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2015/02/19

パルミジャニーノにマニエリスムを嗅ぎ取る

 ようやく、グスタフ・ルネ・ホッケ著の『迷宮としての世界(上)――マニエリスム美術』 (種村 季弘 (翻訳), 矢川 澄子 (翻訳) 岩波文庫) を読み始めた。前々から読みたいと思いつつも、大部な本ということで迂闊には手が出せずにいた。

Parmigianino_lucrezia_romana_1540

→ 『ルクレツィア』 (画像は、「パルミジャニーノ - Wikipedia」より) 「パルミジャニーノ」(Parmigianino 1503-1540)については、「パルミジャニーノ-主要作品の解説と画像・壁紙-」を参照のこと。実に参考になる。それにしても、何を見て驚いているのか。「ルクレツィア・ボルジア - Wikipedia」によると、「 ルクレツィアは膝まで届く豊かな金髪と美しい容貌の持ち主で、角度によって色が変わって見えるハシバミ色の瞳と美しく盛り上がった胸、そしてその生来の優雅さから「天女」と呼ばれており、ルクレツィアの容姿は当時のイタリアで非常に高く賞賛されていた」とか。権謀術数の渦中にあった美女で、人生そのものが驚異に満ちている。

 車中の待機の徒然に…と云うには、やや重いかもしれないが、上下二巻あるし、じっくり楽しんでいくつもり。
 あまりに該博な知識が披露されて、目が回りそうだが、まあ、気になった画家を折々、本稿などで採り上げていく…かも。

Parmigianino_selfportrait

← パルミジャニーノの代表作『凸面鏡の自画像』(1523年 - 1524年)美術史美術館蔵 (画像は、「パルミジャニーノ - Wikipedia」より)

 小生、絵画についても、まるで不勉強な人間で、特にまるでつかみどころがなかったのが、マニエリスム(美術)である。
 マニエリスムって、何ぞや?

 まあ、吾輩なりのマニエリスム論を語る権能はまるでないので、ただ上掲書や関係の画家の作品を見ながら、感覚的に(イメージの上で)理解紛いくらいでも得られたらと思っている。
 で、今日は、まず、『凸面鏡の自画像』などで有名なパルミジャニーノである。

Parmigianino_barbara00

→ 『バルバラ』 不明 | 油彩・板 | 41.9×31.4cm | プラド美術館(マドリッド) (画像は、「パルミジャニーノ-主要作品の解説と画像・壁紙-」より)

パルミジャニーノ - Wikipedia」によると、「ミケランジェロ・ダ・ヴィンチなどルネッサンスの影響を受けた。最も影響を受けているのはラファエロで、現存するスケッチの中でも、特にラファエロのスケッチを多く残している事からもうかがい知れる。その時代からは想像も出来ないような独特な画風を持つパルミジャニーノの作品は、幻想的な物が多い」とか。

 上掲の代表作『凸面鏡の自画像』もいかにも独特だが、下記の『長い首の聖母』などに彼の特徴や個性が表れているように感じる。

Parmigianino_collo00

← 『長い首の聖母』 (Madonna dal collo lungo) 1535年頃 216×132cm | 油彩・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ) (画像は、「パルミジャニーノ-主要作品の解説と画像・壁紙-」より)

 題名である『長い首の聖母』にあるように、やたらと細長い首。それ以上に、全体のバランスなど関係ないといった、感じたように、描きたいように、描くという聖母のボディラインの凄味。マニエリスムの概念は、小生には未だにまるで分からないものだが、ある種の表現主義のように感じたりする。

37歳の若さでこの世を去ったのはその時期に流行した赤痢のためと言われている」ようだが、彼が長生きしたら、どんな世界を描き示したか、想像が付かない。

                               (2015/02/17 記

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