« 田中良平…板塀の温みを描く | トップページ | クロード・モネ…「睡蓮」未満 »

2008/06/26

田中良平…枝葉の先にも命あり

 帰郷して初めての体験がいろいろある。
 例えば畑。
 帰省の折に草むしり程度は手伝っていたのが、今は細かな作業は小生がやる…のは無理で、今年は真似事だけ。
 やり方がまるでわからない。手探り。
 春先に苗を植えたキュウリがこのところドンドン収穫と相成っている。父母と小生とでは食べきれないので、知り合いに大半を提供。

080626nasu_2

→ 今朝、ナスの漬物作りに挑戦。甕もある漬物のための重石もある。ただ、作る腕(知識・経験)がない。母に聞きながら試みたけれど、さてどうなることやら。

 ナスも一昨日、初めて収穫。もぐのがやや遅かったものもあって、小ぶりではなく大きめになってしまっていた。
 大きいものも小ぶりのものもやはり知り合いに提供したが、小ぶりのものは鍋に一杯分、残していってくれた。
 なので、今朝はナスの漬物に挑戦。
 甕や重石などは昔から使ってきたものがある。
 あとはやり方。母らに聞いて、とにかく塩漬け。
 浅漬けなら今夜にも、しっかり漬けた物となると明朝となるが、いずれにしても早晩、小生が初めて作った漬物が食べられるはず…だ。
 ちゃんと漬物らしくなっているかどうか、明日には報告(報告しなかったら失敗したものと思うべし)。

 さて、昨日に引き続き、田中良平の世界を楽しみたい。一回で終わらせるのが勿体無くなったのだ。

Tanaka_ruinedhouse1

← 田中良平『Ruined House No. 1』(1966 copperplate etching with aquatint ) (画像は、「The Ren Brown Collection TANAKA Ryohei」より。) 1966の作品…。履歴によると「1963 古野由男氏に師事(銅版画の手法を学ぶ)」とあるから、銅版画としては初期のものなのか。

 古民家と桜がモチーフの版画家のようだが、上掲の履歴の中で「芥川龍之介「或る阿呆の一生」の英語版に銅版画を採用」ってのが気になる。
 どんな作品だったのだろう。
 個展が日本はもとより海外の各地で催されているようだ。知る人は知っているんだろう。次に日本ではいつ開催されるのか。近況を知りたいものである。

Tanaka_tunnelinapass

→ 田中良平『Tunnel in a Pass』(2005 copper plate etching with aquatint) (画像は、「The Ren Brown Collection TANAKA Ryohei」より。) 比較的最近の作品のようだ。ハッとする清新な画。

京都を中心に、日本の古典的な情緒を銅版画のエッチングの技法で見事に表現した作家」と、定評のある作家のようだが、ネットではあまり同氏の情報は見つからない(探し方が下手なのか)。

 下記のサイトで多くの作品画像を見ることができる:
The Ren Brown Collection TANAKA Ryohei
Japanese Woodblock Prints Online Gallery - Japanese Woodblock Prints from Castle Fine Arts

Tanaka_wall4

← 田中良平『Wall No. 4』(1976 copperplate etching with aquatint ) (画像は、「The Ren Brown Collection TANAKA Ryohei」より。) 比較的初期の作品のようだが、こうした題材の選び方、崩れゆくもの、ひっそりと佇むもの、人が見向きもしないもの。普通なら絵には到底なりえないもの。心ある人が気付いて初めてその存在が愛おしいものであると悟らされる…。だから、決して滅びの美学と思ってはいけない。あくまで人肌への愛惜の念が濃厚だし、命への哀惜の念があるからこそ、崩れ去りゆく建物や壁や塀のヒビや傷みや磨り減り具合に郷愁めいた情が湧き起こってしまうのであろう。

Plum corporation-寺町倶楽部」(この頁に田中良平の履歴が載っているが、多分、別人のものと思われる)では、民家を描いた題名不詳の作品の拡大画像を見ることができて嬉しい。ますます惚れちゃう。
Ryohei Tanaka Print Gallery and Biography from Castle Fine Arts」によると、「First commissioned in 1965, Tanaka has won a number of awards in Japan, Yugoslavia and America and is widely shown and collected worldwide. His etching are greatly admired for their fine detail and subtle aquatinting.」だって。

Tr006

→ 田中良平『Kurama Road』(1996 Etching) (画像は、「White Lotus Gallery Tanaka Ryohei」より。) 鞍馬の街道町の絵なのだろうが、日差しの照り返しが何とも夢幻的。

 あるいは日本より海外での評価のほうが高いのか…。
 小生の不勉強に過ぎないのだろうが、日本にも素晴らしい作家がまだまだいるってことを改めて痛感させられた。

 と、ここまでは昨日、下書きを書いたのだが、やはり同氏についての情報がもっと欲しく、「Tanaka Ryohei」でネット検索したら、海外での個展などの活躍が目覚しいとのことで、やはり英文での情報が豊富だった。
 例えば、「White Lotus Gallery Tanaka Ryohei」なる頁が、画像も豊富だし、Biography:やChronologyも詳しい:

Tr003

← 田中良平『Old Tree No. 1』(1992 Etching) (画像は、「White Lotus Gallery Tanaka Ryohei」より。) 板壁や格子戸、そして毛細血管のような木の枝々。

Biography:

In 1963, when he was well beyond school age, Tanaka started his career under Furuno-sensei. What lured Tanaka into the arts was the medium: etching. Unlike many of his peers, Tanaka knew what he wanted to depict: the world in which he came from and lived and in particular where man and nature combined. His minutely accurate etchings focus on thatched-roof farmhouses and threadlike tree branches that are quickly disappearing from the Japanese landscape. Human figures play almost no part in Tanaka’s works, but they are implied at every turn. Their absence, along with his color selection of umber, black, greenish gray tones provide a sense of quiet and distance. What grabs Tanaka as an artist also grabs us: the use of etching to bring life and spirit to a place of habitation – a place that we may call our own.

Snowcrow

→ 田中良平『Snow Crow』(2008 Etching) (画像は、「White Lotus Gallery Tanaka Ryohei」より。) 木の幹や枝の温もりを知るのは、人ではなく、枝に憩う鳥たちなのかもしれない。もしかして雪も、地上世界の温もりを求めて舞い降りてくる…?

 雪の夜を枝に暖取る鳥のあり

Chronology:

1933 Born in Takatusuki City, Osaka
1963 Studied etching with Professor Furuno Yoshio
1966 Started exhibiting with JPA and became a regular member in 1973
1967 to present Intermittent solo shows, Yamada Gallery, Kyoto
1971 Kansai Kokugakai show, New Talent Prize
1971, 1981,1983, 1988, 1990, 1993, 1999 Solo show, Yoseido Gallery, Toyko
1972 Kokugakai show, Top Prize
1974, 1977 Solo show, Hendricks Gallery, Maryland
1979 Traveling exhibition of modern Japanese prints, Peking and Shanghai
1980, 1987, 1997 Solo show, Azuma Gallery, Wahsington
1984 to present Solo show, Gilbert Luber Gallery, Pennsylvania
1987 to present Solo show, Tolman Collection
1990 Group show, Retretti Are Centre, Finland
1992 Traveling solo show, Azuma Gallery, Washington; Verne Collection, Ohio
1992, 1997 Solo show, Ren Brown Collection, California
1998 Solo show, Nantenso Gallery, Kobe
2000 Solo show, Art Shop Ezoshi, Kyoto


|

« 田中良平…板塀の温みを描く | トップページ | クロード・モネ…「睡蓮」未満 »

文化・芸術」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

美術・日本編」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/52847/41643846

この記事へのトラックバック一覧です: 田中良平…枝葉の先にも命あり:

« 田中良平…板塀の温みを描く | トップページ | クロード・モネ…「睡蓮」未満 »