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2024/12/06

2024年11月の読書メーター

 ← 遅めの紅葉。

 11月もそれなりに読書を楽しめた…と思う。欲を言えばきりがないが。生まれながら天皇たるべく生まれ生きる苦悩を描く「比翼の象徴 明仁・美智子伝 上巻 戦争と新生日本」が印象的。「韓国文学の中心にあるもの」は収穫。森永 卓郎著『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』や岡真理,小山哲,藤原辰史著の『中学生から知りたいパレスチナのこと』も読むべき本として銘記。

11月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:4314
ナイス数:5925

 


韓国文学の中心にあるもの韓国文学の中心にあるもの感想
実に発見の書。日本は、朝鮮特需(つまりは朝鮮の人々の血)で潤い金満国家へひた走り経済大国に。一方朝鮮は南北共に血で血を洗う凄惨な同じ民族同士の闘いの歴史を綴った。文学も大方の日本人には想像も付かない重く苦しい歩みに。その成果の一つが今年度のノーベル文学賞か。我輩にとっては、本書は画期の書になりそうだ。数多くの素晴らしい韓国人(朝鮮人)作家を教えてもらった。お勧め。
読了日:11月28日 著者:斎藤 真理子

タクシードライバーとの宇宙談義タクシードライバーとの宇宙談義感想
「あるタクシードライバーが発した質問とその後の会話にインスピレーションを得て、宇宙と生命をめぐる疑問に答える18のエッセイ。 (中略) タクシードライバーの疑問を発端に、洞察に満ち、ときにユーモラスな問答を繰り広げる」といった内容。以下のような素朴な疑問の数々。  素朴だがありがちな疑問だからといって内容も一筋縄じゃない。
読了日:11月23日 著者:チャールズ・S・コケル

書いてはいけない――日本経済墜落の真相書いてはいけない――日本経済墜落の真相感想
仕事の車中の待機中に読む本ではなかったのだが、とにかく読みたかった。まさに読むべき本。ザイム真理教については既に読んでる。ジャニーズの闇も(テレビ業界の長年の怠慢…不誠実など)重大な関心事だが、本書では、日航ジャンボ機123便の章が特に読みたかった。衝撃。これは必読。青山透子の詳細な調査本もあるが、手にするのを躊躇っていた。森永卓郎の太鼓判で彼女の本も必読となった。……繰り返す。必読だよ!
読了日:11月22日 著者:森永 卓郎

AV女優ちゃん5AV女優ちゃん5感想
若いころと違って漫画の本でも、一気読みはできない。目が疲れる。「彼女たちは、自ら選んでAVの世界に足を踏み入れたのか、それとも選ばざるを得なかったのか。ハードプレイのAVが流行し、多くの女優たちがどんどん過激なプレイを要求されるようになっていくなかで、彼女たちは生きるために何を選び、何を選ばないのか。そして、なゆゆのプラトニックラブの行方は……?」なんて本。
読了日:11月19日 著者:峰 なゆか

意識をゆさぶる植物──アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズⅣ)意識をゆさぶる植物──アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズⅣ)感想
…もしかしたら既にこの世界があるということそのことの中に可能性の限りが胚胎している、ただ、自分の想像力では追いつけないだけのことなのだ。  そんな瞬間、虚構でもいいから世界の可能性のほんの一端でもいいから我が手で実現させてみたいと思ってしまう。虚構とは物質的恍惚世界に至る一つの道なのだろうと感じるから。音のない音楽、色のない絵画、紙面のない詩文、肉体のないダンス、形のない彫刻、酒のない酒宴、ドラッグに依らない夢、その全てが虚構の世界では可能のはずなのだ。
読了日:11月18日 著者:マイケル・ポーラン

中学生から知りたいパレスチナのこと中学生から知りたいパレスチナのこと感想
楽しみで読む本もあれば、世界の実状を知るため読むべき本もある。本書は明らかに後者。入門編かな。でも、無知な我輩にはカルチャーショックだった。感想は(書けたら)後日。
読了日:11月16日 著者:岡真理,小山哲,藤原辰史

ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)感想
最初にこれを読んどきゃよかったな。「1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が米国製の歯磨き粉に含まれた毒による不審死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、なぜか陽気な泥棒を道連れに彼の甥に訃報を伝えに旅出つ――。」ストーリーも分からず、物語はどう展開するのか、いぶかしみつつついていったが……ロードムービー風なミステリー?  必ずしも高くは評価できないな。
読了日:11月13日 著者:深緑 野分

秋吉巒 挿画集 夢幻の悦楽郷 (TH ART SERIES)秋吉巒 挿画集 夢幻の悦楽郷 (TH ART SERIES)感想
「大正11年、旧日本帝国支配下の京城に生まれた秋吉巒。 戦後、さまざまな風俗雑誌の表紙や挿画を描くようになるが、やがて、 澁澤龍彦が「ひたすら自分の夢をつむいだ」と賛した独特な幻想絵画の制作に没頭。 その超現実的(シュルレアリスティック)な幻想風景を生む想像力と卓越した画力が いかんなく発揮された稀有な挿画の数々を収録!」うーむ……テイストは嫌いじゃない、というより好きなんだが、
読了日:11月12日 著者:秋吉 巒,相馬 俊樹

新科学論議 (下) (岩波文庫 青906-4)新科学論議 (下) (岩波文庫 青906-4)感想
ハアハアゼエゼエ通読…じゃなく流しただけ。現役の高校生の頃なら熱心に読めたかも。近代科学の幕開けの書。「感覚によって捉えられる自然現象の背後には数学的な規則性が存在することを明らかにされた」その意味で歴史的な書。
読了日:11月11日 著者:ガリレオ・ガリレイ

民藝四十年 (岩波文庫 青 169-1)民藝四十年 (岩波文庫 青 169-1)感想
ずっと仕事の車中の待機中に読んできた。11日に読了。冒頭の文章のやや高踏的というか(自己陶酔風とまでは云わないが)そんな語調に辟易したが、ぐっと我慢して読み続けた。「無名の職人の手になる日常雑器の中にかつて誰も見出さなかった美を捉えたところに柳宗悦(一八八九―一九六一)の民藝運動が始まる.そして,終生,無銘の雑器が何故かくも美しいかを問い続けた柳は,晩年,念仏宗に帰依,他力道という考えに到達する.」という内容だが、その前半の彼の事績には関心を払うに値すると読んで実感した。
読了日:11月11日 著者:柳 宗悦

音と脳――あなたの身体・思考・感情を動かす聴覚音と脳――あなたの身体・思考・感情を動かす聴覚感想
「言語障害、自閉症、難聴、バイリンガル、加齢や脳震盪、音楽療法……聞くことは、感じ、考え、動くことにどう影響するのだろうか? 音の持つ力と可能性を説く、聴覚神経科学のトップサイエンティストの集大成。」という興味深い本。このところ、嗅覚に続き聴覚も鈍りがちな吾輩としては読むしかない。
読了日:11月06日 著者:ニーナ・クラウス

比翼の象徴 明仁・美智子伝 上巻 戦争と新生日本比翼の象徴 明仁・美智子伝 上巻 戦争と新生日本感想
車中で読む本ではなかったのだが(ハードカバーで480頁!)、待機中に牛歩で。10日余りを費やしたが、提灯記事に流れることなく皇太子や彼を囲む人々の言動が興味深いものだった。当然ながら皇室に寄り添う記述だが、それでも皇室の責任と息苦しい日々の一端が伺われた。皇太子を育てることの困難さ。何事も前例踏襲の役所…その中の最たるものが宮中だろう。前例に範を求めつつ、前例のない皇室…皇太子像をどう築き上げるのか…至難だったろうことは想像に余りある。
読了日:11月06日 著者:井上 亮

新科学論議 (上) (岩波文庫 青906-3)新科学論議 (上) (岩波文庫 青906-3)感想
「宗教裁判により『天文対話』を禁書とされ、天文学の道を閉ざされたガリレオ。老いと病の困難を乗り越え、最後に意を注いだのは力学研究の完成であった。三人の登場人物の対話を通じて明らかにされる「二つの新しい科学」。物理学と工学への道を切りひらいた、一六三八年、ガリレオ最晩年の著書」というもので、これはこれで興味あるので、上巻を読んだ。ならば下巻もなんとか。今どきの高校生でも理系のセンスがあれば楽しめるかも。 
読了日:11月04日 著者:ガリレオ・ガリレイ

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