ロダンのエロス(続)
版画や絵画など平面作品に主に魅力を感じる小生、立体作品にはどうもピンと来ない。3D感覚が鈍いのだろうか。
インスタレーションアートでも心底、感銘を受けたことは今までないような。
それでも、さすがにロダンの彫刻作品にだけは(上野で幾度も眺めたせいもあってか)強烈なインパクトを受ける。
→ ロダン『ダナイード像(裸婦)』 (画像は、「Yahoo!オークション - Popo-art■ロダン■ 【ダナイード像(裸婦)】11kg」より。) ロダンの裸婦画の数々を知って、改めてロダンの彫刻(裸婦)をまじまじと眺めた。
ただ、まだロダンの彫刻で女性像のものを実見したことがない。
このことがロダンというと男性像の彫刻ばかり、という小生(だけ?)の偏見に繋がっているのか。
極度の近眼だったロダン。晩年の彼の写真を見ても、彼が眼鏡を使っていたようには見えない(「Auguste Rodin - Wikipedia, the free encyclopedia」の中のロダン像を参照。実際は、分からない)。
まさかコンタクトを使っていたとは考えられない。
その彼が時に「プロのダンサーを雇って」、「アクロバティックなポーズを」取らせている。
時に生殖器(性器って書いて欲しいものだ。ロダンは生殖器に興味があったわけではなかろうし)をあらわにした女性をも描いている。
極度の近眼とあれば、間近でマジマジとためつすがめつ眺めたのだろう(←憶測)。
← ロダン『ダナイード像(裸婦)』 (画像は、「Yahoo!オークション - Popo-art■ロダン■ 【ダナイード像(裸婦)】11kg」より。)
繰返すが、彫刻家ロダンは有名である。小生でも名前くらいは知っている。
しかし、あくまでこれは小生の狭い了見であり乏しい知見に過ぎないのだが、彼の彫刻作品というと、多くは宗教的苦悩だったりする。
それ以上に印象に残っている多くの作品は、男性の像である。
彼の作品で女性の像という印象は、少なくとも小生の中では皆無である。
このことが、小生がロダンの(実人生はともかく)彫刻作品を敬して近寄らなかった主因なのかもしれない。
この辺り、小生の知識が余りに乏しい。
→ ロダン『ダナイード像(裸婦)』 (画像は、「Yahoo!オークション - Popo-art■ロダン■ 【ダナイード像(裸婦)】11kg」より。)
ロダンは女性の彫刻像も少なからず作っているが、有名なもの、よく参照されるもの、傑作と呼ばれる作品は何故かたまたま男性の像が多かったのか、それとも、彫刻では男性像に主眼を置き、絵画作品では女性やエロスをテーマにと、使い分けをしていたのか、小生は分からない(まだそこまで調べていない)。
尤も、男女が抱擁し合っている彫刻作品なら写真集か何かで観たことはある…ような。
まあ、ロダンというと男性像の彫刻ってイメージが小生の中で強いってのは、『地獄の門』(『考える人』など)の印象があまりに強烈だということか。
カミーユ・クローデルなど、女性とのかかわりは私生活で円環を閉ざしているのかと思い込んでいた。
← ロダン『ダナイード像(裸婦)』 (画像は、「Yahoo!オークション - Popo-art■ロダン■ 【ダナイード像(裸婦)】11kg」より。)
「学芸員の1人、Christina Buley-Uribe氏は、ロダンは「死ぬまで人の肉体を研究し続けたといえるのではないか」と語る。なんでもロダンは、作品のモデルたちを誘惑することもたびたびあったそうだ」というから、小生が知らないだけで、女性像の彫刻作品も相当にあるに違いないのである。
→ ロダン『Le Cercle des Amours (The Circle of Lovers)』(1880 graphite, pen, sepia ink wash and gouache on paper 19,5 x 15,1 cm) (画像は、「musée R O D I N」より。)
残念ながら、「彫刻家ロダンの「エロティック」な絵画作品、知られざる横顔が浮き彫りに - フランス 写真2枚 国際ニュース AFPBB News」で見つけた絵は、ネットでは見つけることができなかった(同頁の画像は転載不可)。
どうか、小生をわしづかみにしたロダンによる裸婦の絵を同上の頁(「彫刻家ロダンの「エロティック」な絵画作品、知られざる横顔が浮き彫りに - フランス 写真2枚 国際ニュース AFPBB News」)で見て欲しい。
(08/06/30作)
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