売薬版画・紙風船を懐かしむ(後篇)
[ 本稿は、「売薬版画・紙風船を懐かしむ(前篇)」の続篇です。 (08/11/23記)]
→ 「富山名勝」(広貫堂 富山 39x27cm 中央に配置売薬業者・広貫堂の組織図が書かれ、その周囲に富山の名勝地と配置売薬の祖・前田正甫公の銅像などが描かれている。 K01178:くすりの広告文化 P.17 ) (画像・情報は、「人と薬のあゆみ-売薬版画・土産」より。)
売薬のみならずもっと幅広くは薬種業ということになる:
「薬種商の館 金岡邸」
(このサイトの中の「富山売薬」では、当時の貴重なグッズの数々を写真でも見ることができる。さらには、「伝統的木造建築」なる頁も興味深い)
「薬種商の館 金岡邸」に見られるように、金岡家代々の方々が果たしたことは、大きいし、現代にもその息吹や意志がつながっていることを今回、こうしたメモ書きを作成していて改めて気づかされた。
← 「売薬土産」(「紙風船」や「紙帽子」など) (画像・情報は、「人と薬のあゆみ-売薬版画・土産」より。)
明治の世には逆風も吹いた。
「売薬さん 富山のくすりやさん」の特に「苦難の道のり」なる項によると:
明治16年には、明治政府の財源不足を解消したいためと、売薬さんを抑える目的で、売薬印紙税という重税を課しました。これには、あの有名な福沢諭吉さんの「時事新報」に執筆していた「売薬無効論」という自論も影響したようです。
→ 「 ? 」(縦31.8cm×横13.2cm) (画像は、「東京都薬剤師会北多摩支部ホームページ おくすり博物館」内の「売薬版画・富山絵・おまけ絵」より。) 「“売薬版画”の始まりは江戸時代後期にさかのぼるようですが、富山絵・おまけ・絵紙などの呼び方もあったようです」。
福沢諭吉の「時事新報」での「売薬無効論」が気になる。
「an advertisment 「引札」から「新聞広告」へ 福沢諭吉の役割」によると:
欧米諸国に滞在中、諸国の病院施設を積極的に見学し、近代医学に理解がが深かった諭吉は、緒方洪庵の「適塾」の優等生であったことから、 売薬に不信感を抱き、この社会状況を捉え新聞で売薬不買のキャンペーンをすることを提案した。
1882年10月30日(明治15年)「大政官第五十一號」布告の機会を捉え、「売薬無効論」を[論説]、[漫言]と繰り返し掲載する。 これは、現代のプレスキャンペーンである。
← 三代目豊国「薬うり直介」 (画像は、「お江戸今昔堂 富山の薬売りと反魂丹」より。) これは、いわゆる「売薬版画」とは違うが、薬売りの版画ということで、参考に掲げる。「「富山の薬売りと薩摩藩」の周辺」を参照のこと。
→ 「富山観光・紙風船セット」 (画像は、「手作り紙風船の寺田屋商店~富山の売薬さんの小さなお土産を扱っています」より。) 「寺田屋商店の紙風船は、全て県内の主婦が内職として作ってくれています」だって。最後に、こうした紙風船で遊んだのは、一体、いつのことだったろう。
関連拙稿:
「「富山の薬売りと薩摩藩」の周辺」
「風船から安本丹へ」
(08/10/26作)
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