マイルス・デイヴィスの絵画へ(後篇)
本書を読んで、ジャズやロックなどいろんな音楽家のデイヴィスとの関わりを知ることができて面白かったが、ある意味、小生が本書で一番、関心を呼び起されたのは、「絵画における共同制作者」という副題の付された「ジョー・ゲルバード」の章だった。
まず、このジョー・ゲルバードという画家・宝石商なる女性が謎めいている。
→ テオドール・ジェリコー(Théodore Géricault)『エプソムの競馬』 (画像は、「テオドール・ジェリコー - Wikipedia」より。本画像を掲載する理由に付いては、本稿転記文を参照のこと。とはいっても、小生は平野の説明を読んでも『メデューズ号の筏』で有名なジェリコーを引き合いに出す必然性は今ひとつ、よく理解できなかったが…)
が、その前に、マイルスが、一九八〇年頃から絵に凝り出し、コレクターでもあったのはともかくとして、トランペットを吹くか絵を描いているか、といった状態になったという事実が気になる。
マイルスがどんな絵を描くのか。
彼に影響を与えたジョー・ゲルバードとはどんな女性であり、どんな絵を描くのか。
ジョー・ゲルバード(Jo Gelbard )については、残念ながら情報が見い出せなかった(但し、「Jo Gelbard Interviews The Last Miles The Music Of Miles Davis 1980 - 1991 A book by George Cole」にて、「Jo Gelbard with one of her collaborative paintings with Miles」なる写真を見ることができる。マイルスがある時期、愛したかもしれない彼女の姿や絵の雰囲気は分かるかも)。
諦めの悪い小生のこと、しつこく探したら、代わりに、マイルス・デイビスのアート作品の数々を見ることのできるサイトが見つかった:
「マイルス・デイビス・ミュージアム」
この中の「マイルスデイビス アート」を覗かれたし。
← 『THE ART OF MILES DAVIS/マイルス・デイビスの絵画』(日本テレビ) 「ジャズの帝王、伝説のトランペッターマイルス・デイビスが描いた絵画集」だって!
少なくともある時期のマイルスの演奏を聴くと、マイルスが傾倒したピカソでもダリでもなくて、小生が直感したのはジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)だったが、その連想はまんざらでもないことを確認できた。
もしも、バスキアがマイルスの演奏を聴いたら、あるいは絵を見たら、逆にマイルスがバスキアの絵を見たら、互いにどんな感想を抱き合ったか、単なる好奇心でなく、知りたく思う。
(バスキアについては、拙稿「バスキアの剥き出しの詩情の傷ましき」を参照願えればと思う。)
(10/02/07 作)
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