ベルニーニの謎の表情へ
西欧の彫刻家で有名な人はいろいろいるが、小生は、やや俗っぽい関心からも、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニが一番、気になる。少なくとも小生にも、その素晴らしさの一端は感じられる。
つまり、芸術性の欠片もない小生にも、その芸術性を感じさせるほどに、凄味があるということだ。
← ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ Gian Lorenzo Bernini「聖テレジアの法悦 (The Ecstasy of Saint Therese)」 (1645-1652年 | 383×225cm | 大理石 | 高さ:350cm) (画像は、「ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ-主要作品の解説と画像・壁紙-」より)
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニは、小生が説明するまでもない。小生にはそんな能はない。
「ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ-主要作品の解説と画像・壁紙-」によると、「ピエトロ・ダ・コルトーナと共に、17世紀のイタリアにおいてバロック様式の発展に決定的な役割を果たした初期バロック美術の彫刻家兼建築家。その活躍は画業にまで及び、そのどれもが規範にとらわれない自由で感覚的な表現をおこなう」という。
→ 同上より聖テレジアの恍惚の表情を拡大。これが大理石だとは!
それ以上の説明は、同上サイトや「ヘルマプロディートス - Wikipedia」などを参照願いたい。
ここではただ、鑑賞すればいい。というか、堪能すればいいのだ。実物はさぞかしと、思うのみだが。
聖テレジアの恍惚の表情などは、もちろんだが、下に掲げる、「眠るヘルマフロディトス」などは、下手にのめり込むと、引き返せなくなる懸念もあるから用心である。
← 「眠るヘルマフロディトス」 (画像は、「「眠るヘルマフロディトス」 ★ベルニーニがエロ過ぎるというので、まとめてみた!【彫刻】 - NAVER まとめ」より) 「ヘルマプロディートスとは、ギリシア神話に登場する神である。ヘルメースを父に、アプロディーテーを母に生まれた頗るつきの美少年であったが、水浴びのさなかにニュムペーのサルマキスに強姦され、文字通りに一つに合体して両性具有者となった」(「ヘルマプロディートス - Wikipedia」より)とか。
→ 『眠れるヘルマプロディートス』(別角度) (画像は、「ヘルマプロディートス - Wikipedia」より) 「ヘルマプロディートスの名は、両親にちなんでいるだけでなく、美しい女体をもった美少年(ヘルメースにしてなおかつアプロディーテー)という意味も持つ。また、「両性具有」「雌雄同体」を意味する "hermaphrodite" という語の語源でもある」(「ヘルマプロディートス - Wikipedia」より)のだ。
本ブログにおいて、唐突にベルニーニを話題の俎上に載せたのは、今、車中で折々読んでいる、谷川 渥著の『肉体の迷宮』(ちくま学芸文庫)を読んでいたら、まさに肉体の迷宮に誘われそうなベルニーニの世界が強烈に浮かんできたから。
← 「 アポロとダフネ 」(1622-25 | 243cm | ローマボルゲーゼ美術館蔵) (画像は、「ヴァーチャル絵画館 西洋美術史=時代と様式解説 主題解説=ギリシャ神話・聖書の物語・文学・象徴」より)
「アポロとダフネ」については、有名な悲劇の逸話がある。
「アポロンは、ダフネへの愛の記念に、ダフネの月桂樹の葉で冠を作り、生涯それを頭にかぶっていた」というのは、なにゆえなのか。
「ギリシャ神話 アポロとダフネ」を参照願いたい。
→ 「福者ルドヴィカ・アルベルトーニ(Beata Ludovica Albertoni)」( 1671-1674年 大理石 | サン・フランチェスコ・ア・リーパ聖堂(ローマ)) (画像は、「ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ-主要作品の解説と画像・壁紙-」より) 「没落しつつあった当時のローマで男色の罪で告発された弟ルイージの恩赦を得るために教皇一族のために数多くの作品を手がける中、パルッツォ・アルベルトーニ枢機卿の依頼によって無償でベルニーニが制作した本作は、死の淵で苦しみながらも、父なる神と共になる神聖な融合に歓喜する≪福者ルドヴィカ・アルベルトーニ≫の彫刻である」とか。以下、詳しいことは、「ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ-主要作品の解説と画像・壁紙-」へ!
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