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2008/09/04

浅草サンバカーニバルへ(3)…水の泡でも夢は夢

[用語については、「G.R.E.S. LIBERDADE---浅草サンバカーニバルパレード全体イメージ--」、あるいは「サンバ(ブラジル)関連用語解説」を参照してください。]

 アレゴリア置き場(作業場)といっても、そこは浅草寺の裏手で駐車場となっている辺り。
 数々あるアレゴリアには青いビニールシートが被されている。
 昨日の雨を物語っている。
 駐車場の砂利道というか泥の面を見ても、雨でぬかるんでいるし、水たまりも方々にある。

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← 次第に晴れてきた。制作に当たるスタッフも集まってきている。制作スタッフといいつつ、ほとんどがパレードする当人たちである!

 ただ、曇ってはいるが、雨が降っていない。
 それどころか、次第に晴れてきて、ついにはジリジリする暑さに!

 どのチームも、メンバーが徐々に集まってきて、アレゴリアやアプリアーラの上のシートを外し、作業を始めだした。
 パーツの組み立てを含め、細部の造作など、最後の作業がたくさん残っているのだ。


 アレゴリア(山車)が完成するのは、余程、順調でも前日だし、大概は当日の午前、時にはスタート直前まで制作作業に余念がなかったりする。
 小生も、最初はアレゴリアの撮影だけのつもりでいたのだが、ついつい手伝いなどを。
 合間にコンビニで御握りなどを買ってきて食す。蕎麦だけじゃ、持たない!

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 30日(土)は昼前から雨がまた降り出し、しかも、土砂降りに近いものに。
 小生はアレゴリア(アプリアーラ)押しのスタッフミーティングのため、浅草寺近くにある会館の中の広間へ。
 小生がファンになっている方々に挨拶。
 やがてミーティングが始まるので移動しますとのリーダーの声。
 移動開始。

 そのミーティングの最中に雨が降り出したようで、外から来た人たちが、雨、本格的だよ、とか口々に言っているのを心配な思いで耳にしたのだった。

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 ミーティングで初めて知ったのだが、小生はアプリアーラ押しのスタッフの一員だが、リーダーということで、押しのスタッフのような衣裳は着ず、我がチームカラーのTシャツを着て(自前)、白いズボン、白い靴という姿で、アプリアーラ押しの先導を務めることになっていた。

 リーダーって何をすればいいのか分からない。

 ところで、ミーティングする場所を見つけるため、会館の中を8階や7階をうろうろ。
 とうとうエレベーター前のホールで立ち話風に。

[閑話休題]
 ところで、控え室(広間)のある5階にチームのメンバーも含め、バルバロスなどのメンバーらが集まっている。
 5階からミーティングの場所へ移動する際、チラッとバルバロスの待機エリアを覗いてみた。
 すると、小生がファンになっている方もいる。
 それまでも覗き込んでいたのだが、見つからなかったのだ。
 でも、関係者の多くが作業場などへ移動していたためか、いつの間にか人数が減っていた。
 多分、ダンサーと思(おぼ)しきらしき人たちが何人かいる。

 おおー、いる!
 やっと見つけた!
 姿を見ることができたのは、私服姿で座る右向きやや後ろ姿だけ。
[余談終り]

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→ 潜水艦が二隻、見えると思う。一隻は、出発の潜水艦を寓意したアプリアーラで、二隻目は、海に潜り行く潜水艦をイメージしたサブアレゴリアである。

 まあ、いろんなアーラ(役割)のある集団の中の一つとして、前の集団との間隔が開きすぎないよう、あるいは詰まり過ぎないよう、見張る役みたい。
 簡単なようで、やってみたら、案外と…想像以上に難しかった(このことはあとで書くつもり)。

 スタッフの恰好に着替えてから、再度、浅草寺裏のアレゴリア待機場へ。
(但し、アプリアーラ押しのスタッフたちのリーダー役ということで、衣裳はなく、持参したリベルダージのオレンジ色ティシャツ姿。)
 見張りを兼ねつつ、制作のお手伝いも。二時まで手伝い。
 二時過ぎから、カーニバルパレードのスタート地点へ向い、ちょっと見物。
 スタート地点の手前なので、各チームの人たちは、音楽に合わせ体を揺すったりはするが、踊らない(踊っちゃいけない?)。

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 無論、楽器も音を出してはいけない(ダンサーらの待機場所やバテリアたちの音出しの場所は決まっている。
 アンプの具合も確かめるのは所定の場所で。
 ルールは厳格だし、浅草のスタッフは大勢いて、ルールやマナーに反する行為が見つかると、減点の対象になるのだ。

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→ 巨大なイカのアレゴリア。海には未知の怪物が生息している。

 パレードのスタート手前で見物していて、ふと、あごに手をやったら、ザラザラする。
 あれっ、あ、そうか、今朝は髭を剃ってなかったんだ。
 というか、夕べ、旅の仕度を間際にやったので、電気カミソリをバッグに忍ばせるのまでは気がつかなかったのだ。
 ダンサーでもない小生など、誰も見ていないのだが、でも、マナーのことでもあるし、慌ててコンビニに駆け込む。
 店の前にフランクフルトが陳列されていたので、戦の前の腹ごしらえと、一本、太くて長いのを食べる。
 それから、電気カミソリを購入。
 ゾリゾリ。やはり新しいとよく切れる。頬や顎がすべすべに。

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 なんだかんだでスタート前の様子さえ、眺める時間がなくなり、山車押しのスタッフが集まる予定の三時近くになっていた。
 駆けつけてみると、他の人たちは大体、集まっている。
 アレゴリア(山車)の最後のチェックや修正作業が続いている。

 お昼の雨は、一時半頃には上がったのだが、おかげで山車に付けられた、飛沫を装うための羽根が雨に濡れグタッとし、ベニヤの板に張り付いてしまっている。
 それをドライヤーを何台も持ってきて、せっせと乾かしている。

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 羽根を立たせ、波飛沫に少しでも似せようというのだ。
 こうした作業風景を見ていると、誰が真面目で丁寧か、その人の性格がよく分かる(小生はズボラ。不真面目だ が、気が小さいのと、見てみぬふりができず、つい真面目にやっちゃう)。

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← 二隻目の潜水艦は海に潜る。なので、海中の動植物たちをイメージしての細かな作業。美は細部にあり!

 三時半頃だったろうか、既に江戸川区のほうの空模様が真っ暗になっている。
 あの雨雲がやってくるのは必定。
 案の定だった。最初はポツポツだった雨が、一気に土砂降りの雨に。
 本格的な雨はそれから一時間余り、しっかり続いた。
 駐車場には雨宿りする場所もないし、パレードの時間も迫っているので、スタンバイエリアーへ雨を押して山車を押していく。

 スタンバイエリアで雨の止むのを、あるいはスタート地点へ向う合図の出るのをひたすら待つ。
 雨は降りやまない。
 止まない雨はないが、降っている間は、雨はあくまで雨である。

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→ 潜水艦の両脇などの白い羽根は何か。海中に潜るので、水の泡だったり、波飛沫(なみしぶき)だったりなのである。芸が細かい!

 傘もない小生はずぶ濡れ。
 鮮やかなオレンジ色のティシャツは色落ちして、昨年のカーニバルでのスタッフをやる際に買った真っ白なズボンも、その下のトランクスも、デッキシューズも、白い靴下も、みんな淡いオレンジ色に染まってしまった。
 帰宅して、洗濯の際、漂白剤を使っても色は抜けきらないほどだった。

 雨。
 木陰の下で空模様を眺める。やがて小降りに。
 まだ、スタート地点へ向うという合図がない。
 小生はティシャツの裾などを何度も絞る。
 何回、絞っても雨水が滴る。

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← それぞれの細かな制作物が、海中のどんな生物をイメージしているか、分かったら、もう立派なリベルダージの人かも ? !

 ズボンのポケットの中のデジカメや携帯が心配。
 そうそう、慌てて出てきたので、デイバッグ(ウエストポーチ)を用意してくるのも忘れていたのだった。
機器類が全部、この雨でダメになるかも。
 雨は冷たいというより、やや火照りがちな体には心地いい涼しさとなって感じ、下手すると風邪を引くという懸念は持たなかった。

 雨。
 浅草サンバカーニバルで、カンカン照りのもと、山車を押すので、この数ヶ月間、草むしりや枝の剪定作業などを敢えて午後の一時過ぎから三時にかけてやってきた。
 そう、体を炎天下仕様に変えるためである。体重も、この数ヶ月で10キロ以上、減った。
 多分、体力も付いたはずである。
 でも、いざ、浅草に来てみたら、その準備は一切、無為に終わった。
 
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→ とうとう炎天下の作業に。潜水艦の後部にはスクリューも。回る! 電気仕掛けのモビールがいろいろあったのだが…。

 それ以上に山車が雨に濡れてひどい。
 電気仕掛けて動く機構もあったが、使うはずもなかった。
 音楽(演奏)は歌も含め、アンプで増幅して、長いパレードの全員に聞こえるようにするのだが、音響装置自体、駐車場でもだが、パレードの最中にも故障すること再三だったのである。
 羽根をドライヤーでせっせと乾かしていたが、その努力も無為に終わった。
 いや、無為に終わる可能性が大いにあった。
 でも、最後の最後までギリギリの努力を重ねていたのである。

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