2023年2月の読書メーター
← ジョン・マーティン(英:John Martin, 1789年 - 1854年)作 (「ハーンとドレとマーティンと」(2020/06/21)より)
気ぜわしい中で過ぎ去った二月。検診結果が思わしくなかったり、内科医院に加え歯科医院通いも再開となったり、例年の確定申告がプレッシャーとして圧し掛かってきたり。
そんな中、読書の方は読了した冊数は少ないながら、ほとんど追っかけ的に読んでるイアン・スチュアートやユゴーの大作、念願だったレマルクの傑作、松井 孝典の新著、ブコウスキーにシェイクスピア作品などと、それなりに充実していた。中でも、べッセル・ヴァン・デア・コーク著の『身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法』は忘れられない読書体験となった。関心ある方には必読の書だろう。
2月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:5399
ナイス数:5360
すべてがFになる (講談社文庫)の感想
理系のセンス バリバリって感じが鼻につく。カヤの外ってか。やはり我輩は理系でもない。
読了日:02月27日 著者:森 博嗣
猫的感覚──動物行動学が教えるネコの心理 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の感想
内容案内には、「人間動物関係学者である著者が、野生から進化して人間と共存するようになったイエネコの1万年におよぶ歴史から、わたしたちが考えるネコ像と実際の生態との違い、一緒に暮らすためのヒント、イエネコの未来までをわかりやすく解説する総合ネコ読本」とある。
読了日:02月25日 著者:ジョン・ブラッドショー
世界を支えるすごい数学: CGから気候変動までの感想
[追記]我々の生活を支える数学。時に数百年前に成った数学が思いも寄らない形で生きている。文系でも増して理系でもない自分。文学や考古学、歴史に造詣があれば世界を豊かに感じられる。音楽や美術を楽しむ素地があるならやはりそうだろう。数学や物理のセンスがあれば、世界をより深くより高く審美を感じられるはず。
読了日:02月23日 著者:イアン・スチュアート
ノートル=ダム・ド・パリ(下) (岩波文庫)の感想
時にとてつもなく冗長。王様の執務ぶりを描く長々しい叙述には参った。そんな説明や場面は必要なのかと、詰問したくなる。……ユゴー的には必須なんだな……物語的には疑問だが。国王様の執務ぶりをトコトン愚弄してる。滑稽でもあるが。ストーリー展開にカオスを見る。ユゴー……とんでもない奴だ。
読了日:02月22日 著者:ユゴー
西部戦線異状なし (新潮文庫)の感想
一言、傑作。本作品について感想など無い。ただ、傑作とだけ繰り返しておく。
読了日:02月20日 著者:レマルク
ノートル=ダム・ド・パリ(上) (岩波文庫)の感想
冗長。だけど読ませる。この作品を、ドストエフスキーじゃないが、出版契約上執筆期限が切迫し一気に書き上げたとか。失われるパリの風景やノートルダム大聖堂への愛に満ち、自由奔放な表現ぶりはロマン主義の典型とも。
読了日:02月17日 著者:ユゴー
地球外生命を探る 生命は何処でどのように生まれたのかの感想
本書は、「昨年7月にNHKラジオで13回に渡って放送された「地球外生命を探る」を元に、追加取材を行い、著者の加筆を経て構成したもの」だという。吾輩は、情けなくもこのラジオ番組は全く聴いてなかった。 書店の天文学や宇宙論の一角で見出し手にした。松井孝典の本は、1993年刊の『宇宙誌』以来かもしれない。
読了日:02月13日 著者:松井 孝典
ポロック生命体 (新潮文庫)の感想
車中で仕事の合間の楽しみに読み始めたのだが、悲しいかな途中から流してしまった。2012年から2019年にかけての初出作品。書き手は、かの『パラサイト・イブ』の作家。日本のSF作家・ホラー作家。第16代日本SF作家クラブ会長。など。SFは嫌いじゃないし、テーマはAIと来ると、多少の期待を以て手にした…のだが。
読了日:02月12日 著者:瀬名 秀明
身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法の感想
「世界的第一人者が、トラウマによる脳の改変のメカニズムを解き明かし、薬物療法の限界と、身体志向のさまざまな治療法の効果を紹介。」第一次世界大戦での戦傷者たちのトラウマ体験の訴え。ベトナム戦争での兵士らの悲惨な体験の心身の傷痕そしてトラウマ。そうでなくても、家庭内での心身の傷痕。
読了日:02月09日 著者:べッセル・ヴァン・デア・コーク
オセロー―シェイクスピア全集〈13〉 (ちくま文庫)の感想
松岡版には、人物紹介が載っているので、最初は(ずっと?)頼りっきり。それでもいざ読み出すと一気だった。愛と嫉妬の物語。人種差別の気味もある? さすが劇的な…というか戯曲なんだから劇なのは当たり前だが、怒涛の展開で、息が苦しいくらい。こういう悲劇に至るしかなかった…と思わせる説得力がシェイクスピア劇にはある。
読了日:02月07日 著者:ウィリアム シェイクスピア
郵便局 (光文社古典新訳文庫 K-Aフ 16-1)の感想
ヘミングウェイに魅せられていたというが、歯切れのいい短文が続き、恐らくは都甲幸治氏の訳も預かってだろうが、分かりやすく乗りやすい。世間にもだが、読者にも媚びを売る気はさらさらない、チムスキーのその気風の良さが魅力だ。
読了日:02月06日 著者:チャールズ・ブコウスキー
ジゴロとジゴレット: モーム傑作選 (新潮文庫)の感想
内容案内には、「ヨーロッパを舞台に、味わいと企みと機知とユーモアに彩られた大人の嗜み、その極致八篇を新訳で愉しむ」とある。まさに物語の舞台が広いし、スパイの経験が生きているのか、見聞がまた際立っている。人の裏の裏まで知り、その結果社会や人間をシニカルに見がちのはずが、モームは人間喜劇の粋を存分に味合わせてくれる。まさに大人の作品世界だ。
読了日:02月04日 著者:サマセット モーム
文学の淵を渡る (新潮文庫)の感想
仕事の合間の楽しみにと、車中に持ち込んだのだが、読み出して両巨頭の対談の高等ぶりに、これはとてもついていけないと後悔気味。 それでも「日本文学の最前線を半世紀にわたり走り続けてきた作家が語る、小説の過去・現在・未来」ということで、興味深く理解の及ばないながらも付いていった。
読了日:02月01日 著者:大江 健三郎,古井 由吉
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