山口啓介の『原植物』
四月末から始まった連休もすでに終わって日常の日々が始まっているようだが、小生は連休に関係なく(夜は断続的にバイトで)家の畑や庭の草むしりに勤しんでいた。
畑の周辺は何とか格好が付いたが、家の周囲の草むしり・草刈・駆れ落ちた松葉などの清掃は緒に着いたばかり。
← 山口啓介 「-地球図素描-」 (画像は、「keitaiで写真修行 山口啓介 -地球図素描-」より)
そんな草木との苦闘(?)の日々にあるだけに、草花関連の話題には関心が湧く。
「山口啓介さん、ありがとう! magnoria」を覗いてみたら、版画家の山口啓介のことが話題に上っていた。
山口啓介は植物を題材にしたアートを(も)制作されているようで、小生にとっては山口啓介の世界の発見はタイムリーということになるやもしれない。
「山口啓介 - Wikipedia」によると、「山口啓介(やまぐちけいすけ 1962年-)は現代美術家。兵庫県出身。武蔵野美術大学を卒業後、大型銅版画作品で数々の賞を受賞し鮮烈なデビューを遂げる」とある。
→ 山口啓介 「作品Ⅰ」 (画像は、「Yahoo!オークション - 山口啓介 「作品Ⅰ」」より)
主な展覧会(個展)の中に、「2002年「植物の心臓、宇宙の花」 西宮市大谷記念美術館」や「2007年「睡蓮の地球図」 国際芸術センター青森」などとあった。
「山口啓介 Keisuke Yamaguchi ホンとに本と。 by gaden」なるインタビュー記事が面白い。
どうやら、「2002年2月に名古屋で発表された自家製本『原植物=Die Urpflanzeの花図鑑』の大幅な改訂版。 ゲーテの造語を原典とし、この世にない植物の不可思議な変容をモチーフとする。エッチング24点と、ドローイング による自家製本を中心に、画廊空間を小さな図書室(Archives アーカイヴス)と見立てる展示」を巡ってのインタビュー記事のようだ。
← 山口啓介作「植物輪蔵」の部分 (画像は、「知恩院の輪蔵と山口啓介の「植物輪蔵」 知の方舟、植物再生願う」より)
が、「知恩院の輪蔵と山口啓介の「植物輪蔵」 知の方舟、植物再生願う」が突っこんだ記事で山口啓介ワールドの理解の参考になりそう。
山口啓介の「植物輪蔵」は、知恩院の「八角輪蔵」に触発され構想したものだという。
「八角輪蔵」については、「知恩院の輪蔵と山口啓介の「植物輪蔵」 知の方舟、植物再生願う」の冒頭での説明が参考になる。「この輪蔵を回転させれば経典を読破したのと同じ功徳があるという」もの。
「「植物輪蔵」が発表されたのは、2002年の夏に西宮大谷美術館で開催された山口の規模大きな展覧会「植物の心臓、宇宙の花」」とか。
→ 山口啓介 版画集 『緑化砂 』 P.18 (版面 11.7×13cm) (画像は、「ギャラリー池田美術 山口啓介展 -緑化砂-」より) テーマは、"劣化ウランのこどもたち"なのだとか。「芸術は戦争のような圧倒的な破壊力の前では、つくづく無力であると認識しつつも、私のなかで沸騰する矛盾した感情の切っ先が、私を難しい制作にかりたてるのです…」
← 山口啓介 『DU child の core 2005』 (45×45cm 木版画/モノタイプ)(画像は、「ギャラリー池田美術 山口啓介展 -緑化砂-」より) 「このたび"劣化ウランのこどもたち"を描くにあたり、山口啓介は「あえて不自由で、困難な」木版画に初めていどんだ。主要な作品である254×200cmの"DU child"には、戦争と共存しつつも何もできない時代への、痛切な批評がこめられている。」 拙稿「昨日、ラジオで聞いたこと:劣化ウラン弾 」参照。
本稿では扱えなかったが、ゲーテ(のメタモルフェ-ゼ)や三木成夫(の『胎児の世界』)からの影響もあるようだ。
ここにも一人、三木成夫ファン!
(三木成夫については、拙稿「三木成夫著『人間生命の誕生』」参照のこと。)
→ 雑草に覆われた我が家の畑。家は草いきれでムッとする ? !
「山口啓介展」
「まるごと青森 国際芸術センター青森:山口啓介ワークショップ」
「感動の山口啓介展」
← 連休中、意地になって草むしりした結果。今はナスなどが順調に育っている。
以下は、草花を巡る随想の数々から:
「日の下の花の時」
「雑草をめぐる雑想」
「花びらをめぐる雑念」
「梅の木の呻き?」
「「瘴気」の沙汰?」
(敬称を略させてもらってます。敬愛の念を籠めて!)
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コメント
「花図鑑」ですか、僕はこれから文化村の「薔薇空間」に行ってきます。
宮廷画家ルデューテを中心に構成されているよう。
どうも展覧会チケットはネットより雑誌のほうが当たりやすいですね。
僕はMOEという雑誌でプレゼント当選したのです。
投稿: oki | 2008/05/18 12:41
okiさん
文化村の「薔薇空間」に行くのですね。
感想を読むのが楽しみです。
宮廷画家ルデューテのことも知りたいし。
展覧会、家に足止めの小生には、当分、遠い存在のよう。
今は、家の周りの自然観察が展覧会代わりかな。
投稿: やいっち | 2008/05/18 17:01