学を捨てようにも周囲がそれを許さない。政治や社会、隣人、自然への関心。愛犬への愛情。心底最後に描きたかったのは愛犬との交情だったのかも。
読了日:02月17日 著者:中村 光夫
暗闇に戯れて 白さと文学的想像力 (岩波文庫 赤346-1)の感想
気が付けば、モリスン本は四冊目となった。内容紹介にあるごとく、つまるところ、「アメリカ文学史の根底に「白人男性を中心とした思考」があることを鮮やかに分析し、その構図を一変させた、革新的な批評の書」というに尽きる。多くの識者も高く評価している。アメリカの文学史を変えたと云っていい本。というか、モリスンの批評活動が変えたというべきだろう。
読了日:02月14日 著者:トニ・モリスン
日本のアウトサイダー (中公文庫 R 9)の感想
「中原中也、萩原朔太郎、岩野泡鳴、河上肇、 岡倉天心、内村鑑三、大杉栄などの思想と行 動を、アウトサイダーの名のもとに解明し近代日本におけるインサイダーとは何かを説いた名著」とか。 コリン・ウィルソンの一頃人気を読んだ『アウトサイダー』にヒントを得た著。素人の書と云いながら、ちゃっかりアイデアを援用してる。理屈として理解が行き届かなかったが、さすがにこの頃はあまり触れられなくなっている詩人や宗教家、活動家の話題に触れられて楽しめた。本書での吾輩にとっての発見は、やはり岩野泡鳴かな。再認識。
読了日:02月11日 著者:河上 徹太郎
笑いと忘却の書 (集英社文庫)の感想
八年ぶりに読んだ。当時の感想(の一部):「世界は、難民と亡命と移民の大潮流に飲み込まれつつある。幸いにも、難民も移民も拒否している日本は、そうした世界の現実は対岸の火事。目先が幸せで平安だったら、(中略)世界も基本的に平安で、所詮、日本の多くの人には絵空事なのである。文学において深甚な課題が扱われていても、普遍性を持つのは難しい。村上文学はどうだろうか。扱う意思はあると思うけど。性という最も人間の卑近な営みですら、世界の紛争の最中にあって、歪な相克を逃れられない海外とは事情があまりに違う。」
読了日:02月08日 著者:ミラン・クンデラ
偉業 (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-3)の感想
ナボコフが初期にロシア語で書いた長編の四作目。時に邦訳題名が『青春』や『栄光』だったことから分かるように、一般的には自伝的要素を色濃く反映した青春小説という理解が多かったとか。訳者は、そんな読み方も可能だとした上で、他の読み方ができると言う。読んでみると、かなり野心的な作風。方法的自覚が強いナボコフならではの、ややとっつきにくさを感じることも。若書きなのかもしれないが、一筋縄では捉えられないいい意味での文学的企みがある。実に挑発的なのである。
読了日:02月07日 著者:ナボコフ
あなたのことが知りたくて : 小説集 韓国・フェミニズム・日本 (河出文庫)の感想
休日を利用してまる一昼夜で読了した。昨秋よりハン・ガン作品に魅せられ、本書もハン・ガン絡みで入手したもの。12名の日韓の作家らの個性が際立つ。中でもやはりハン・ガンの「京都、ファサード」の印象が強い。昨秋、斎藤 真理子著の『韓国文学の中心にあるもの』(イースト・プレス)に韓国文学の歴史の重みに感銘を受け嵌った。女性特有の担うもの、在日と簡単に括れない重み。いずれこれらの作家の中から何かしら読んでみたい。
読了日:02月04日 著者:チョ・ナムジュ,松田 青子,デュナ,西 加奈子,ハン・ガン,深緑 野分,イ・ラン,小山田 浩子,パク・ミンギュ,高山 羽根子,パク・ソルメ,星野智幸
賜物 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)の感想
ナボコフ再読シリーズ(?)第五弾。沼野充義によるナボコフ最後のロシア語小説を原典から邦訳。翻訳には門外漢の吾輩でも言葉の魔術師の本を訳す労苦が感じられないわけがない。 9年前の一月後半、本書を初めて読んだ。思いっきり感激してた。以下は当時の感想というか興奮の弁:
読了日:02月03日 著者:ウラジーミル・ナボコフ
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