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2008/07/08

「源氏物語」…あこがれの王朝ロマン?

今年は源氏物語千年紀」ということで、関連する企画が目白押しである。
 小生自身、協賛して(??)与謝野晶子訳の『源氏物語』を牛歩ながら読み進めている。
 
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→ 「国宝 初音調度のうち胡蝶蒔絵挟箱(はさみばこ)(一対のうち) [江戸時代/徳川美術館] 10/3(金)~11/3(月・祝)展示」 「初音蒔絵黒棚飾り(はつねまきえくろだなかざり)」の拡大画像や「初音の調度」についての説明は、「初音蒔絵黒棚飾り 文化遺産オンライン」にて得られる。 『源氏物語』の「初音」の帖「年月を松にひかれてふる人に今日鴬の初音きかせよ」の歌意を全体の意匠」としている。一層、詳しい説明は、「『SPAZIO』 no.64 文字・金銀箔散らし・香から――意匠への展開」にて。

 小生の読解力があまりに乏しいからか、『源氏物語』は、というより光源氏がますますムカつく人物像に描かれているように思えてならない。強姦に少女拉致監禁や美人じゃない女性を嘲笑うような振る舞いとか、ちょっとあんまりじゃないのっていう蛮行(普通の人がやったら明らかに犯罪)が多すぎる(ほとんど?)!

 雅な世界って、凡人・俗人には理解不能な世界ってこと、陋巷の野郎のモラル、現代の平板な価値観や美意識など通用しないってことか。
 王宮の世界を支える下賎の輩のことなど眼中にないのだろうし、そんなことを考えること自体、野暮の極み。
 野暮天の小生には、決して「あこがれの王朝ロマン」などではありえない!
 それこそ、小生などは、王朝に憧れる連中からしたら、間違いなく、そんなの関係ねぇって奴なのである。

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↑ 「女三の宮 下村観山筆 [昭和2年(1927) / 横浜美術館蔵] 」 (画像は、「【レポート】光源氏も1000歳になりました 東日本最大規模の源氏物語展の全貌に迫る ライフ マイコミジャーナル」より。このレポートは、まさに「特別展 源氏物語の1000年-あこがれの王朝ロマン-」をレポしたもので、非常に参考になる。

 しかし、読めば読むほど疑問が膨らむのは、紫式部は一体、『源氏物語』で何を描きたかったんだろうってこと。
 宮中世界の不条理…? なんてありえないね ? !
 王朝や王宮の美の反面の闇の深さ…。人間とは意識されていない、眼中には全くな下賎な人びとの存在が気に掛かってしようがないのだが。

 ま、先は長い。ゲスの勘ぐりはこれまでにしておこう。夏の終わりには読了できるだろう。それまでに小生の理解が少しでも深まることを祈るばかりである。

 さて、気を取り直して…。

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 小生が読んでいる『カラー版 日本文学全集 源氏物語 上・下』(与謝野晶子訳 河出書房)には、日本画家・新井勝利画伯のカラー挿画が何枚も所収となっていて、読んで楽しみ(やや難儀もする)目でも愛でることができるという本である。

 ということで、『源氏物語』関連の美術・工芸作品を幾つか見てみたい。
 企画にはいろいろあるが、作品が多いし体系的ということで、今日は下記を採り上げる。
特別展 『源氏物語の1000年 -あこがれの王朝ロマン-』」が、「横浜美術館」にて、「平成20年8月30日(土)~11月3日(月・祝)」という会期で催される:
特別展 源氏物語の1000年-あこがれの王朝ロマン-

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↑ 「国宝 紫式部日記絵巻 五島本第三段 絵・詞 [鎌倉時代/五島美術館] 8/30(土)~9/6(土)展示


特別展 源氏物語の1000年-あこがれの王朝ロマン-|本展のみどころ|第1章 王朝文化の華:源氏物語の世界」:

「源氏物語」成立の背景にある、王朝人の教養や美意識、信仰の様子を、宮廷での見聞を絵画化した「紫式部日記絵巻」などから紹介し、さらに、成立まもない頃から筆写、転写を経て広く享受され、研究されるようになった「源氏物語」の伝承について、鎌倉から室町時代にかけての代表的な伝本をもとに紹介します。

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↑ 「重要文化財 源氏物語図〈若菜・紅葉賀〉(左隻)狩野養信筆 [江戸時代/法然寺] 10/3(金)~11/3(月・祝)展示

特別展 源氏物語の1000年-あこがれの王朝ロマン-|本展のみどころ|第2章 源氏絵の系譜」:

「源氏物語」を描いた絵画である「源氏絵」が、物語とともに多様化し、幅広い階層の人々に享受されるようになった様子を、中世から近世初期の源氏絵の典型的特色を示す扇面散屏風や色紙絵、また江戸時代における各地・各派の絵師の作品や工芸品などから紹介します。

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↑ 「宇治の宮の姫君たち 松岡映丘筆(右隻) [大正元年(1912)/姫路市立美術館] 10/3(金)~11/3(月・祝)展示

特別展 源氏物語の1000年-あこがれの王朝ロマン-|本展のみどころ|第3章 生きつづける「源氏物語」」:

明治以降から現代にいたるまで多くの画家達が取り組んだ、新鮮な色彩と構図によって描かれた源氏絵の数々と、現代語訳や外国語訳によって今なお身近な文学作品として親しまれている、現代の「源氏物語」の出版物を紹介するとともに、<源氏物語絵巻>の"平成復元模写プロジェクト"を中心に紹介し、次世代に伝え継がれる源氏物語を紹介します。

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↑ 「和漢故事人物図巻(浮舟) 岩佐又兵衛筆 (江戸時代 / 福井県立美術館蔵)」 (画像は、「【レポート】光源氏も1000歳になりました 東日本最大規模の源氏物語展の全貌に迫る ライフ マイコミジャーナル」より。上記したように、このレポートは、まさに「特別展 源氏物語の1000年-あこがれの王朝ロマン-」をレポしたもので、非常に参考になる。無論、本作も展示される。

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