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2011/06/05

『ドイツ・ロマン主義の風景素描』を巡って

               (前略)

 小生がフリードリッヒに惹かれ始めたのは、学生時代のことだった。このことは別の機会に書いたので省略する(関連拙稿参照)。
 小生が上京した78年に、まさしくこの国立西洋美術館において、『フリードリッヒとその周辺』展が開催されていたのだった。
 フリードリッヒを巡るその展覧会は、まるで東京にやってきた小生を歓迎するかのようだった。4月の下旬だったと思われるが、確かその日も、シトシト雨いが降っていて、美術館の休憩所で一休みし余韻を楽しみながら、雨の中庭の風景などを眺めていたことを覚えている。

 その後も、何かの企画展に扱われる画家の一人として、フリードリッヒの作品に遭遇したことは二度ほどあったように記憶する。今度の展覧会も、副題は「ユリウス・シュノルの「風景画帳」、フリードリッヒ、コッホ、オリヴィエなど」となっている。
 しかし、とにかくフリードリッヒの作品に会える!

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ウエルベック著『素粒子』と文学の命

 ミシェル・ウエルベック著『素粒子』(野崎 歓訳、筑摩書房刊)を読了した。フランスでベストセラーになり、様々なスキャンダラスな物議を醸し出したという本書は、既に読まれた方も多いだろう。

9784480421777

← ミシェル・ウエルベック著『素粒子』(野崎 歓訳、筑摩書房刊) 「人類の孤独の極北に揺曳する絶望的な“愛”を描いて重層的なスケールで圧倒的な感銘をよぶ、衝撃の作家ウエルベックの最高傑作」だって。

 文学に疎い小生は、昨年末、近所の図書館で年末年始の休暇中に読む本を物色していて、本書を見つけた。全くの未知の本だった。その前にG・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』を手にしていたのだが、他に何かずっしり来る本はないかと探していて、単にタイトルに魅せられて、ちょっと手を伸ばしてみただけのつもりだった。書評などで採り上げられていたのかどうかも、まるで知らなかった次第なのである。
 パラパラと捲ると、文章に力がある。これは読んでもいいというサインだ。

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2011/06/04

モディリアーニ…ムンクあるかと見つめおり

 1月23日は、サルバドール・ダリ(1989年)やムンク(1944年)らの忌日である。
 ダリは、高校の時、フロイトを読み齧っていたこともあり、ちょっとかぶれかけたこともあったが、奇矯過ぎて、というわけでもないが、好きになれなかった画家である。

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← ムンク「マドンナ」(「Edvard Munch Online」より)

 ムンク…。1944年に亡くなったというのは、なんとなく意外な感がある。19世紀の画家という思い込みがどうしても拭いきれないのだ。
 それ以上にしっくり来ないのは、ムンクが80歳以上という長生きだったということ。
 まあ、小生が勝手にこのような不安と狂気にギリギリ接していた画家が長生きが可能だったことに不思議がっているだけなのだが。


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