その時歴史が動いた・戦国の「ゲルニカ」
過日、テレビ番組(その時歴史が動いた)の予告編で、「戦国の「ゲルニカ」」と題されたものがあると知った。
でも、夜は仕事で観れない。
日本には、悲惨な戦争体験があったにも関わらず、ピカソの「ゲルニカ」に見合うような(絵画)作品が作られたとは言い難い。
↑ パブロ・ピカソ (Pablo Picasso)『ゲルニカ』 (画像は、【パブロ・ピカソ】より。)
この一作が悲劇を象徴しているといった作品というのはなかなかに生まれにくいものなのだろう。
それは被害者意識もあると同時に、何処かに加害者意識があって、ストレートに怒りを表現しきれないということなのか。
それにしても、「戦国の「ゲルニカ」」という題名はうまく付けたものだ。
日本にも<ゲルニカ>があるのか ? <ゲルニカ>の悲惨は語られ伝えられてきたのか。、
これだけで番組を、作品を観たくなってしまう。
せめて今日は番組や作品の周辺をメモだけしておきたい。
「[字]その時 歴史が動いた「戦国の“ゲルニカ”~大坂夏の陣、惨劇はなぜ起きたのか~」 - Gガイド.テレビ王国」:
徳川家康が豊臣家を滅ぼした大坂夏の陣。直後に作られた「大坂夏の陣図屏風(びょうぶ)」には、逃げ惑う民衆の姿が生々しく描写されている。雑兵に襲われる女性、首を斬(き)り落とされる農民、奴隷狩りにあう人々…。民衆の悲劇を記録したこの屏風は、描かれた内容から、ピカソの「ゲルニカ」を連想させる。新たな研究成果をもとに、なぜ民衆へ被害が拡大したのか、戦国最大の市街戦・大坂夏の陣を読み解き、悲劇の真相に迫る。
↑ 『大坂夏の陣図屏風・右隻(大阪城天守閣所蔵)』 (画像は、「大坂の役 - Wikipedia」より) 「現在、大阪城天守閣で所蔵されている、自らも大坂の役に参戦した黒田長政が絵師を集めて描かせたとされる屏風絵「大坂夏の陣図屏風」の左半分には、徳川方の雑兵達が大坂城下の民衆に襲い掛かり、偽首を取る様子や略奪を働き身包みを剥がすところ、さらには川を渡って逃げる民衆に銃口を向ける光景、そして女性を手篭めにする様子などが詳細に描かれている。また、記録によれば、一万数千の首の内、偽首を取られるなど殺害された民衆が数多くおり、生き残ったものの奴隷狩りに遭った者の数は大人から年端の行かぬ子供まで数千人に達したとされる」。
← 『図説・戦国合戦図屏風』(著者: 高橋修 学習研究社) 「川中島合戦図屏風」から「島原の乱図屏風」まで。その中でも「大坂夏の陣図屏風」は、民衆の描き方などで際立っているようだが、小生は実見していない。
「その時歴史が動いた」の中の「番組概要」によると:
大坂の陣。徳川家康が豊臣家を滅ぼし、天下統一を完成させた戦いとして知られている。その合戦の様子が、戦いの直後に作られた「大坂夏の陣図屏風」に克明に描かれている。屏風の右側には徳川家康や真田幸村など武将たちによる戦闘の様子、そして左側には、戦火を避けて逃げまどう民衆の姿が生々しく描写されている。
屏風に描かれた通り、大坂の陣は、戦乱の世においても非常に珍しい“市街戦”であり、多くの非戦闘員が巻き込まれた戦いであった。雑兵に襲われる女性、首を斬られる農民、奴隷狩りに遭う人々—— これら非戦闘員への被害が拡大した背景には、徳川・豊臣両家の思惑や、政治的、軍事的要因が大きな影響を及ぼしていたことが近年の研究によって明らかになった。さらに最近発見された史料から、この戦いは大坂の民衆を分裂させ、一族同士でさえも殺し合うという最悪の事態を引き起こしていたことが分かってきた。
番組では、戦国史上最大の市街戦・大坂の陣を、民衆の視点から捉えるとともに、なぜ被害は拡大したのか、屏風や新たな研究成果を元に合戦の内実を読み解き、その真相に迫る。
↑ 『大坂夏の陣図屏風・右隻(大阪城天守閣所蔵)』の部分。(画像は、「散歩の変人 「大坂夏の陣図屏風」」より。)
男、女のへだてなく
老ひたるも、みどりごも
目の当たりにて刺し殺し
あるいは親を失ひ子を捕られ
夫婦の中も離ればなれに
なりゆくことの哀れさ
その数を知らず
↑ 『大坂夏の陣図屏風・右隻(大阪城天守閣所蔵)』の部分。(画像は、「散歩の変人 「大坂夏の陣図屏風」」より。)
「その時歴史が動いた」の中の「番組のサブタイトル「戦国のゲルニカ」について」によると:
今回の番組は、大坂の陣(夏の陣および冬の陣)を、被害者となった民衆の視点で捉えたものです。番組の中で、合戦の様子を克明に描いた「大坂夏の陣図屏風」を重要な史料として紹介していますが、民衆の悲劇を記録したこの屏風が、同じく民衆の戦争被害をテーマにしたパブロ・ピカソの絵画「ゲルニカ」を連想させるため、今回の番組ではサブタイトルを「戦国のゲルニカ」としました。「戦国のゲルニカ」とも呼べる「大坂夏の陣図屏風」を検証しながら、大坂夏の陣で民衆の惨劇がなぜ起きたのかを解き明かしていく番組だという意図を、このサブタイトルで表現しました。
→ 『大坂夏の陣図屏風・右隻(大阪城天守閣所蔵)』の「天満橋部分」。(画像は、「豊臣秀吉の大坂城」より。) 「大坂城を落ち行く人々の苦難の様子が 生々しく描かれている」……。画像が小さく、情景や表情がよく見えないのが残念。
参考:
「その時歴史が動いた」
「駄猫日記 その時歴史が動いた・戦国の「ゲルニカ」」
「その時歴史が動いた。大坂夏の陣|50代オヤジの独言」
(08/07/01作 07/25追記)
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