2022年7月の読書メーター
← 椿の蕾? 実? 実だそうです。 (08/03 17:29)
少ないながら多様な本を読めた。小説が少ないのが気になるかな。先月は、13回忌法要もあって個人的には大変だった。長く飾ってあった立派な雛壇も箱に収めた。一区切りついた気がする。
7月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:4832
ナイス数:5715
チャイコフスキー・コンクール―ピアニストが聴く現代 (中公文庫)の感想
中村氏のエッセイ本は好き。『ピアニストという蛮族がいる』や『アルゼンチンまでもぐりたい』などを読んできた。達筆だし勢いがある。ピアニストとして一流なんだろうが(吾輩が評価をするのは僭越)、達意の文章で率直、正直。ユーモアのセンスもたっぷり。
読了日:07月30日 著者:中村 紘子
21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考の感想
期待に違わぬ内容だった。「“知の巨人”が、テクノロジーや政治をめぐる難題から、この世界における真実、そして人生の意味まで、人類が直面している21の重要テーマを厳選。正解の見えない今の時代に、どのように思考し行動すべきかを問う」というもの。
読了日:07月25日 著者:ユヴァル・ノア・ハラリ
時代と人間の感想
『広場の孤独』『漢奸』での芥川賞作家だが、肝心の小説は入手は難しい。若いころに読んだきり。未だに再読が叶わずにいる。高岡市の出身だが、大きな括りでは富山県出身の作家ということもあり、『ゴヤ』四部作や『定家明月記私抄』(正続)あるいは『方丈記私記』など、かなりの著作を読んできた。
読了日:07月25日 著者:堀田 善衞
したたかな植物たち 秋冬篇 (ちくま文庫)の感想
車中にての楽しみに読んでいた。画像も豊富で気が付くと読了していた。23日の土曜日、未明だった。
書店で生物学の書架を物色していて、稲垣 栄洋,三上 修共著の『身近な雑草の愉快な生きかた』が目につき、手にした。すると、そばに本書が。買う気もなく、ただパラパラと捲っていて、ツバキの章が目に飛び込んできた。
読了日:07月23日 著者:多田 多恵子
日本史サイエンス〈弐〉 邪馬台国、秀吉の朝鮮出兵、日本海海戦の謎を解く (ブルーバックス)の感想
「歴史とは、人と物が時間軸・空間軸の中をいかに運動したかを記述するものである。(中略)日本史の「未解決事件」に「科学」を武器に切り込む!」というもので、「【謎の一】邪馬台国はどこにあったのか?」は、「古代史最大の謎に、皆既日食の観測と『魏志倭人伝』の科学的解読から迫」るもの。
読了日:07月19日 著者:播田 安弘
皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章の感想
実に面白かった。訳も的確だしこなれている。ポピュラーサイエンス本だが、話題が豊富なので、読んで楽しめた。皮膚…肌……化粧などに関心のある方には実用の書としても読めるかもしれない。刺青の話題も興味深い。
読了日:07月18日 著者:モンティ・ライマン
進駐軍向け特殊慰安所RAA (ちくま新書)の感想
日本軍が関わった従軍慰安婦については夙に知られているが、「終戦からわずか三日後の一九四五年八月一八日、内務省警保局から全国の知事に秘密の指示が発せられた。それは、進駐軍向けの性的な慰安所を速やかに設けよという指令だった。特殊慰安所RAAである」という事実はあまり知られていないのではないか。パンパンは映画にもなったくらいで世に知られているが、この特殊慰安所RAAはその前史のようなものか。
読了日:07月17日 著者:村上 勝彦
奏鳴曲 北里と鷗外の感想
1922年(大正11年)7月9日に鴎外は亡くなったので、今年は没後百年。関連の本は各種出ているが、読みやすそうなので、本書を手にした。
実際、伝記ではなく、小説仕立て。でも、小説でもない。なので、登場する人物らの喋りは、作り事と受け止める。事実関係だけを追うように心がけた。
読了日:07月14日 著者:海堂 尊
娼婦の本棚 (中公新書ラクレ 761)の感想
「キャバクラやアダルトビデオなど、夜に深く迷い込んで生きていた頃、闇に落ちきることなくこの世界に繋ぎ止めてくれたのは、付箋を貼った本に刻まれた言葉だった――。」とある。軽薄なのか冒険心や親や学校社会への反発心、あるいは同世代の女子への見栄や流行を追うマインドの突っ張り合いなのか。だからってAV嬢までやるのか。までという言い方に偏見があるのか。
読了日:07月13日 著者:鈴木 涼美
レイラの最後の10分38秒の感想
訳者あとがきによると、二〇一七年三月、ある医療系サイトに驚くべき記事が載った。「カナダの集中治療室勤務の医師らの報告によると、臨床死に至ったある患者が、生命維持装置を切ったあとも十分三十八秒間、生者の熟睡中に得られるものと同種の脳波を発し続けた」という。
本作は、このニュースに興味を引かれた作家エリフ・シャファクが、「人はそのわずかな時間に何を思うのだろう? もし人生を振り返るのなら、どんなふうに? という想像をもとに描きあげた、ひとりのトルコ人女性の物語である」とか。
読了日:07月10日 著者:エリフ・シャファク
生命進化の物理法則の感想
(前略)「生物の形や行動はすべて物理法則に支配され、決められていることを明らかにする画期的な科学本。DNAや細胞などのミクロから動物の生態、人間と地球外生命までを科学で解き明かす」という趣旨の書は、生命進化に偶然性(や中には神秘性)の類いを思い入れしたい向きには、題名からして拒否感を抱かせるかもしれない。
読了日:07月08日 著者:チャールズ・コケル
岩波文庫的 月の満ち欠けの感想
最後は退屈で流してしまった。肌合いが合わない。伊坂幸太郎ら作家陣も称賛するのだから、優れた作品なのだろう。
だが、推理小説に限らず、「月のように死んで,生まれ変わる」というから輪廻転生なのだろうか、こういった純粋小説からは食み出す意匠を採り入れる作品の通弊として、人間探求の切っ先の鋭さが撓んでしまう気がしてしまう。
書き手として小細工に神経が奪われていると感じる。直木賞なら泥臭くてももっと人間味を描いてほしかった。
読了日:07月07日 著者:佐藤 正午
日本の先史時代-旧石器・縄文・弥生・古墳時代を読みなおす (中公新書 2654)の感想
古代史の本を読むのは吾輩の読書の一環。当然ながら先史時代の本も。というより、有史以前の時間の厚みが恐らくは有史の形へも土壌になって影響していると思えるからだ。
研究者らの地道な発掘や研究の積み重ね。その積み重なりが本書の題名のように、『日本の先史時代 旧石器・縄文・弥生・古墳時代を読みなおす』ことに繋がるのだ。
読了日:07月03日 著者:藤尾 慎一郎
教育鼎談 子どもたちの未来のためにの感想
仕事の合間に読む本ではないのだが、読めば読むほど文科省教育の抱える問題の根の深さに憂鬱になった。
現政権の教育行政や現場への政治介入は、まさにその行政の渦中…中枢にいた方たちだからこそ危機感を覚えさえるものだったようだ。教育勅語の問題、紋切り型の教育体制を変えたくない現場の先生方、多様な生き方より東大一直線の狭い視野、でもそのほうが、頭ごなしの政治体制には都合がいいのだろう。
読了日:07月02日 著者:内田樹,寺脇研,前川喜平
流浪の月 (創元文芸文庫 LA な 1-1)の感想
(前略)主人公に限らず登場人物の誰もが(少なくとも)心に傷を持つ。恐らくは親たちも。作者の目線は若い人たちに焦点が向いている。誰もが癒されない、誰にも理解されないと思っている。大人には分かるはずがない。周囲の大人の善意も素直には到底、信じられないし受け入れられない。拒否さえする。
読了日:07月01日 著者:凪良 ゆう
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