「小諸市北国街道ほんまち町屋館」…小諸というと藤村だけど(後篇)
[本稿は、「「小諸市北国街道ほんまち町屋館」…小諸というと島崎藤村だけど(前篇)」の後篇です。まあ、御覧になられる方々の町や村の今昔に想像を巡らしつつ、眺めてもらえたらいい…。]
← 「八幡社相撲」
事情からして本稿においては、前回同様、小諸の町や建物を紹介するというより、以下、ただ、銅版画を眺めたいばっかりに画像を載せていくだけ。
→ 「湯ノ瀬の湯」 「オコジョの散歩道 湯の瀬温泉付近-小諸眺望百選28-」を覗くと写真が載っている。
というのも過日、「千木」の画像をネット検索していて、使うことはなかったものの、「小諸市北国街道ほんまち町屋館 - 神社仏閣」なる頁に遭遇。
← 「唐松」
妙に懐かしさのような感を覚えてしまい、わが町というわけではないのだが、それぞれの銅版画からみえてくる小諸の町を、というより、昔日のわが町の光景を連想というわけでもないのだが、訳もなく思い浮かべていたのだった。
→ 「諸村清水」
小生の住む町にも、古い町の様子を写しり描いた写真や絵や版画とかがあるのだろうか。
古いといっても、昭和の前半より、できればもっと古いほうが嬉しい。
← 「浅間山眺望」 「実際私は小諸に行って、饑え渇いた旅人のやうに、山を望んだ朝から、あの白雪の残った遠い山々 ―― 浅間、牙歯のやうな山続き、陰影の多い谷谷、古い崩壊の跡、それから淡い煙のやうな山巓の雲の群れ、すべてそれらのものが朝の光を帯びて私の眼に映った時から、私はもう以前の自分でないやうな気がした」(「信州・浅間山麓から 浅間山と小諸 ・ 島崎藤村」より。)
→ 「大久保釣橋」
大正、そして明治の頃のわが町…あるいはその頃は村だっただろうが、その光景を髣髴とさせる手掛りとなるものがあったら、食い入るように眺めるに違いない。
自分の先祖が住み暮らしていた町、村、郡、川、田圃、畑、小道、林、藪、野原…。点在していただろう民家の数々(「富山県内最古級の写真を発見 幕末から明治初期の町人姿」)。
← 「懐古園」 「…一週間前、私は昼の弁当を食った後、四五人の学生と一緒に懐古園へ行って見た。荒廃した、高い石垣の間は、新緑で埋れていた。……旧士族で、閑散な日を送りかねて、千曲川へ釣に行く隠士風の人もあれば、姉と二人きり城門の傍に住んで、懐古園の方へ水を運んだり、役場の手伝いをしたりしている人もある。旧士族には奇人が多い。時世が、彼等を奇人にして了った。……懐古園内の藤、木蘭(もくれん)、躑躅(つつじ)、牡丹なぞは一時花と花とが映り合って盛んな香気を発したが、今では最早濃い新緑の香に変って了った。千曲川は天主台の上まで登らなければ見られない。谷の深さは、それだけでも想像されよう。…」(「島崎藤村を巡る 島崎藤村の小諸を歩く」より。)
→ 「祇園」
版画家の高橋松亭や川瀬巴水に惹かれるのも、作品の素晴らしさはもとよりだが、やはり小生が居住した大田区や品川区などの古(いにしえ)の光景が描かれているからであることは否めない。
← 「停車場」 「私は本町の裏手から停車場と共に開けた相生町の道路を横ぎり、古い士族屋敷の残った袋町を通りぬけて、田圃側の細道へ出た。そこまで行くと、荒町、与良町と続いた家々の屋根が町の全景の一部を望むように見られる。白壁、土壁は青葉に埋れていた」(「島崎藤村を巡る 島崎藤村の小諸を歩く」より)。
そんなつもりはなかったのだが、やはり小諸ということで、島崎藤村にちなむような記事になってしまった。
ま、仕方ないか。
参考:
「Minami-Alps.Photo.Magazine 小諸市北国街道を歩いた・・・。」
「北国街道小諸宿の会」
「信濃毎日新聞[信毎web] 小諸の旧北国街道沿いに、地域ぐるみで板塀作り」
「信州の街道と宿場 北国街道の海野宿、 北国裏街道の川田宿」
「小諸宿」
「北国街道の旅」
「北国街道 (信越) - Wikipedia」
「小諸城、富士見城、平原城、耳取城、玄江院館」(ホームページ:「北緯36度付近の中世城郭」)
小生は島崎藤村の作品を相当数読んできている。彼に関する雑文も少なからずあるが、ここでは、多少なりとも小諸に関係する拙稿のみ示しておく:
「藤村『千曲川のスケッチ』」
「島崎藤村とラスキンと雲と…少し賢治」
「信州・浅間山麓から 浅間山と小諸 ・ 島崎藤村」
(08/10/11作)
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