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2009/08/30

私的第29回浅草サンバカーニバル(前篇)

 今年はさすがにいかないつもりでいた浅草サンバカーニバル(第29回)だが、やはりというべきか、行ってしまった。
[予め断っておきますが、以下、ごく私的な日記を書きます。浅草サンバカーニバルの理解に資する記述や情報は基本的にありません! なお、掲載した画像はいずれも拡大することができます。]

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← 我がチームのアレゴリア(山車)。背後に病院。窓から熱気溢れる制作風景を見下して少しは楽しんでもらえたらいいのだが。

 東京在住だった頃はともかく、既にメンバーでもなくなったし、昨年は、前年の流れもあって。、勢いで行った面もあるが、今年はもう浅草熱というかサンバ熱も冷めた…はずだった。

 でも、八月の十日過ぎだったか、我がチームの参加メンバーの最終募集があり、その中にダンサーのほかにアレゴリア押しスタッフの要員要請もあった。

 別に小生などが名乗りを上げる必要はないのだが、気持ちの中に浅草へ行きたい気持ちがあったのは確か。
 会いたい人も居るし、会えなくとも活躍する姿を見たい人も居る。
 あるいは姿を見ることさえ叶わないとしても、浅草サンバカーニバルの勝手にファンになっている方と同じコース上に立つ実感くらいは味わえる。

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→ 全体像を。スタート直前まで詰めの制作が続く。この山車の上に男女五人のダンサーが登り、観客にアピールする!

 何年もスタッフ参加していると、コース上に立つ気分をほんの少しでも味わう、得がたい楽しさを感じる、そんな貴重なチャンスだと痛感する(無論、ダンサーやバテリアなど実際に演技する方たちとは苦労も努力も感激の度合いも意気込みも何もかもが比較にならないのだが)。
 ちょっとはチームのメンバーだ、一瞬でもその舞台の手伝いをできているのだと思える。
 小生に出来るのは、せいぜいこんなものなのだ。

 山車押しスタッフの募集があっても、小生は、おいそれとは応じる状況にはなかった(昨年以上に厳しい状況になっている)。
 母の体調が思わしくないし(父が頑張って母の面倒を見ている)、切羽詰っている雰囲気が漂っているようでもある。

 それに、八月になって始めたバイトも、これまたおいそれとは休めない性質のもの。
 雇ってくれたばかりなのに、休ませてくれとは言い出しにくい。
 でも、まあ、自分でも役に立つかもしれないし、とにかくこれが最後だから、わがままを通したいという思いもあった。
 会社の上司からは叱られたが、敢えて参加を決断。
 
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← 山車の細部へのこだわり。職人根性という奴か。

 仕事もだが、母らの状況を思うと、東京で一泊は難しい。
 最後の最後まで、滅多に上京できわけじゃないし、一泊くらいはして、東京近辺の友人錬と旧交を温めたいという思いもあった。
 でも、後ろ髪が思いっきり引かれる!

 浅草サンバカーニバルの二日前、日帰りを決断した。
 当日、土曜日(29日)の早朝、家を出て、特急や新幹線を乗り継ぎ(越後湯沢経由)、午前の10時には東京駅に到着。
 地下鉄で浅草へ。
 午前11時頃には会場近辺に。

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→ 南米アマゾンの謎の蝶々?

 カーニバルパレードでの役割が終わったら(山車を浅草寺裏の境内に戻すまで)、山車の解体という大切な作業は抜け出させてもらって、すぐに荷物を持って、銭湯へ。
 予めネットでカーニバル会場の近くの銭湯を探し出しておいた。
 その銭湯へ十数分、慌しく体を洗って、着替え、浅草を離れタクシーで上野駅へ、山手線で東京駅へ。
 銭湯は、サンバパレード会場から近いということもあり、早くにパレードの終わったチームのメンバーらが続々と一風呂阿鼻に来ていて、満員の状態。
 洗い場も確保が難しい。確保できても、湯船に漬かっている間にあとから来た奴が勝手に洗面器やタオルをどかし、我が場所としてしまう。
 あの混む風呂に、小生など、ふと、ドストエフスキーが『死の家の記録』にて描いた有名な風呂場の光景を連想してしまった。

(東京駅に早く着きすぎて、新幹線構内の案内板に小生が乗る列車の表示が出ていない。どうせ、この番線だろうと、長いエスカレーターを上って20(21)番線のホームで軽食をt取ったり、お茶を飲んだり、待合室で読書したりしていた。しかし、乗る時間が10分になっても、オームの電光表示板に列車の表示がされない。ふと、もしかしてホームが違うのではないか…、という疑念が湧いた。急いでホームのエスカレーターを降り、乗るべき列車のホームの番線を確かめたら、確かに違っていた。慌てて再度、23番線のホームへ向かう。出発の数分前だった。危なかった。)

 新幹線や急行を乗り継いで(同じく越後湯沢経由)、富山駅には深夜の11時半に到着。
 自宅に着いたのは夜半前だった。

 とにかく、これで、日帰りとなったわけだ。
 
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← パレードの最中には、この細部をまで見てくれる人は、まず、いない? でも、このきめ細かい工夫がアレゴリアのリアリティを生むのだろう。カーニバルパレードが始まる前、浅草寺境内(病院側)へ来て観察してくれる人たちも居る。

 朝、富山の自宅を出るときは、前夜からの雨が降り続いていて、傘を差して駅まで。
 タクシーで駅まで向かうはずだったが、家の近くのタクシー営業所にはタクシーが一台もなかった。
 1台だけあったが、小生の目の前で「迎車」の表示を出して営業所を出て行ってしまった!

 なので、雨の中、傘を差し、しかも、足元はサンダルという格好なので、二十分以上、歩いて駅に向かい、着いた頃には足元もびしょ濡れなら、体も汗でビッショリ。
 しかも、駅に着いた時には列車の出発の3分前!

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→ 南米アマゾン河に棲息する謎の巨大怪魚「ピラルク」! この長さ2メートルほどの怪魚を男女二人、あるいは女性二人が抱え持ってパレードコースを練り歩く。ナイロン紐を操作して、尾鰭(おひれ)も動くし、口も開閉する。細部の調整に最後までトラぶって、抱え持つスタッフはちょっとドキドキハラハラしたかも。でも、スタートにギリギリ間に合った。注目を浴びたようだ。

 最後は荷物が一杯詰まったデイバッグを背負いつつ、懸命に走った(傍目には走っている風には見えなかっただろうが)。
 何とか列車には間に合ったが、席に付いた時には、ホッとしたと同時に、その時点でもう体力を使い果たした気分だった。
 富山の(もともと流しのタクシーは少ない)、土曜日の、しかも、雨の早朝という条件が重なっては、空車のタクシーが見つかるはずがないのだった。

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← 山車(アレゴリア)の上で、男性の制作スタッフの方が大蛇の動作をチェックしている。実際のパレードでは、文中にも書いた元気のいい、若い小柄な女性が中腰になって大蛇を動かす。ずっと、最初から最後まで。最初は元気で威勢のいい声援を出していた彼女も、パレードの後半ともなると、さすがに段々、声が出なくなった。とても大変だったのではなかろうか。本人は大丈夫ですと言い張っていたが。尤も、パレードが終わるとまた、チームのメンバーらにエールを送っていた。

 山車押し作業の実際については、詳しくは書かない。
 その前に、2009年度のリベルダージ(G.R.E.S.LIBERDADE)のテーマは「アマゾン」である(必ず、それぞれのチームにパレードテーマがある)。
このテーマに付いては、既に若干のことをメモっておいた。)

                              (後篇へ続く)

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コメント

こんばんは。
浅草のサンバカーニバルに参加されたのですか!!!それも日帰りでしょうか?大変でしたね。私は17時ごろから3軒も浅草の夜を梯子しました!

投稿: シゲ | 2009/08/30 22:57

シゲさん

日帰りのスタッフ参加です。

小生は、山車を浅草寺裏の駐車場に戻す手伝いをしたあとは、荷物(着替え)を手にして、浅草の町を抜け、銭湯へ一直線でした。
で、一直線で家路に。
無償の日雇いみたい?!

写真、素敵ですね。

投稿: やいっち | 2009/08/31 20:41

毎年リンクを貼っていただきまして、ありがとうございます。
遅くなりましたが、今年も公開いたしました。
リベルダージさんの写真、ちょっと多めです。

http://nekohako-ph.seesaa.net/

ちなみに巨大魚は「ピラルク」では?
ウチのカミさんが大好きな魚です。

投稿: 猫之 | 2009/09/15 23:52

猫之さん

今年も素敵な写真を提供してくれてますね。
待ってました、です。

リベルダージへの配慮もしていただいて、恐縮です。
今年は二位だったし、しかも、一位に肉薄していました。

謎の巨大怪魚、誰かにピ△■○って聞いて、知識のない小生は、ピラニアなのかな、でも、形が違うなーって、思っていました。
なるほど、ピラルクだったんですね:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BC

「ウチのカミさんが大好きな魚」って、鑑賞とか生態って意味で? それとも、食べる意味で? 

投稿: やいっち | 2009/09/25 16:27

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