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2008/09/02

浅草サンバカーニバルへ(1)…東京へ

[「浅草サンバカーニバルへ」を全6回の予定でアップさせる。浅草サンバカーニバルのレポートは、3回目と4回目の予定。但し、2回目以降は浅草サンバカーニバルのアレゴリアやアプリアーラの画像を満載。ダンサーさんの画像は??]

 八月末、東京へ行ってきた。
 1978年の春に学生時代を過ごした杜の都・仙台から引っ越してきて、今年の二月末まで一人暮らしを続けてきた東京へ。
 つまり東京は30年間、暮らした地なのである。

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← 29日、富山での夕景。

 家庭の事情があって東京は大田区の住まいを引き払って郷里の富山へ戻った。
 二月末以来の東京。早くも半年が過ぎたというべきか、まだ半年なのか分からない。
 でも、バスの車内から眺める東京の風景は、ひたすら懐かしく感じられるものだった。

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→ 同上。多分、東京からの旅客機が神通川上空を河口付近から遡上し、富山飛行場へ。飛行機で東京へという発想法は浮ばなかった…。

 バス…。
 東京へはバスで行くことを早くから決めていた。懐具合の問題もあって、経費はできるだけ安くあげるのは大前提だったし、何年か前、冬に例年通り列車で帰省した折、降雪のため、パンタグラフか何かの故障が発生して運行不能になり、長岡から代替バスで上越まで向う羽目になったことがある。
 雪道を一時間ほどのバス旅行となったわけだが、それが案外と楽しかった。
 なので、経費の問題は別にしてもバスで行こうと思った。
 ただ、バスの中で本を読もうという思惑は大きく外れた。
 深夜バスなので、夜半頃には車内は消灯となってしまうのだ。
 暗くても読めるよう、携帯の電灯も持参したのだが、バスの中では活躍の機会は得られなかった(但し、あとで思わぬところで役に立った)。

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← 地下鉄を降りてしばらく歩いたら、伝法院の傍を通りかかった。翌日、中を見物。

 今年の四月、母の病院への送迎用という名目で我が家で車を買った。
 自家用車があるわけである。
 だったら、車で行くという選択肢もあるではないか…。
 車で行くことも考えないわけじゃなかった。
 でも、高速代やこのところのガソリン代の高騰もあって、敬遠する気持ちに傾いていった。
 そう、車だったら、都内での宿泊費用も節約できる。ガソリン代その他の費用を相当程度に賄える…。
 でも、オートバイでの帰省の際、走行中は読書できないというデメリットがある。
 バスなら読めるかも…と思っていたのだ(その思惑が見事に外れたことは上記した)。

 バスで行くことを内心は決めておりながら、バスの予約は実は、先週の月曜日の夜中になってやっとのことだった。
 それは、やはり家庭の事情である。
 母は自宅療法で家の中の手すりに掴まっての移動がやっと、という状態がこの三年、続いている。
 それを父が支えている。
 その父も疲れているが、母の容態もはかばかしいとは言えない。
 ここに詳しくは書かないが、母の体のことでいろんなトラブルが発生したりして、父も小生も振り回されている。
 30日(土)が浅草サンバカーニバルの日だが、そのほんの一週間前も、夜になって母の容態が悪くなり、病院へ行くか、救急車を呼ぶか、そのギリギリの判断が問われる事態と相成った。
 多分、夕食にあと一時間ほどというところで、低血糖になり、低血圧とも重なって、意識が朦朧となったらしい。
 飴玉をしゃぶらせたり、小さな饅頭を食べてもらったりしているうちに、段々と快方に向かい、なんとか夕食の食卓に向かえるようにまでなった。
 味噌汁もオカズもすっかり冷めたが、なんとか食事を済ませることができたのだった。

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→ 浅草寺本堂。

 そのときも、いよいよ入院か、東京(浅草)へ行くどころじゃないかもしれない…と、半ば覚悟を決めしかない心持ちだったりもしたのだ。
 なので、旅行の予定の日は決まっているのに、バスの予約のために動くことが躊躇われてきたのだ。
 
 それでも、八月の24日以降は、母も小康状態を保っている。
 週末までに何もないとは誰も断言はできないが、もう、予約だけはしておかないとバスで行くというプラン自体が飛んでしまう。
 インターネットで安いバス会社や深夜便のサイトを物色。
 調べてみたら、やはり何処の会社もほとんど便が予約で埋まっている。
 25日の夜半の手続きはギリギリのタイミング…というより遅すぎるものだった。
 通常で買うよりは安いが、ネットで買うにしては安いとは言い難い料金。
 でも、深夜バスの往復代金で、例えば新幹線を使った場合の片道料金ほどである。
 
 安いバス会社(プラン)ということもあってか、特に往復の復路のバスは、増発便ということもあってか、バスも有り合わせなら、運転手も間に合わせという感じで、乗る際も運転手が何処かへ行ってしまい(乗客を放っておいてトイレへ駆け込んだ?)、乗客への挨拶もなければ、乗る席も分からない始末。
 ぞの復路の増発便は、富山駅北口に着いたときも、降車口で乗客にありがとうを言うどころか、何処かへ消える。
 まあ、あんなものなのか。
 使った会社は「ウィラー トラベル」だった。
「大宇」系の会社らしい。

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← お堂の中に入り、賽銭を投じ、天気のことなどお祈り。

 富山も天候異常だったりするが、太平洋側はもっと天気が不穏。集中豪雨での被害も伝えられている。
 なので、バスに乗ったはいいが、場合によっては雨で途中、運行不能になる怖れもある。
 雨…ということなら、浅草サンバカーニバルだって、雨で中止という事態が考えられないわけじゃない。
 でも、とにかく行く。
 ダメならダメで現地で考える。
 
 東京へ行くにあたって、離京に際し、不義理を重ねてしまった友人らに上京の連絡をすることも考えないではなかったが、今回は、郷里での時間や決まりごとから解放される旅にしたいという思いのほうが強かった。
 朝は八時前に起き、茶の間の電灯から始まって、お茶を入れて用意する、母が三食ごとに飲む薬のセッティング、父母が茶の間に入ってきたなら、一服したあと、食事の用意、食事、片付け。
 その後、日によって洗濯。
 ほんの一ヶ月か二ヶ月前、つまり、夏前までは母が体調が良ければ、洗濯してくれていたのだが、このところは茶の間での食事が終わると、お茶を一杯飲むだけで、まっすぐ寝室に向かってしまう。
 父が洗濯することもあるが、体力もあるし、家事嫌いな昔気質の人で、雑。
 小生だって雑なほうだが、その小生が呆れるくらい。
 なので、洗濯もノルマの一つになっているのだ。

 小一時間ほど、自分の部屋で休んだ後、午前中は買物へ。
 朝食と夕食は、小生が調理ないし用意した食事。御飯、味噌汁、オカズ、漬物。食後は野菜ジュースか何か甘いものを出す。
 昼食は、外食というわけにはいかないので、せめて、ラーメン、ソバ、ウドン、パン、ソーメンなどを日替わりで用意する。
 まあ、昼食は外の気分を、というわけである。
 そうした食材を求めると同時にスーパーで買物を午前中に済ませる。

 昼食の際には母のための薬の準備は忘れずに。

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→ ここで一眠りしたかったのだが、警備員さんに咎められる。

 午後は家の用事。
 帰省してからしばらくは引越し荷物や家の中の不用品を解体し、整理。
 とにかく応急であっても、自分の居場所を確保する必要がある、自分で。
 奥の部屋があるのだが、床がゆがんでいる、傾いている、隙間風が思いっきり吹き込む、そんな状態。
 なので、以前、近所の人に貰った中古のソファーベッドを寝床にしている。
 何もかもが当座を凌ぐだけの間に合わせ。
 誰も小生をかまう者はいないのだ。

 引越し騒ぎが終わったら、庭や畑の草むしり。ほったらかしだったので、畑なのか雑草の原っぱなのか分からない状態だった。
 庭の植木も隣近所や道路へ枝葉が伸びている。
 草むしりや枝木の剪定(無論、我流。ノウハウがまるでない)にめどが立つまで三ヶ月を要した。
 無論、雑草は常に生えてくるので対処は怠れないが、とにかく新規に生える草に対処すればいい状態にまで追いついたわけである。
 他にもやりたいことは一杯あるが、予算の関係で、カネの掛かることは一切、手出ししない、できない!

 とにかく午後の半分はそうした雑事に追われる。掃除もある。部屋数だけはあるので、廊下や階段も含め、蜘蛛の巣を払うだけでも結構な仕事になる。
 他に蔵や小屋などの手入れなどなど。

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← 人はダメでもスズメは休めるんだよね!

 気がつくと夕食の時間が迫っている。
 買物は午前で済ませているが、時に急な用事が出ることもある(薬を買いに行くとか、おカネの支払いとか)。
 夕食の際も母の薬のセッティング、食事の準備、片付け。翌朝の分の味噌汁の準備。
 夜は、週に三度か四度だが、アルバイトへ。
 帰宅が早ければ丑三つ時の二時、ないし三時過ぎ。
 帰宅して、食後、父母らが置き去りにした茶の間の湯飲みや布巾などを洗い、ポットのお湯を継ぎ足し、ゴミ箱のゴミを片付け、戸締りを確認し…。

 とにかく、神経の休まる暇がない。愚痴を言う相手も相談する相手もいないので(姉がいるが仕事などで忙しい)、何もかもを一人で抱え込んでいる状態。
 庭木の世話だって、畑だって、自分じゃやり方が分からないのだ。
 人に無知を笑われながら、見よう見まねでやっている。

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→ 回廊の眼下にはアレゴリア置き場が。間近が我々の置き場だと、あとで分かった。

 母は耳が遠くなったこともあって(小生の発音が悪いせいもある)、会話が成立しないのだ。
 やるだけのことはやるが、父母からの反応がないので、やっていていいのかどうか分からない。有り難迷惑なのか、感謝されているのかも分からない。
 父は、買物などの用事を果たしても、一切、反応を示さない。
 風邪薬を買ってきても、誕生日のプレゼントをしても、ただ黙って受け取るだけ。
 別に感謝されたくてやっているわけじゃないけど、「ありがとう」の返事一つくらい、したっていいんじゃないか?
 でないと、やってて、いいのかどうか分からないじゃないか?
 
 多分、父流の感謝の気持ちの表し方があるのだろうけど(あるのは間違いないのだ…)、他人には(息子の小生でさえも)分からない、入り組んだ、持って回った形なので、理解不能なのである。
 父の頭の中では、これはあのときの感謝の気持ちの印、というわけなのだろうけど、時間差があるので、こっちは、今日は父は機嫌がいいのかなと思うしかない。
 ペットの犬のようなもので、不意に飼い主が頭をナデナデしてくれて、飼い主はご褒美のつもりだが、こっちはただ飼い主さん今日はご機嫌だねって、思うだけ。
 意志の疎通が互いに下手なのだ。お互いに善意があるのに、無器用だったりシャイだったりして、素直に気持ちを表現できないのである。

 でも、まあ、手応えのない日々に慣れるしかない。

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← 毎年、浅草寺の境内で見かける、サル回しの芸。今年は(も?)子ザルだった。

 書き始めると愚痴ばかりになる。
 要はそうした日常から解放されたいだけなのだ。
 浅草サンバカーニバルで多少なりとも手伝えたら、あとは何も予定のない一日をボンヤリ送りたかったのである。
 会いたい人が何人もいる東京。こんな小生でも会おうと言ってくれる人もいる。不義理に不義理を重ねる状態がいいわけじゃないが、精神的に袋小路に追い詰められているようで、天候不順以上に心の状態が不穏なのだ。
 このままじゃ、いけないと分かっている。

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コメント

突然の上京で驚きましたが、なるほど偉大な息抜きでしたか。こうして態々行く所があるだけでも素晴らしいですが、退団したにも関わらず参加もされたようですね。

何事も楽しみがないとやってられませんからね。

投稿: pfaelzerwein | 2008/09/03 03:14

pfaelzerwein さん

浅草へ行くこころづもりはあったけど、ギリギリまで、いけるかどうか分からなかったのです。
まあ、スタッフ参加なので、参加なのか、気分を味わっただけなのか分からないけど、雨もあって忘れられない体験になったのは間違いない。

楽しみ。そう、富山ではまだ、一つも楽しみを見つけていません。
家に貼り付いているってこともあるけど、サンバもベリーも、市内ではショーをやってないのです。
まあ、映画へ行くおカネもないんだけど。

投稿: やいっち | 2008/09/03 10:33

楽しい時間を過ごされて良かったですね。

やいっちさんは幅広い見識をお持ちなので、その分、楽しみも様々な分野に渡っていて、羨ましい!


私が見るところでは、一般的に、親子といえども、異性間(母と息子、父と娘)での交流の方が上手くいっていることが多い、と思うのですが、どうでしょうか?

父と息子は、感謝や喜びを伝えるには、最高に照れくさい組み合わせかも。

投稿: 雫 | 2008/09/03 23:17

雫さん

まあ、長い経緯(いきさつ)があるから。
思えば、自分も親と似ているんだなって。
似たもの同士だから、しかも、シャイさが裏目に出て短所となって、互いに齟齬してしまう。
父と娘(我が姉)とは関係は良好です。
もっと自分が大人にならないとね。
長所を見ることを心がけたいな。

投稿: やいっち | 2008/09/04 03:09

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