2022年11月の読書メーター
先月もサイエンス系から文学系、政治ジャーナル、趣味本、再読本など、多彩な本が読めた。印象的な本も何冊か。仕事もやや忙しくなっているし、冊数は少なくなっている。ま、こんなものかな。
11月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:4412
ナイス数:6389
わが母なるロージー (文春文庫)の感想
「『その女アレックス』のカミーユ警部が、ファンの熱い声に応えて、富豪刑事ルイ、巨漢の上司ル・グエン、猫のドゥドゥーシュらとともに一度だけの帰還を果たす。『その女アレックス』と『傷だらけのカミーユ』のあいだに挟まる「カミーユ警部シリーズ」第2.5作。」というもの。スピンアウト的?
読了日:11月30日 著者:ピエール ルメートル
裸で泳ぐの感想
「あの日二五歳だった私はいま、三三歳になった――。事件、そして声をあげて、「それから」の日々を綴った待望のエッセイ集。突然、心の奥底で解除された感情。繊細でしなやかな友情。家族との時間。生まれていったつながり……日本の#MeTooを切りひらいた著者が、「ただの自分」の声を見つけるまで。」(本書カバーより)という本。
読了日:11月29日 著者:伊藤 詩織
日本解体論 (朝日新書)の感想
活発な言論活動を続けているジャーナリストの望月 衣塑子。「アメリカのニューヨーク・タイムズ紙の記事によると、官邸会見で望月の質問が報道室長によってしばしば妨害されたり打ち切られたりすると紹介したうえで、「会見で政治家へ鋭い質問をぶつける」という多くの国で記者が当然の仕事として行っていることが日本では当たり前ではないために、逆説的に望月が著名人になっている、と皮肉を込めて報じた」(Wikipedia参照)など、目立つだけに賛否交々なのは当然か。
読了日:11月28日 著者:白井 聡,望月 衣塑子
空間の詩学 (ちくま学芸文庫)の感想
三度目なのだが、今回は通読するのがこれが最後だろうと、二週間を費やした。 「物質的想像力の概念を導入して詩論の新しい地平を切りひらいてきたバシュラール」の世界をゆっくりじっくり味わった。235個に渡る原注訳注も余さず。訳者によるあとがき等も目を通した。
読了日:11月24日 著者:ガストン バシュラール
歴史の本棚の感想
23日読了した。書店で見出し、即手にした。正直、中を捲ることなく。加藤陽子の素養を知りたくて。中身は違った。彼女の専門分野である日本近現代史に軸を置いた文献を扱っている。大半が吾輩には今後も手にしえない書かもしれない。
読了日:11月23日 著者:加藤 陽子
評論集 滅亡について 他三十篇 (岩波文庫)の感想
21日に読了。少なくとも2016年1月以来の再読。中国やアジアの古今を、つまりは足元を見るべし。本書に限らず、加藤陽子の本や、倉沢 愛子著の『増補 女が学者になるとき: インドネシア研究奮闘記』 (岩波現代文庫 )を読み始めたのも、その一環である。
読了日:11月21日 著者:武田 泰淳
神の方程式: 「万物の理論」を求めての感想
書店で発見即入手。彼の本なら間違いないし。ミチオ・カクの本は、『アインシュタインを超える』以来、『サイエンス・インポッシブル』など、これまでも数冊は読んできた。吾輩のように数式に弱い人間にも分かるように(分かった気にさせてくれるように)平明に、それでいて基本は踏まえて語ってくれる。本書もその典型のような本。
読了日:11月20日 著者:ミチオ・カク
暗闇のなかの光──ブラックホール、宇宙、そして私たちの感想
「2019年4月、ブラックホールの存在が初めて画像で直接証明された。「いくら見つめても足りない。素晴らしく新しいが、なぜか懐かしい」プロジェクト実現のため、世界中の電波望遠鏡のネットワーク作りに奔走した研究者が語る、壮大なサイエンスノンフィクション。」
読了日:11月16日 著者:ハイノー・ファルケ,イェルク・レーマー
世田谷一家殺人事件 韓国マフィアの暗殺者 (角川文庫)の感想
読書メーターの某氏の読後感想で、犯人が今話題の韓国系宗教団体との関係が疑われるという、ある意味で時宜を得た本なのではと感じ、過日の久々の書店での物色にこの一冊を急遽加えた。
読了日:11月14日 著者:一橋 文哉
偉大な記憶力の物語――ある記憶術者の精神生活 (岩波現代文庫)の感想
「直観像と共感覚をもつその男は,忘却を知らなかった.電話番号を舌で感じ,コトバの音から対象の意味を理解する.想像によって手の体温を変える.直観像を利用して課題を鮮やかに解決する一方で,抽象的な文や詩の理解はひどく困難.特異に発達した記憶力は,男の内面世界や他者との関わりに何をもたらしたのか」といった内容。
読了日:11月11日 著者:A.R.ルリヤ
愛書狂の本棚 異能と夢想が生んだ奇書・偽書・稀覯書の感想
題名は『愛書狂の本棚 異能と夢想が生んだ奇書・偽書・稀覯書』。が、決して貴重な意味での稀覯書を集めたわけではないので、注意ご用心。ひたすら好奇心で手にした。やたらと重たい。重さの割に本としての綴じ方の強度が足りない気がした。
読了日:11月10日 著者:エドワード・ブルック゠ヒッチング
よみがえる与謝野晶子の源氏物語の感想
〈近代初の現代語訳〉誕生の裏側を探求するもの。「『新訳源氏物語』と『新新訳源氏物語』——晶子の生涯を貫いた「源氏」に賭ける情熱の軌跡! 翻訳はどのようにして完成したのか。 新資料の数々をもとに訳業の具体像を明らかにする」
読了日:11月05日 著者:神野藤 昭夫
漱石の漢詩 (文春学藝ライブラリー)の感想
漢詩の好きな(でも白文は読めない)小生、漱石の漢詩に予てより関心があり、書店で、「漱石 漢詩」で検索して本書を発掘。装丁が地味だが、帯に漱石の写真と共に、「吾輩は小説よりも、漢文学で身を立てたかったのである」というキャッチ―な言葉。
読了日:11月01日 著者:和田 利男
沈黙 (新潮文庫)の感想
「島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。」というもので、遠藤周作が17世紀の日本の史実・歴史文書に基づいて創作した歴史小説である。
読了日:11月01日 著者:遠藤 周作
読書メーター
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 2024年12月読書まとめ(2025.01.05)
- 2024年11月の読書メーター(2024.12.06)
- 2024年10月の読書メーター(2024.11.17)
- 2024年9月の読書メーター(2024.10.01)
- 2024年8月の読書メーター(2024.09.04)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 2024年12月読書まとめ(2025.01.05)
- 2024年11月の読書メーター(2024.12.06)
- 2024年10月の読書メーター(2024.11.17)
- 2024年9月の読書メーター(2024.10.01)
- 2024年8月の読書メーター(2024.09.04)
「書評エッセイ」カテゴリの記事
- 2024年12月読書まとめ(2025.01.05)
- 2024年11月の読書メーター(2024.12.06)
- 2024年10月の読書メーター(2024.11.17)
- 2024年9月の読書メーター(2024.10.01)
- 2024年8月の読書メーター(2024.09.04)
「読書メーター」カテゴリの記事
- 2024年12月読書まとめ(2025.01.05)
- 2024年11月の読書メーター(2024.12.06)
- 2024年10月の読書メーター(2024.11.17)
- 2024年9月の読書メーター(2024.10.01)
- 2024年8月の読書メーター(2024.09.04)
コメント