五姓田義松のこと追記
以下の記事は、先月、書いていたもの。が、書きかけ。関連する本(辻 惟雄【編】『激動期の美術―幕末・明治の画家たち 続』(ぺりかん社 ))を読んだこともあり、五姓田義松のことについて、若干の追記を施すつもりでいた。
が、本書は期限が来たので返却。
よって本稿も中断の憂き目に。
本稿を書きかけてから既に一ヶ月を経過してしまった。
今の所、記事に手を加える時間が取れる見込みが立たない。
いつか、近いうちに内容の書き換えや更新などができることを期しつつ、本稿をアップする。
(08/12/10 記)
=== === (以下、本文(中途)) === ===
「五姓田義松のこと追記」
「五姓田義松…晩年の日本回帰は諦念? それとも…」の中で、「五姓田一族はどうやって高度な洋画の技術に到達したのか」といった問いかけもあったのだが、小生は明治の先覚者の気迫とか覚悟といった精神論でお茶を濁すしかなかった。
→ 辻 惟雄【編】『激動期の美術―幕末・明治の画家たち 続』(ぺりかん社 ) 「江戸から明治へと移り変わる激動の時代に、日本絵画の伝統を受け継ぎ、その革新に苦闘した画家たちの生涯を活写する」といった本。この中に、横田洋一の手になる「五姓田芳柳・義松親子の見果てぬ夢」という章がある。
また、早くから天才と呼ばれ若き日に既に技術的に高度なレベルに達していた五姓田義松 (1855 - 1915)が日本的絵画に手を染め始めたが、それはより高い次元を追ってのことか、それともある種の精神的挫折の結果の営みなのか、疑問符を呈したままだった。
← 五姓田義松「操芝居」(キャンバス/油彩 明治16年 1883) (画像は、「東京藝術大学大学美術館 収蔵品データベース 人物情報 - 五姓田義松 」より。) この油絵に取り掛かる頃から、しきりに借金をするようになった。本書によると、「モティーフは操り芝居を見る観客たちである。奥に小さく描かれた芝居の場面をよく見ると、男が別の男に棒で叩かれている。操り人形の一人が芳柳で、叩かれるほうが義松というふうにも想像できる」。
このたび、辻 惟雄【編】『激動期の美術―幕末・明治の画家たち 続』(ぺりかん社 )を手にすることが出来たので、特に横田洋一の手になる「五姓田芳柳・義松親子の見果てぬ夢」という章の記述を参照しつつ、明治から大正の半ばを生きた天才・五姓田義松の画業の一端をもう少し、メモしておきたい。
→ 五姓田義松「西洋婦人像」(キャンバス/油彩 明治14年 1881) (画像は、「東京藝術大学大学美術館 収蔵品データベース 人物情報 - 五姓田義松」より。)
← 五姓田義松「西洋婦人像」(キャンバス/油彩 明治14年 1881) (画像は、「東京藝術大学大学美術館 収蔵品データベース 人物情報 - 五姓田義松」より。)
→ 五姓田義松「自画像」(キャンバス/油彩 明治10年 1877) (画像は、「東京藝術大学大学美術館 収蔵品データベース 人物情報 - 五姓田義松」より。) 五姓田義松には、満十二歳の時に描いた「十三歳の自画像」がある。チャールズ・ワーグマンに十歳にも満たない年齢で入門して二年余りの作だが、途轍もない上達ぶりを示している。絵師としての生活ぶりを父・芳柳から叩き込まれたからだろうか。
← 五姓田義松「伊太利人半身像」(キャンバス/油彩 明治14年 1881) (画像は、「東京藝術大学大学美術館 収蔵品データベース 人物情報 - 五姓田義松」より。) サン・ドニ市の博覧会に出品した作品。
→ 五姓田義松「明治帝御眺望図」(ボール紙/油彩) (画像は、「東京藝術大学大学美術館 収蔵品データベース 人物情報 - 五姓田義松」より。明治11年の作か。)
← 五姓田義松「西洋婦人像」(キャンバス/油彩) (画像は、「東京藝術大学大学美術館 収蔵品データベース 人物情報 - 五姓田義松」より。)
→ 五姓田義松「農家」(紙/水彩) (画像は、「東京藝術大学大学美術館 収蔵品データベース 人物情報 - 五姓田義松」より。)
← 五姓田義松「農業」(紙/鉛筆/水彩) (画像は、「東京藝術大学大学美術館 収蔵品データベース 人物情報 - 五姓田義松」より。)
(08/11/10作)
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