ルイ・イカール
過日、アールデコ調の画家である、ルイ・イカール(Louis Icart)の画集(『ルイ・イカール展』)を入手。
アールヌーボーの流麗で女性的な、甘美で妖しい画風。
← ルイ・イカール「 Gay Senorita」 (1939 45.7 x 54.6) ( 画像は、「 Louis Icart Art Museum 」より)
女性美を理想化し、夢想的に描いている。
男にとって都合のいい…とまでは言わないが、理想的な妖艶なる女性像の世界なのかもしれない。
→ ルイ・イカール「 Snowstorm」 (1925 / 36.8 x 49.5) ( 画像は、「 Louis Icart Art Museum 」より)
「1888年9月12日、銀行家ジャン・イカールと妻エリザベートの長男として、南フランス、トゥールーズ市のトラヴェルジエール・ド・ラ・バランス街に生まれる。フルネームはLouis Justin Laurnet Icart。当時の華やかな女性文化を繊細なタッチで表現 (中略) イカールの絵に出てくる女性は皆、妖艶な魅力をかもしだす。1950年62歳で没するまで、数々の作品を世に送り出し続けた」( 「 Louis Icart Art Museum 」より)
← ルイ・イカール「 Smoke 」(1926 / 52 x 38.1) ( 画像は、「 Louis Icart Art Museum 」より)
画集『ルイ・イカール展』の「はじめに」の末尾にて、島田紀夫氏は、「イカールの版画は20年代の消費社会の需要に最も適合した芸術作品だった」などと書いている。
まあ、そんな野暮な言いぐさはもう、いまさらいいだろう。
一つのモード、一つの時代相の典型として、素直に楽しめばいいのかもしれない。
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