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2008/06/30

ロダンのエロス

 ネットサーフィンしていたら、「彫刻家ロダンの「エロティック」な絵画作品、知られざる横顔が浮き彫りに - フランス 写真2枚 国際ニュース AFPBB News」なる記事に遭遇。
 この記事の中のロダンの絵画作品に瞠目してしまった。

Kiss

← ロダン『Kiss』(画像は、「AllPosters.com - The World's Largest Poster and Print Store!」より。)

 フランソワ=オーギュスト=ルネ・ロダン(François-Auguste-René Rodin, 1840年11月12日 - 1917年11月17日)のことは今更、小生などが説明することもないだろう。
 「オーギュスト・ロダン - Wikipedia」などを参照すれば小生のような絵画(美術)に疎い人間には十分である。
 まあ、「フランスの彫刻家。19世紀を代表する彫刻家とされ、『近代彫刻の父』と称される。代表作に『地獄の門』、その一部を抜き出した『考える人』など」をおぼろげながらにでも知っていたら、常識だけは持っている人と言えるかもしれない。
 実際、小生もそうである。

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2008/06/29

小出楢重:日本の日常の中の裸婦像

[本稿は事情があって、「壺中山紫庵」からこの「壺中水明庵」へ移動させたもの。 (08/06/29 記)]
[「ジャン=レオン・ジェローム (1:ヌードを描くアトリエを嫉視する?)」へ飛ぶべし!]


アートエンターテインメント 迷宮美術館」なる番組を見た。
 この番組は、「「迷宮美術館」にようこそ。ここは謎やドラマに満ちた美の迷宮。一つの謎がまた新たな謎をよび、ミステリアスな世界が拡がってゆきます。古今東西の名画に秘められた謎、傑作が辿る数奇な運命。巨匠達の人生に隠された感動のドラマ。「迷宮美術館」は「美術はちょっと・・・」と敬遠しているあなたに、その不思議で豊かな世界を楽しんでいただくエンターテインメント番組です。さあ、あなたも美を巡る究極のクイズに参加してください。」というもので、たまに見る。

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← 黒田清輝『智・感・情』の「情」 (画像は、「黒田記念館」より)

 たまに見るというのは、小生のテレビはモバイルで画面が小さく、且つ、やや粗い。特にこうした美術番組を見るには非常に辛い。どの程度に粗いかというと、画面の下にテロップ(文字情報?)が表示されているが、間近で見ないと読めない(間近でも読めない場合が間々ある)。
 なので、ヴァラエティやニュース番組ならともかく、美術番組や綺麗な風景を見せてくれる番組は見ているうちにイライラしてきて、うんざりしてしまう。
 まして、今日の番組のテーマは「ヌード」だ!
 しかも、天下のNHKさんが、「ハダカの衝撃 」だなんて、けれんみのないハッキリしたテーマを打ち出しているではないか。

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2008/06/28

クロード・モネ…「睡蓮」未満

 梅雨 → 紫陽花 → 水仙 → 睡蓮 → クロード・モネ…といった連想が働いたわけではないが、今日は断固、モネである。
クロード・モネ - Wikipedia」によると、「クロード・モネ(Claude Monet, 1840年11月14日 - 1926年12月5日)は印象派を代表するフランスの画家。「光の画家」の別称があり、時間や季節とともに移りゆく光と色彩の変化を生涯にわたり追求した画家であった」という。

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← クロード・モネ作『かささぎ(La Pie)』(1869年 89×130cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)) (画像は、「クロード・モネ-かささぎ-(画像・壁紙)」より。)

 まあ、今更小生如きがモネを紹介するまでもない。
 ここではただ小生の好きなモネの垂涎の作品を幾つか、ネット上で鑑賞しようというだけである。

 好きな画家モネを今までメモ程度にしろ扱わなかったのは、温存というほかない。

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2008/06/26

田中良平…枝葉の先にも命あり

 帰郷して初めての体験がいろいろある。
 例えば畑。
 帰省の折に草むしり程度は手伝っていたのが、今は細かな作業は小生がやる…のは無理で、今年は真似事だけ。
 やり方がまるでわからない。手探り。
 春先に苗を植えたキュウリがこのところドンドン収穫と相成っている。父母と小生とでは食べきれないので、知り合いに大半を提供。

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→ 今朝、ナスの漬物作りに挑戦。甕もある漬物のための重石もある。ただ、作る腕(知識・経験)がない。母に聞きながら試みたけれど、さてどうなることやら。

 ナスも一昨日、初めて収穫。もぐのがやや遅かったものもあって、小ぶりではなく大きめになってしまっていた。
 大きいものも小ぶりのものもやはり知り合いに提供したが、小ぶりのものは鍋に一杯分、残していってくれた。
 なので、今朝はナスの漬物に挑戦。
 甕や重石などは昔から使ってきたものがある。
 あとはやり方。母らに聞いて、とにかく塩漬け。
 浅漬けなら今夜にも、しっかり漬けた物となると明朝となるが、いずれにしても早晩、小生が初めて作った漬物が食べられるはず…だ。
 ちゃんと漬物らしくなっているかどうか、明日には報告(報告しなかったら失敗したものと思うべし)。

 さて、昨日に引き続き、田中良平の世界を楽しみたい。一回で終わらせるのが勿体無くなったのだ。

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2008/06/25

田中良平…板塀の温みを描く

 どういう経緯でだったかは忘れたが、「田中良平」という版画家の存在を知った。
 多分、宮本秋風について調べていて出会った「Yoseido Gallery 宮本秋風[冬景色]」なる頁でだったような。

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← 田中良平『扉』 (エッチング・アクアチント 2001 36.5×36.5cm) (画像は、「田中良平」より。) 精緻な描写もさることながら、題材の選び方自体に独自性があるような。ひと目見て惹きつけられた。

田中良平」は、「日本版画協会会員」で、「メトロポリタン美術館など」に作品が収蔵されていること、「1933年高槻市生まれ。1963より銅版画作品発表」といったことなどは分かるが、それ以上の情報がネットではなかなか見つからない。

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2008/06/21

Pete Revonkorpi 童話の世界はそこにある!

 Pete Revonkorpiは、「Pete Revonkorpi-armchair aquarium [アームチェア・アクアリウム]」なるブログで見つけたイラストレーター。
Antithesis Common Literary Magazine - Issue IV, Summer 2006 Featured Art By Pete Revonkorpi」によると、Pete Revonkorpiは、フィンランドのフリーランスのイラストレーターだとか。

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→ Pete Revonkorpi『Together』 (画像は、「Antithesis Common Literary Magazine - Issue IV, Summer 2006 Featured Art By Pete Revonkorpi」より)

 Pete Revonkorpi(ピート・レヴォンコルピ?)は子供の頃、彼の家の背後にある森で多くの時を過ごした。森には、トロール( 【北欧神話】:地中の穴に住む巨人または小びと)や妖精、鬼といった数多くの奇妙な生き物の棲み処であることを知り、彼らと友達になった。世の多くの人と同様、成長するに従いそういった世界からは離れ去ったけれど、それでも彼を訪ねてやって来る生き物はいるし、彼もまたできる限り彼の旧友に会いに戻ったりするのだという。

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2008/06/18

湯真藤子のユーモレスクワールド

 ARTIST 木村了子(例によって本ブログが形式上、日記でもあるので、勝手ながら敬称は敬愛を籠めて略させてもらう)の「KIMURA Ryoko Art Collections . blog」の各記事をつらつら眺めていたら、「おともだち@blog 湯真藤子」という記事に掲げられている絵に眼が止まった。

 ブログが紹介されている:
湯真藤子YUMA TOUKO Art Works

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← 湯真藤子『THORN ROSE』(1167×910mm, oil painting, 2007) (画像は、「THORN ROSE 湯真藤子YUMA TOUKO Art Works」より) 本人の弁によると(「THORN ROSE 湯真藤子YUMA TOUKO Art Works」)、「「THORN ROSE」とは「いばら姫」の事で、百年寝てると王子様が助けに来てくれるという、「果報は寝て待て」を体現している、夢の様な話です」とのことだが、詳しくは当該頁のご本人の文章を読んでもらいたい。この絵をひと目見て気に入ったと思ったのだが、案外と彼女の文章に惹かれたような感もなきにしもあらず。
 
 早速、「湯真藤子YUMA TOUKO Art Works」へ飛び彼女の絵の数々を眺めてみる。同時に文章も読む。
 大抵は絵に注意を払っても文章は流してしまうものだが、やはり作者の弁となると一味違う。批評の次元に留まらず、実作者の感性というものが滲み出てくる。

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2008/06/16

フェルナン・クノップフ

 一度見たら忘れられなくなる絵というものがある。
 その絵の何が惹きつけるのか、自分でも分からないし、まして人に説明もできない。
 せいぜい絵の持つ雰囲気とか独特の魅力とか、何も言っていないに等しい言葉でお茶を濁すしかない。
 静かに絵画に対面していればそれでいいのだけれど。
 そうした画家(の作品)の一人にフェルナン・クノップフがいる。

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↑ フェルナン・クノップフ『スフィンクスの愛撫』 (画像は、「フェルナン・クノップフ - Wikipedia」より。) この絵については(…というか、西洋絵画についてはいつもながら)、「画家の最愛の妹マルグリット・クノップフをモデルに描かれたことを容易に推測することができる」など、「サルヴァスタイル美術館 フェルナン・クノップフ-愛撫」の説明が参考になる。


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2008/06/14

「伍代夏子・香西かおり ジョイントコンサート」!

 日付が「2008/04/20」の拙稿「無言坂…早く昔になればいい」の冒頭で、「今年、小生の大好きな歌手香西かおりさんが富山にやってくる」と書いている:
伍代夏子・香西かおり ジョイントコンサート~二人の美艶歌~

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→ 開演直前の光景。ほとんどが中高年の方々。自分もだが。三階席にある我が席からはステージが遠い!

 わざわざこんな記事を書くくらいだから、小生、香西かおり(以下、例によって敬愛の念を籠めつつ、敬称を略させてもらう)のファンである。
 ああ、彼女の歌を生で聴きたい、彼女を生のステージで見たい、そう思いつつ、しかし、ちょっと実現は無理かなと思いながら書いていた。
 コンサートがあったのは13日。小生は、その一週間前になって、行く! と決めた。
 好きな本だって年に数冊も買えるかどうかの小生、借金を抱えた経済状況からしてコンサートなんてとんでもない!

 でも、次に彼女が富山に来るのは早くても来年…。

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2008/06/12

西牧徹…ラブドール幻想

 西牧徹(の世界)は、例によって(?)「vanilla-gallery 西牧徹展 黒戯画源展」で知った。
 一度でも見てしまうと、言葉に成らないものの彼の絵は脳裏にハッキリ刻み込まれてしまう。

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← 「西牧徹-黒戯画世界」の表紙画像。

(「タナトス6通信 b◆2007.9.2◆-b西牧徹 超舌トークショウ」参照。)

西牧徹-黒戯画世界 Blacken Caricature-Toru Nishimaki」の中の「西牧 徹 プロフィール」によると:

1964年東京生まれ。少年・少女と玩具・食物などをモチーフに鉛筆画を制作。2003年に自らの作品を「黒戯画」と名づける。この「黒戯画」は“艶画”と“福画”に大別され、性幻想に基づくもの、キエムクーとその仲間たちの日常と冒険を描いたもので、ユートピア絵画という点で同一線上の世界となっている。

 最初は、少女幻想というか性幻想の画に惹き付けられ、覗いていくと、そこには「キエムクーとその仲間たちの日常と冒険を描いたもの」も一つの世界として描かれていて、二つの世界にやや戸惑う。
 でも、というか、しかも、「ユートピア絵画という点で同一線上の世界となっている」!

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2008/06/10

ハイコ・ミュラー……メビウスの輪の恐怖

 ハイコ・ミュラー(Heiko Müller) は、これまた「Heiko Muller-armchair aquarium [アームチェア・アクアリウム]」なるブログで見つけた人物である。
 彼には、「Heiko Müller - Paintings and Drawings」というサイトがある。

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→ "Heiko Müller - Stay Awake"(Limited edition monographic book ) 例えば、こんな作品の数々

 平穏な日常の最中のはずなのに、気がつくとそこに得体の知れない世界や生き物が出現する。見慣れたはずの隣人が、ペットが、ヌイグルミが外見はそのままのはずなのだけど、突如、全く意想外な謎の表情や雰囲気を現出させる。
 慣れ親しんだ世界の、その実、非日常と背中合わせの世界。
 正常と異常とを滑らかにつなぐメビウスの輪の恐怖。

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2008/06/08

フィリップ・ヘンリー・ゴス……オムファロス!

 どういう流れでだったか、「フィリップ・ヘンリー・ゴス-armchair aquarium [アームチェア・アクアリウム]」なる頁に遭遇した。
armchair aquarium [アームチェア・アクアリウム]」は、「飼育家でも釣り人でもなく、ネタを転がしてさかなを愛でる安楽椅子派のさかなブログ」とのことだが、とっても魅力的なサイトだ。

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← 画像は、「Biblomaniac Page The Blitish Sea-Anemones and Corals」(以下、全て同じサイトから。「古書をこよなく愛し、古書蒐集という不治の病に冒されてしまった人たちのための安らぎの場」だというそのホームページは、「Bibliomaniac Page」)より。

 フィリップ・ヘンリー・ゴスという名前は小生には初耳である。
 でも、とにかく上掲の頁に載る作品画像は魅力的。
 なので、ちょっとメモしてみることにした。

 フィリップ・ヘンリー・ゴスについては、「フィリップ・ヘンリー・ゴス-armchair aquarium [アームチェア・アクアリウム]」がとても参考になる。

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2008/06/06

元永定正……僕はアホ派です ? !

白髪一雄から遠く」で白髪一雄を扱った、その流れとか連想で、というわけではないが、元永定正の作品世界がふと脳裏に浮かんできた。
 パフォーマンスアートつながりではないのだが。

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→ 元永定正『ひかりでているあかしかく』(1984 Screenprint  Image size 66.0×46.0cm) (画像は、「ときの忘れもの「元永定正」」より)

 パフォーマンスアートも手がけるが、アンフォルメルの画家と看做されたこともあったようだ(一時期はそうなのかもしれない。小生にはそうは思えないのだが)。

 元永定正もまた小生が抽象表現主義やアール・ブリュットに関心を抱き関連する展覧会を見て回った80年代後半から90年代前半にかけての、(小生にとっての美術の上での)疾風怒濤(表現が古い!)の最中の頃に好きになった画家の一人である。

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2008/06/03

白髪一雄から遠く

 白髪一雄がこの四月八日に亡くなられている(訃報記事は末尾参照)。
 同氏に付いて小生は格別何も語ることはない。
 ただ、同氏の仕事を知った頃のことが懐かしいので、メモだけしておきたいのである。

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← 白髪一雄『浄火』 (油彩・キャンバス、4号) (画像は、「アート・遊」より)

 小生が白髪一雄の名や彼の仕事の一端をでも初めて知ったのは、80年代の後半から90年代の前半、主に欧米の抽象絵画やアール・ブリュット、アンフォルメル絵画の世界に夢中だった頃だったろうか。
 ポロックなどの抽象表現主義やヴォルスなどの作品を見ることができるならと、関連の展覧会を見て回った。
 ポロックというと、小生の好きなアーティストの一人で、89年から92年の頃に、彼のアート作品を見ながら(他にも、ミロ、フォートリエ、デュヴュッフェ、クレー、ムンクなどを見ながら)、夜毎、創作活動に励んだものだった。

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2008/06/01

フィリップ・モーリッツ 滅びの世界をユーモラスに?

 フィリップ・モーリッツ(Philippe Mohlitz,1941-)の絵や名を初めて目にしたのは、「artshore 芸術海岸 フィリップ・モーリッツの風景」なる頁を覗いた時ではなかったか。
(念のために断っておくが、18世紀の文筆家のカール・フィリップ・モーリッツではない。フィリップモリス(Philip Morris)でもない!)

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→ 松浦寿輝著『そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所』(新潮社) 本書にはフィリップ・モーリッツの銅版画が装丁も含め使われているが、それらは著者自身の所有になるものだという。

 と思ったら、その以前にフィリップ・モーリッツの世界には、「artshore 芸術海岸 フィリップ・モーリッツの風景」でも(コメント欄も含め)紹介・言及されている。松浦寿輝の短編集『そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所』(新潮社)の「目次や扉にあしらわれていて」、松浦寿輝ファンなら既に少しは馴染みになっているはずである。

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