林アサコ…野蛮なるメルヘンの世界
先月27日にアップした拙稿「西牧徹の黒戯画的ユートピアとロリータ文化」なる記事の中で簡単に触れていた「林アサコ」という名の画家のことが気に掛かっている(以下、敬愛の念を籠め敬称は略させてもらいます)。
→ 本稿の主役「林アサコ」!(西牧徹撮影) 目の力。猫より強烈! 男どもの欲望は勿論だが、女自身の本能だって見逃さない ? ! 獣欲とロリータとはメビウスの帯の面の如く同じ地平にあるのかも。
林アサコが西牧徹を作品も含め魅了し、ついには西牧徹の写真でモデルを務めていることなどは上掲の記事にも書いた。
が、林アサコの小悪魔的ワールド(大人が勝手に小悪魔めってって焦れているのだが…って、林アサコも立派な大人なんだけど)を巡って、そのうち改めて採り上げたいと思いつつ、あれこれあってのびのびになっていたのだ。
彼女については、下記のサイトで大よそのことが知ることができそう:
「林アサコ's Portfolio ==Index==」
先に進む前に、是非、まずは当該の頁で彼女の諸作品を御覧いただきたい。
もう、本稿など読む気持ちなどはなくなってしまうだろうけど、仕方ないね。
← モデル:林アサコ (西牧徹撮影)
プロフィール頁(「林アサコ's Portfolio ==Profile==」)によると、1月14日生れの今年25歳の画家。
「銅版(エッチング)を中心に絵画を制作」しているとか。
「【艶やかなメルヘン、肉欲の寓話】をコンセプトとして」いるということは、西牧徹と何処かコンセプト的に相通ずるものがあるのかどうか。
2008年3月に多摩美術大学大学院(版画専攻)卒業したばかり。期待の星!
既に数々の入賞歴や第85回春陽展(版画部)賞候補といった経歴の持主。
→ 「蛸の嫁入り(Marriagi of octopus)」 (ファインアート / 版画 2008 44cm×21cm 和紙、インク) 小生のお気に入りの作品。これが気に入ったので(「西牧徹の黒戯画的ユートピアとロリータ文化」に掲載した、林アサコの写真にもビビビと来た!)、林アサコを特集しようと思ったようなもの。わたしは蛸になりたい!
各方面から注目されているようで、いろんなブログで採り上げられている。
例えば、「traveling with the ghost 林アサコ (Asako Hayashi)」など。
特にこのブログでは、「TH叢書」(アトリエサード刊)について紹介やコメントしてあって興味深かった。
← トーキングヘッズ叢書(TH Series) No.35 「変性男子~HENSEI☆DANSHI」 (発行=アトリエサード/発売=書苑新社(しょえんしんしゃ)。発売中のはず。) 下記の記事などが載っている:
愛しく悩ましい少年キャラたち●林アサコ
'08ショタの世界をのぞいてみよう!――美少年からフリークスまで●林アサコ
TH coming art showcase : 林アサコ
しかし何と言っても、ブログ(ネット)では、「Hugo Strikes Back! 林アサコ - Asako Hayashi」での人物紹介が興味深い。
なんたって、「西牧さんが自作のビデオ作品にモデルとして起用するのが良く判る、西牧さんの黒戯画世界から抜け出してきたようなチャーミングな方」など、実際に会っての感想なのだし。
Hugoさん、相当にお気に入りになったようで、例えばさらに下記の記事を仕立てておられる:
「Hugo Strikes Back! 林アサコ絵画展★艶やかなメルヘン」
→ 「ピクニック(Picnic)」 (ファインアート / 版画 2006 25.5cm×33.4cm 紙、版画用インク) ボクちゃんも一緒にピクニック、行きたい! でも、うっかりしてると、無垢の陰で花開く野性と純粋に翻弄され蹂躙されちゃうかも。
「ReadMe!Girls!の日記・雑記 艶やかなメルヘン」や「ReadMe!Girls!の日記・雑記 イ・ケ・ナ・イ カートゥーンガールズ」なる記事も、今回は参照しきれなかったけれど、林アサコの多方面での活躍ぶりが知れて面白い。
← 「アメリカ生まれのセルロイド(Thecelluloid of America)」 (ファインアート / 版画 22cm×17.7cm 紙、版画用インク) ありえないことだが、デューラーにコケティッシュなるものへの嗜好がちょっとでもあったら、こんな絵を描いたかも、なんて夢想したり。どことなく憂愁の気味を感じるのは気のせい? 「アメリカ生まれのセルロイド」は、野口雨情作詞の「青い目の人形」を含意している?
「sometimes in amidacamera 20080603 ブーツを穿いてケーキデコレーション」って記事も、ヴァニラ画廊で開催された西牧徹『黒戯画源展』での、「林アサコさんと星窓さんのふたりがケーキを滅茶苦茶に破壊してデコレーションというパフォーマンス」画像が載っていて覗き甲斐がある!
この「sometimes in amidacamera」というブログの写真は、独特の感性があっていいかも。
バルセロナARTZ21にて「Fantasia Erotica Japonesa展」が「2008年10/9~12/11」といった会期で催される。
内容は、「エロスの巨匠達と企画グループ展」だとか:
「ARTZ 21 °° ARTSTORE & CULTURAL EVENTS °°」(関連サイト:「Japinc」)
→ 林アサコ「 ? 」 (画像は、「Hugo Strikes Back! 林アサコ - Asako Hayashi」より。)(08/10/25 画像追加)
追記:
林アサコさんは来年3月に個展の予定があるとか。
また、西牧徹さんは、出展作家の「朝倉景龍 / 河上ヨシタカ / クレール・アルテミス / 児嶋都 / 沙村広明 / たま / ブルース・ラ・ブルース / ヴァーニャ・ズーラヴィロフ / 宮西計三 / ペルレ」さんたちに混じっての出展の形で、下記の予定があります:
10月13日(月)~10月22日(水) /土曜・祝日・最終日12:00~17:00
CONDENSED VANILLA
「ヴァニラ・コレクション展」
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