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2010/10/31

王子江『天地斎徳 日月同明』を巡って

 以前、といっても数年どころではなく、十数年も前のこと、東京書芸館で歌川広重の『東海道五十三次』を買ったことがある。無論、全55枚揃!
 まだ、サラリーマン時代で、いろんな思い入れもあってどうしても欲しかったのだ。
 日記に書いたことがあるが、ガキの頃、居間の襖や壁にいろんな浮世絵が(あるいは壁の染みや汚れを隠すためだったか)貼ってあったのを今でも思い起こすことが出来る。
 写楽の役者、歌麿、鈴木春信の美人画、そして広重。

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← 王子江 『天地斎徳 日月同明』 (東京書芸館

 無論、複製である。ガキの小生にも本物ではないと分かる。
 それでも、テレビがあり(その前はラジオが鎮座していた)、食事の部屋であり、団欒の空間である茶の間(居間)にそれらが何故か(父の趣味には違いなかろうが)貼ってあるそれらを、CMの間に、あるいは漫画を書くのに飽きてふっと見上げた瞬間にどうしても目に入ることになる。
 広重は「蒲原」と「庄野」だった。

 もう、それらの画は目に焼きついてしまっている。

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2010/10/23

サイエンス・イメージは美しく楽しい!

 いつの頃からか、ジョン・D. バロウの著書のファンになった小生、目に付いたら即、手にし、分からないところがあろうと、強引に読んでいく
  ジョン・D. バロウ著『美しい科学〈2〉サイエンス・イメージ』(桃井 緑美子【訳】 青土社)も、迷わず手に取った。

Mandelbrot_set

→ 「マンデルブロ集合(Mandelbrot set)」  「マンデルブロ集合」とは、「複素平面上の集合が作り出すフラクタル」。その集合を画像で見ると、「ヒョウタンのような図形の周囲に自己相似的な図形が無数にくっついた形状をしている」。「どんなに細かい部分でもかならず全体とそっくり同じ形をしている」!「マンデルブロ集合はジュリア集合に対する指標としてブノワ・マンデルブロによってつくり出されたもの」だが、そのマンデルブロ氏も、過日、亡くなられたばかり。小生がこの図像(集合)に初めて出合ったのは、(ご他聞に漏れず?)ジェイムズ・グリック 著の『カオス―新しい科学をつくる 』( 大貫 昌子 訳 新潮文庫)においてだった。とても読みやすい、且つ面白い本で、カオスやフラクタクルの世界を垣間見ての衝撃は今も鮮明だ。

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2010/10/14

クロード・グラスの周辺

 ある本を読んでいたら、クロード・ロランという名前に出会った。
 前にその名を耳に(目に)したような。

Claude_lorrain_026

← クロード・ロラン Claude Lorrain (1600-1682) 『Seaport (1674)』 風景画家として風景画の最も初期の頃に活躍したの一人。当時は、風景画なんて、論外のジャンルだった。(画像は、「Claude Lorrain - Wikipedia, the free encyclopedia」より) (ロランについては、「クロード・ロラン - Wikipedia」など参照)

 さては、小生、本ブログで言及したことがあったような。
 調べてみたら、確かにそうだった。拙文中に掲げられている絵を見て、クロード・ロランのことを思い出した。

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