戸出喜信…ユネスコ本部で個展
パリのユネスコ本部での個展が明日(五日)までだからってわけじゃないけど、急遽、本稿を昨夜半、せっせと書いて本日、アップ。
まあ、パリへ今から行っても間に合わないんだけど(パリ市内在住でも、もうダメか)。
(以下、例によって敬愛の念を籠め、勝手ながら敬称は略させてもらいます。)
=== === (ここから本文) === ===
「戸出喜信…ユネスコ本部で個展」
→ 「戸出喜信油絵展」図録 (画像は、「Yahoo!オークション - 戸出喜信油絵展 2007年三越開催図録」より。)
二日(火)の夕方だったろうか、食事の準備をしていたら、茶の間のテレビから気になるニュースが。
戸出喜信(といでよしのぶ)という名の画家がユネスコ本部で個展を開くという。
それだけなら、そんなニュースもあると、聞き流し(というか見逃し?)てしまうところだが、富山出身で現在パリ在住と紹介されて、耳がちょっとダンボになりかけた。
どうやら、戸出喜信は富山県の旧宇奈月町出身の洋画家のようだ。
一瞬、見かけたテレビで映される同氏の絵がいい!
思わず、台所から茶の間へ。
テレビで大きく、あるいは細部、映される彼の絵に見入った。
とうとうミニ特集風に紹介されるのを最後まで見届けることに。
小生は、戸出喜信という名の洋画家を全く知らない。
まあ、消息通でもない小生などが知らないのは別にどうということもない。
絵画の世界に付いても、何ほどのことを知っているわけでも勉強しているわけでもないのだから。
でも、絵を見た(無論、テレビ画面で、だが)第一印象からして、小生のようなものだって、とうに知っていていい画家に感じられた。
← 「図録 戸出喜信油彩画展 渡仏29年目のパリ 1999年」
気になってならなかったが、その日は生憎、夕食後、仕事。
父母との食事のあと、洗い物などの片付けを終えて夜のアルバイトへ。
帰宅したのは、夜半を過ぎて丑三つ時に近い二時頃だった。
茶の間の湯呑み茶碗や急須、御膳拭きその他を洗い、炬燵の座卓を拭き、茶の間などのゴミを片付け、戸締りなどを確認し、台所や茶の間の明かりを消して、自室の机に向かえたのは、二時半頃だったろうか。
急いで、同氏のことを調べようとする。
が、困ったことに、小生はテレビを見た際に、名前などをメモしていない。
苗字が「といで」だったのは、覚えている。
問題は名前。「よしなお」だったような…。
記憶力にはまるで自信がない。
五十路を越して、一層、悪くなったように感じる。
「といでよしなお」では、ネット検索しても、碌な情報が出てこない。
でも、確かな(はずの)「といで」と、「パリ」「画家」の三つのキーワードで検索したら、検索事例は少ないものの、トップに、「パリ在住の戸出喜信氏は、世界的に活躍する画家」という、まずは間違いなく目当ての文言が浮かび上がっている。
これだ!
「戸出喜信」だ! というわけである。
→ 戸出喜信「ピースアート Peace Art」
同氏の公式ホームページもすぐに分かった:
「Yoshinobu Toide」
来訪してみれば分かるが、とても洒落ている。
サイト作りのセンスが抜群。
画家のサイトだからって、誰もがこんなに洗練されたサイトだとは限らない。
絵も、いい。
ネット(パソコン画面)上での印象に過ぎないとして、多少は割り引いても、いい!
← 「ANA SKY WEB 水をテーマとした戸出喜信展覧会開催」
ニュースというのは、どんなものだったか、下記のサイトを参照願いたい。
「時事ドットコム:指定記事 流れる躍動感、日本人画家が描く=「水、生命の源」展-ユネスコ」:
【パリ27日時事】絵画を通じて水の大切さを訴えようと、国連教育科学文化機関(ユネスコ)主催で26日から画家、戸出善信氏(61)=富山県黒部市出身=の展覧会「水、生命の源」がパリのユネスコ本部で始まった。日本人の作品がこうした形でユネスコで紹介されるのは初めて。
展示されているのは、急流の躍動感あふれる水の動きを克明に描いた横9メートル、縦2.14メートルの大作「黒部川」など、水をテーマとする油彩画22点。展覧会は12月5日まで。(2008/11/28-06:12)
もっと詳しく(あるいは、小生がたまたま見たKNB NEWSでの特集番組の内容はどんなものだったか)は、末尾に示す。
「エッセイ 私と桜 老人の一言 画家 戸出喜信」なる頁には、戸出喜信が「桜を描く決心」をしたエピソードが書かれていて、興味深い:
八十年輩の老人が、咲き誇る巨木を見上げながら「今年も又、会えましたよ。」と、そう言って声をかけてきました。
潔く散る桜も、来年になれば又桜は咲く、生きてさえいれば又会える。そうか、桜って、この老人のように生きていることの証のような、そんな花でもあるんだ。再び会えたことの喜びを噛み締めるかのように声をかけてくれたこの老人の一言が、閉ざしていた心の眼を開かせてくれました。
→ (画像は、「エッセイ 私と桜 宇奈月温泉街 カフェ モーツアルト 能勢 実」より。「エッセイ 私と桜 老人の一言 画家 戸出喜信」を参照。)
「戸出喜信(といで よしのぶ) 画家 洋画 [Artis-アルティス]」によると、1947年生まれで山口長男に師事したとか。
日本橋三越にて二年ごとに個展が催されている。
次は来年(2009年)。
参考:
「KNB NEWS|KNB WEB 戸出喜信さんがユネスコ本部で個展」(2008 年 12 月 02 日 18:00):
旧宇奈月町出身の洋画家でフランス・パリ在住の戸出喜信さんがユネスコの依頼を受けて今、パリのユネスコ本部で個展を開いています。
戸出さんにその様子を撮影したVTRを送っていただきました。
作品を通して戸出さんが世界に伝えたかった思いとは?
フランス、パリにある国連ユネスコ本部、先月26日から「水、生命の源」と題した展覧会が開かれ、注目を集めています。
これらの作品を描いたのは旧宇奈月町出身で現在パリに住む洋画家の戸出喜信さん(61歳)です。
この展覧会はユネスコと国際地質科学連合が水資源の持続可能な利用を呼びかける「国際惑星地球年」の一環として開いたもので、オープニングセレモニーには400人を超える人々が詰め掛けました。
戸出さんは「去年の9月に松浦事務局長から水セクションと組んで、水をテーマとした展覧会をユネスコでやりませんかという話を頂きまして、ああ水っていいなあって思えるような水が描けたらなと思って描いてみました」
展覧会には、パリを流れるセーヌ川を題材とした作品を中心に、変幻自在で清冽な水の表情を描いた22点が展示されています。
中でも圧倒的な存在感を放っているのが、故郷富山の清流を描いた縦2メートル余り、幅9メートルの大作・「黒部川」。
今から10年前に富山県民会館で開いた個展のために描いたもので、黒部川の轟音を聞きながら育ったという戸出さんの原点が表現されています。
「黒部川」は、2002年からユネスコ本部の迎賓室に飾られていて、戸出さんと10年来の親交があるユネスコの松浦晃一郎(まつうら・こういちろう)事務局長の今年の年賀カードのデザインにも使われました。
松浦事務局長は、これらの作品に対し、「かけがえのない淡水とその美しさに対する関心を呼び覚まし、水が私たちのものの見方、ひいては文明を映し出す鏡であることを教えてくれる」とのメッセージを寄せています。
今回、展覧会のために制作された新作は16点。
戸出さんは水の表情をどう描くか構想がまとまらないままセーヌ川の上流を歩き回ったといいます。
戸出さんは「描いてる途中でも何度も実際に何度も川に行きまして、どうやってこれを描けばいいのかと思った時に、『ああこの音だ、音を描こう』と思ったんです」
現在、世界人口の18%が安全な飲料水を手に入れられないと言われています。
穏やかなせせらぎや水しぶきを上げて逆巻く清流の轟音が、祈りにも似たメッセージを届けようとしています。
この展覧会は今月5日まで開かれています。

← テレビで紹介されていた作品はいずれも見事なものだった。中でも、大作「黒部川―日本アルプスを流れる川」(2.14 X 9m)は迫力があった。ネットでは転載可能な画像を見出すことはできなかった。但し、公式ホームページ「Yoshinobu Toide」にて、精細なflash画像を見ることができる。本作は、「ユネスコ公式年賀状」に採用されたとか。(画像は、「流れる躍動感「水、生命の源」展=パリ(時事通信社)(時事通信) - Yahoo!ニュース」より。)
「治療例のご紹介|ひらい歯科医院 お客様に聞く - 戸出喜信氏 (画家)」
「戸出喜信さん - 小さなことからコツコツと」
「釣具店店主の忘備録 超大物」
「エッセイ 私と桜 老人の一言 画家 戸出喜信」
(08/12/04作)
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コメント
12月9日(水)~15日(火)
日本橋・三越で、凱旋帰国個展が開催されます。
~パリ・ユネスコ絵画展の感動をふたたび~
戸出喜信油絵展
かけがえのない水、その表情
http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/art/schedule.html
投稿: Kuma | 2009/11/22 08:40
Kuma さん
情報、ありがとう。
投稿: やいっち | 2009/11/28 20:56