ウィンスロー・ホーマーのこと
ウィンスロー・ホーマー Winslow Homer (February 24, 1836 – September 29, 1910) は、19世紀アメリカの傑出した風景画家、且つ、版画家。
ある画家のことを調べようとしたら、偶然、以下のサイトをヒットした:
「THE BLUE LANTERN Winslow Homer At Houghton Farm」
← Winslow Homer『The new novel 』(1877 Museum of Fine arts, Springfield, Massachusetts) ホーマーの世界は、アンドリュー・ワイエスのような、乾いた抒情ではなく、もっとウエットで親しみのある世界。
アメリカはニューヨーク在住のJane Librizzi さんが紹介するアートの世界の中の一頁に遭遇したわけである。
→ Winslow Homer『Sunlight on the Coast』( 1890 (Toledo Museum of Art, Ohio) 海洋画家というと、小生などは、アイヴァゾフスキーの名が浮かぶ。アイヴァゾフスキーの作品群と比較してみる?
マサチューセッツ州ボストン出身のウィンスロー・ホーマーは、特に海(辺)の風景や光景を描いて秀逸な画家として有名だったらしい。
最初(駆け出しの頃)は、南北戦争の様子を描く仕事で生計を立てていたようだ。
← Winslow Homer『The Fox Hunt』( 1893. Oil on canvas, 96.5 x 174 cm. Pennsylvania Academy of the Fine Arts.) ウィンスロー・ホーマーは、下記する『The Bridle Path』(にも見られるように、自然に取材する、動物などの登場する絵も好んで描いた。
今なら、カメラと鉛筆で取材するところを、昔は、文章はともかく、実際の光景は画家が担っていたわけである。
とはいっても、戦争の現実を描きつつも、同時に女性を描いたり、都会の光景を描いたりしていた。
→ Winslow Homer『Gloucester Harbor』( 1873, oil on canvas. Nelson-Atkins Museum of Art) アイヴァゾフスキーの作品と比べるのは、あまり意味がないのか。サメに囲まれて難破した船など、ドラマチックな海洋画も描くが、むしろ、海辺の和やかな日常的光景を好んで描いたようだ。海洋画家アイヴァゾフスキーについては、小生も特集したことがある。
その後、Harper's Weeklyで1875年まで、イラストレーターをしていた。
← Winslow Homer『The War for the Union』( 1862, wood engraving ) ホーマーの画家としてのキャリアは、こうした戦争画(戦争を取材する絵)に始まっている。
ホーマーは、アウトドアライフの光景を描いたりするが、自然のフィールドの中の動物にしても、愛らしい光景だけじゃなく、血を見るような光景も描くのをためらわなかったようだ。
→ Winslow Homer『The Bridle Path』( 1868, oil painting (Clark Art Institute))
活躍したアメリカにおいてはともかく、少なくとも日本においてはウィンスロー・ホーマーの名は知られていない(少なくとも小生は、初耳だった)。
アメリカのカントリーライフを享受する、緑に囲まれた瀟洒な木造の家の居間や寝室などに額に入れて飾られている…ような気がする。
← Winslow Homer『Two Are Company, Three Are None』( wood engraving, Harper's Weekly, 1872) こうした日常の中のもつれた感情のドラマを描くことも得意だったようだ。ぜひ、画像を拡大して、じっくり絵画に描かれる世界を楽しんで(?)ほしい。
ウィンスロー・ホーマーについては、下記サイトを参照のこと:
「Winslow Homer - Wikipedia, the free encyclopedia」
「THE BLUE LANTERN Winslow Homer At Houghton Farm」
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