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2022/09/01

2022年8月の読書メーター

Watoji ← 画像は、父の作った和綴じ本3冊。中には、篆刻に晩年の情熱を傾けた父の篆刻印影集。本の大きさは73 × 53ミリ。画像下の赤い棒は文鎮……? 長さ8センチ。 (09/01 12:15)

 猛暑と雨続きの夏。モームの大作「人間のしがらみ」、アイヌ本、進化論本、西行歌集、初浅田次郎、初今村 夏子本、原始仏典(バラモン経典)と今月も多様な本を楽しめた。

8月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:5290
ナイス数:6259



土偶を読む図鑑土偶を読む図鑑
読了日:08月29日

著者:竹倉 史人


人間のしがらみ(下) (光文社古典新訳文庫)人間のしがらみ(下) (光文社古典新訳文庫)感想
教養(Bildung自己形成)小説と云いつつ、ゲーテなどと違い、かなり自己を抉っていて、恋愛沙汰も読むのがしんどいほど長々と綴られており、辛気臭いことこの上ない。だが、読ませる。
読了日:08月28日 著者:モーム


辺境から眺める――アイヌが経験する近代【新装版】辺境から眺める――アイヌが経験する近代【新装版】感想
アイヌ問題を主に明治以降の日本という成り上がり国家の都合で作り上げた、観光業向けの紋切り型の像でしか知らなかった自分には、「本書においても、現代思想や近現代史・アイヌ問題など、その緻密な考察と開かれた問題提起は、じつに鮮やかである」というが、十日余りを費やしての通読では本書の表層を漂流したに終わった。
読了日:08月27日 著者:テッサ・モーリス=鈴木


人間のしがらみ(上) (光文社古典新訳文庫)人間のしがらみ(上) (光文社古典新訳文庫)感想
「幼い時分に両親を失い、叔父に育てられた作者自身の自伝的な教養小説」。さすがのモーム。読ませる。中野好夫訳「人間の絆」として2度は読んだ。久しぶりに手にしたが、とっても新鮮。初めて読んでる気がする。我輩の記憶力の悪さ……じゃなく、訳者である河合氏の巧みな訳のお陰と思いたい。感想はいいよね。
読了日:08月24日 著者:モーム


読書と私―書下しエッセイ集 (文春文庫)読書と私―書下しエッセイ集 (文春文庫)感想
1980年刊で、父の蔵書か、吾輩の本なのか、微妙。

 巻末に書き手らが言及した書名一覧があるだけで、解説の類いは一切なし。作家紹介もない(作家の作品名や生年、あるいは受賞歴も記載なし)。
読了日:08月23日 著者:井上 靖


夢と幽霊の書夢と幽霊の書感想
読了…というより、途中から流し読み。漱石がロンドン留学中に原書で読み、後の「琴のそら音」や「夢十夜」などの創作にも影響を受けた書らしいということで、期待が先行していた、その分、がっかり感が強い。 人によっては面白いかもしれないが、吾輩は落胆。この本のどこが漱石を刺激したのか、さっぱり分からなかった。
読了日:08月18日 著者:アンドルー・ラング


たずねびと―人間への郷愁 随筆 (1955年) (カッパ・ブックス)たずねびと―人間への郷愁 随筆 (1955年) (カッパ・ブックス)感想
父の蔵書。やはり父が結婚して数年の頃に入手したものか。田宮 虎彦の名は予てより知っていたが、作品は手にしたことはない(はず)。父の導きで奇しくも今頃になって読むことになった。
読了日:08月18日 著者:田宮 虎彦


むらさきのスカートの女 (朝日文庫)むらさきのスカートの女 (朝日文庫)感想
正直、読み出した冒頭から既に物語の…というより語り口に魅入られた。いろんな感想を読んでも面白かったという人と、つまらない、こんなのが芥川賞かという全く相反する評が。毀誉褒貶喧しい作品。

 吾輩は面白かった。少なくとも既存の作家作品にない持ち味がある。そのテイストに合う人はファンになるだろう。
読了日:08月17日 著者:今村 夏子


俳句入門俳句入門感想
父の蔵書。父が結婚して数年の頃か。若いころから俳句に熱心だったようだ。

 父の書庫にあったもの。整理していてたまたま目についた。読み出してびっくり。俳句関連の本は少しは読んできたが、俳論の書としては(吾輩が云うのも僭越だが)抜群だった。入門書として優れていると同時に俳論として傑出していると感じた。
読了日:08月15日 著者:秋元不死男


脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか: 生き物の「動き」と「形」の40億年脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか: 生き物の「動き」と「形」の40億年感想
「人間の直立二足歩行はどのように始まったのか? ひれはいかにして肢(あし)になったか? なぜ多くの動物は左右対称なのか? なぜ植物はかたくなに移動しないのか?」といった素朴だが根源的な疑問に答えようとする書。

 本書で一番、ドラマチックな箇所は、以下の点を明らかにしたことにある:(ここはネタバレなので略)
読了日:08月15日 著者:マット ウィルキンソン


西行全歌集 (岩波文庫)西行全歌集 (岩波文庫)感想
西行については、辻邦夫『西行花伝』など各種の本で親しんできた。先月、書店の岩波文庫のコーナーで本書が目についた。

「山家集」など個々のものはそれなりに手にしてきたが、この際、全歌集にチャレンジするのも酔狂かなと。やや無謀かもしれないが、折々親しみたくなる歌人…謎の人なのである。
読了日:08月08日 著者:西行


「人新世」と唯物史観「人新世」と唯物史観感想
知人に借りた本。出版社も初耳。読んだと云えないかもしれない。斎藤 幸平著の『人新世の「資本論」』 (集英社新書) に納得できずに書き下ろした書のようだが、正直、教条的な感があって、やや期待外れに終わった。丁寧に学習すれば成果があるのだろうが、自分には敷居が高い。
読了日:08月06日 著者:友寄英隆


月島慕情 (文春文庫)月島慕情 (文春文庫)感想
読書メーターで敬愛する方の感想を目にし、入手した本。浅田氏にはかねがね関心を抱いてきたが、これが契機と。読み出してもっと早く手にすべきと感じた。どの作も、「市井に生きる人々の優しさ、矜持を描いた珠玉の短篇」というのがしみじみ実感させてくれる。吾輩ごときが感想を書く必要もないだろう。
読了日:08月05日 著者:浅田 次郎


身近な雑草の愉快な生きかた(ちくま文庫)身近な雑草の愉快な生きかた(ちくま文庫)感想
著者の本としては2冊目、関連の本としては、つい最近、多田 多恵子著の『したたかな植物たち 秋冬篇』を先月23日に読んだばかりである。吾輩は格別植物好きというわけではない。むしろ逆で、庭仕事で雑草に日々悩まされている。別に敵視するつもりもないが、なんとも思い通りにならない現実に、これはこれでとんでもない生き物の世界が身近に跋扈していると思い知っているがゆえの読書なのである。
読了日:08月05日 著者:稲垣 栄洋,三上 修


世界の名著 (1) バラモン教典 原始仏典  (中公バックス)世界の名著 (1) バラモン教典 原始仏典  (中公バックス)感想
1969年に出版された同書のコンパクト版。『世界の名著』シリーズを創刊の当時から高校生だった吾輩は順番に買って行ったが、何故か箱入りの本書は手元にない。

 調べたらこのシリーズの第一回配本は「ニーチェ」で、この原始仏典はずっと後の配本のはず。
読了日:08月03日 著者:

読書メーター

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