2024年12月読書まとめ
師走はやや忙しくて仕事の車中での読書は少なかった。ようやくハン・ガンに手を出せたよ。この頃、寝落ちが増えてるのが気になる。
12月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:4454
ナイス数:4884
こびとが打ち上げた小さなボール (河出文庫 チ 8-1)の感想
昨夜半近くに読了。なんとも云えないエネルギーが熱く、時に静かにマグマのようにゆっくり、しかし圧倒的なパワーで大地を焦がしていく。感想など、書けそうにない。年の最後に本作を読めて良かった。
読了日:12月31日
著者:チョ・セヒ
進化の技法――転用と盗用と争いの40億年の感想
ニール・シュービンの本は分かりやすく且つ面白い。『ヒトの中の魚、魚の中のヒト』(2008年)『あなたの中の宇宙』(2014年)に続いて三冊目。最初の著書で内容はもちろんだが、文章に惹きつけられた。これこそ欧米科学者の伝統のナチュラルヒストリーなんだろう。…僅か3年前に読んだ本書を再読。敢えて1週間を費やして楽しんだ。進化の研究に携わる多くの研究者らの人間ドラマも活写。巻末の参考文献も見逃せない。
読了日:12月29日
著者:ニール・シュービン
サピエンス前史 脊椎動物の進化から人類に至る5億年の物語 (ブルーバックス B 2255)の感想
「約5億年前に脊椎動物が誕生し、それ以来生命は様々に分化し多様化して現在に至り、我々ホモ・サピエンスは何十万種もいる種のたった一つである。様々に枝分かれを繰り返すなかで、たった一本の道筋がホモ・サピエンスへとつながっているのだ。」我々ホモサピエンスへのたまたま繋がった細い糸。…我々自身の手で途絶えさせかねない危機。
読了日:12月26日
著者:土屋 健
比翼の象徴 明仁・美智子伝 中巻 大衆の天皇制 (比翼の象徴 明仁・美智子伝 上巻)の感想
20日の未明…にもならない丑三つ時に読了した。9日足らずで。上巻は二週間は費やしたはずなので、文体などに慣れたのだろうが、それより明仁・美智子さんらへの思い入れが相当に深まり、一層身につまされる本として読めているからだろう。
読了日:12月19日
著者:井上 亮
先住民から見た世界史 コロンブスの「新大陸発見」 (角川ソフィア文庫)の感想
仕事の車中の待機中に読んできてた。残り10頁余りとなったので、自宅に持ち帰り、一眠りしての寝起きに読了と相成った。南北アメリカ大陸の先住民や欧米の侵略のテーマは吾輩の古くからの読書のテーマの一つでもある。が、情けなくも山本紀夫の著書は初めて。
読了日:12月19日
著者:山本 紀夫
すべての、白いものたちの (河出文庫 ハ 16-1)の感想
前日から一昼夜も経ずに。一気読みするような生半可な作品ではないのだが。詩的な小説…それとも物語の形を持った詩の連なり。「おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り」という作品。
読了日:12月16日
著者:ハン・ガン
樹木の恵みと人間の歴史―石器時代の木道からトトロの森までの感想
十日ほどを費やして読んだ。はじめは淡々と、が段々熱が高まった。読むほどになかなかの書と実感。感想は休日に。国土の三分の二が山林や森の日本、木々への関心はもっともっと高くあるべき。
読了日:12月12日
時空のゆがみを解きほぐす数学の感想
連休だったことを幸いに主に夜中に時間を気にせず一気読みした。 「時空と重力、そして摩訶不思議なブラックホールに関連して「無毛定理」や「宇宙検閲官仮説」、さらには「弦理論」「11次元多様体」など、〈私たちの宇宙〉を探りつづける〈科学者たちの歩み〉を総覧することもできる本」。一般向けだが吾輩が読んできた中ではややハード。アインシュタインが一般相対性理論構築に至るギリギリの探求が類書の中では一番詳しく(さすが書いたのはジャーナリストで、ドキュメント風にさえ感じられる筆致で)描かれていた。
読了日:12月11日
数学の影絵 (ちくま学芸文庫 ヨ-13-4)の感想
仕事の車中の待機中に楽しんできた。書かれたのは1940年代から50年代まで。 吉田洋一と云えば、知る人ぞ知る『零の発見』という超ロングセラーの著者。吾輩も中学生の頃に手を出したものだ。本書で知ったのだが、かの中谷宇吉郎らと共に北海道帝国大学の理学部設置にあたり、教官候補生の一人に選定された方。寺田虎彦の肉声(講演)を聴いたこともあるという。羨ましい。これらのどなたも名随筆家である。
読了日:12月08日
著者:吉田 洋一
パスカル 小品と手紙 (岩波文庫 青614-5)の感想
草木も眠る丑三つ時…パスカルの書を読み終えるに相応しい刻限……ってわけじゃないが……(パンセよりも)本書にこそパスカルの思想が明確に示されている。感想など野暮…というか無理。高校生の頃に初めてパンセを読んだのが懐かしい。二週間を費やして読んだ甲斐はあったね。昨年は、パスカル生誕400年。まさに読むべくして読んだのだ。
読了日:12月06日
著者:パスカル
菜食主義者 (新しい韓国の文学 1)の感想
「ごく平凡な女だったはずの妻・ヨンヘが、ある日突然、肉食を拒否し、日に日にやせ細っていく姿を見つめる」夫、「芸術的・性的対象として狂おしいほど求め、あるイメージの虜となってゆく姉の夫」、「変わり果てた妹、家を去った夫、幼い息子……脆くも崩れ始めた日常の中で、もがきながら進もうとする姉・インへ」という3人の目を通して語られる連作小説集。
読了日:12月04日
著者:ハン・ガン
未知なる人体への旅: 自然界と体の不思議な関係の感想
「喉、心臓、脳、指など15の器官と体液を取りあげ、自然界を通して得た豊かな知識と深い洞察をもとに現役医師が語る人体の驚異と奇跡の物語。」現場重視。身体内外の環境生態重視。門外漢の我輩にも具体例や体験に即して語ってくれて、分かりやすく面白いが、医師を志す方にも参考になりそう。知恵の書。
読了日:12月03日
著者:ジョナサン・ライスマン
日航123便墜落 遺物は真相を語る (河出文庫)の感想
老眼に鞭打って、休み休みながら一昼夜で読了「日本航空123便墜落事故」(事件)を巡っての本。「あの事故の背景には、何が隠されているのか? 御巣鷹山の尾根に残された遺物の科学的な分析結果から「テストミサイル誤射説」を徹底検証。事件の真相に迫る告発のノンフィクション」である。つい先日読んだ森永 卓郎 著『書いてはいけない 日本経済墜落の真相』(フォレスト出版)に背中を押されて読んだ。
読了日:12月01日
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