
→ アルノルト・ベックリン『死の島』(1883年 ベルリン美術館) (画像は、「アルノルト・ベックリン - Wikipedia」より)
久世光彦著『怖い絵』(文藝春秋)の中で使われている絵で、小生も好きな絵が幾つもあったが、今回はアーノルド・ベックリンの「死の島」をめぐって若干の感想を。
まあ、本稿も相変わらず、久世光彦著『怖い絵』の周辺を廻っての「久世光彦著『怖い絵』の周辺(続)」に引き続く、周辺物である。
小生は、もう、二十年ほどの昔、何処かの展覧会(多分、国立西洋美術館)でベックリンの「死の島」を観る機会を得たことがある。仙台での学生時代には気になる絵の一つだったし、何処か憂愁の念に駆られがちの若い時には誰しもこの絵の世界に魅入られるものだろうけれど、実際、展覧会で実物を見て、死の世界に吸い込まれるような思いがあった。
「アルノルト・ベックリン - Wikipedia」によると、「文学、神話、聖書などを題材に、想像の世界を画面に表わそうとする象徴主義の画家たちも同時代に活動していた。ベックリンはこうした象徴主義・世紀末芸術の代表的画家の1人である」ということで、絵を文学や思想、音楽その他と絡めないでは観られない、何処か文学趣味に走りがちでもある鑑賞の技量の未熟な自分だと、こうした象徴主義の絵画やゴッホやムンク、ルドン、モローなどの絵は分かりやすいし入りやすいかのようである(あくまで、かのようであるに過ぎないことは、絵を観る機会を積み重ね、絵をその他の分野と絡めないで観る楽しみを知ると、一筋縄では行かないことを思い知らされるのだが)。

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