2023年3月の読書メーター
← 桜見物……落花……桜の花弁たち。散ったら踏み付けにされる。早めに風に吹かれて何処かの吹き溜まりに潜むんだよ。 (04/01 20:41)
お陰様で仕事がやや忙しく読書は低調……でもそれなりに手応えのある本にも出合えた。底難く地道に。
3月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:4685
ナイス数:7291
官能の夢―ドン・リゴベルトの手帖の感想
内容案内によると、「美貌の人妻ルクレシア、至上の美を求める夫リゴベルト、そして聖なる少年フォンチートの三者がつくる世界を対位法的な構成で描く、巧緻を極めたエロティックな物語。「継母礼讃」の続編。」と。
読了日:03月29日 著者:マリオ バルガス=リョサ
幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)の感想
世評は高い。名作の誉れも高い。が、吾輩は詰まらなかった。仕事の車中で慌ただしく読んだからか。小学生とは言わないが、せめて中学時代までには読んでおきたかった。感性が鈍ってる? 読書にはタイミングが大事と痛感した。
読了日:03月29日 著者:クラーク
沙羅双樹の花に捧ぐの感想
出版社の内容紹介によると、「『平家物語』は、諸行無常、盛者必衰という真理を説き、その中で限りある命を必死に生きた人々の姿を活写しています。本書は、全12章の長い物語をそうした人々の思いを中心において要約し、イラストと解説を付けて読みやすく再構成したものです」とか。「平家物語」理解の手引書か。
読了日:03月22日 著者:山谷和子
ル・クレジオは語る (1974年)の感想
古書店で入手した本。帯には、「《調書》でデビュー以来、現代文学の旗手として独自の文学活動を続ける鬼才が、思想の核から生活の断片まで幅広く自己を披露した注目の書」とある。74年に出た本。
読了日:03月22日 著者:ピエル・ロスト
科学にわからないことがある理由―不可能の起源の感想
日に20頁前後ずつ読んできた。「ジョン・D・バロウは、宇宙論と数理物理学を専門とするイギリスの天文学者・物理学者。サイエンスライター。」「ケンブリッジ大学の「新千年紀数学プロジェクト」(数理科学の社会普及を図る部門)の主宰者であり、一般向けに複数の科学解説書を著した」(Wikipediaより)
読了日:03月20日 著者:ジョン・D・ バロウ
世界は文学でできている 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義の感想
沼野充義氏と五名の文学者らとの対談集。リービ英雄、平野啓一郎、ロバート・キャンベル、飯野友幸、亀山郁夫の五氏。いずれも傑出した方々。翻訳論。創作、詩作。各国の小説や、特に詩を翻訳で読むことの意義。本書でフレーブニコフなるトンでも詩人を知ったし、辻原登のことを思い出させてくれた。埴谷雄高「悪霊」がちょっと扱われていたのが個人的に嬉しかった。忘れられつつある作家評論家なのかな。淋しいな。
読了日:03月18日 著者:沼野 充義
大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)の感想
「探偵フィリップ・マーロウの初登場作」とは知らずに読んだ。チャンドラー作品は『ロンググッドバイ』以来で、二作目(三作目)。筋が終えず、話しは面白いが何処へ導かれるか、途中読んでいて途方に暮れそうに。語りの面白さが読む手を離さない。最後にはミステリーの全貌が分かるわけだが、伏線は最初から仄めかされていたんだね。とにかく面白かった。
読了日:03月16日 著者:レイモンド チャンドラー
鎮魂譜: アリス狩りVIIの感想
一気読みするつもりだったが、気になる本が次々に出てきて、その都度、物色し読みたい本登録。マニエリスムか何か知らないが、万般の書が繋がり合っている。読んだ本が全てインプットされていて、しかもキーワードを多方面に繋げていくから、その連関の際限のなさは留まるところを知らない。本書は圧巻。
読了日:03月12日 著者:高山宏
語りと祈りの感想
12日(日)の未明に読了。3月11日の読了を目指していたのだが、ま、11日の夜半過ぎなのでギリギリ間に合った? 表題にあるように、祈りの書でありその意味での語りの書なのである。過日、「本書のテーマもだが、なんと云っても表紙の斎藤真一の絵の力が手にした上での動機になっている」と日記に書いた。
読了日:03月12日 著者:姜信子
ラテンアメリカの文学 砂の本 (集英社文庫)の感想
過日、安部公房の『砂の女』を久しぶりに読み、その色褪せぬ先端ぶりの傑作を堪能。で、「砂」をキーワードにあれこれ文献を渉猟。その中で、この作品を今更ながらに発見。短編集だった。ボルヘス作品も久しぶり。
読了日:03月09日 著者:ホルへ・ルイス・ボルヘス
セックスロボットと人造肉 テクノロジーは性、食、生、死を“征服"できるかの感想
著者は、イギリスのジャーナリスト、ドキュメンタリー製作者ということで、分かりやすく興味深く書いてくれている。やや著者の<健全な>価値観、常識に囚われすぎの感は否めないが、我々一般の常識の立場からの最新テクノロジーの実情を迫ってくれている。というか、ややはったりめいた起業家も多いようという心証を抱いておられると感じる。
読了日:03月04日 著者:ジェニー・クリーマン
宇宙はなぜブラックホールを造ったのか (光文社新書)の感想
予てより気になってならない謎の<存在>であるダークマター。「暗黒物質は天文学的現象を説明するために考えだされた仮説上の物質。”質量を持つ”、"物質とはほとんど相互作用せず、光学的に直接観測できない”、"銀河系内に遍く存在する"といった性質が想定される。間接的に存在を示唆する観測事実はあるが、直接的な観測例は無く、ダークマターの正体も不明である」。
読了日:03月03日 著者:谷口義明
歩き旅の愉しみ: 風景との対話、自己との対話の感想
読んだ…というか流した感じ。書店で見出した本。「「自分の足」だけを頼りに、ゆっくり自由に旅することで人生を取り戻す」というテーマなどは共感した。だから手にしたのだが、肝心の文章が肌に合わない。何処か説教臭さというか学者臭が漂って、辟易することしばしば。
読了日:03月01日 著者:ダヴィッド・ル・ブルトン
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