「チンドン大パレード」へ(2)
(「チンドン屋」より)
思うに、チンドン屋さんもサンバチームも、共に路上のアーティストたちである。小生は、路上でパフォーマンスする人たちに憧れとか驚異と賛嘆の念を抱く傾向にあるようだ。→ この見事な歌舞伎姿でパレードしている本人からコメントやメッセージを戴きました!
一言で言うと、自分に一番、足りないものを彼らが持っているから、ということになるのか。
足りないものは、小生にはあまりに多いので、世の人、皆が偉く思われること、しばしばなのだけれど。
それにしても、人前で、心からの笑顔を振り撒ける人々には、ひたすらに眩しさを感じるのみなのだ。
サンバパレードも、恐らくはチンドン屋さんもオフシーズンがある。冬、街頭で、というのは、難しいものがある。が、人前でとなると、オフシーズンであっても、オンシーズンにパフォーマンスをフルに示すには、冬から春にかけての間に練習を積み重ね、さまざまな準備に余念がなかったりする(註:この辺りの記述に付いては、「こまっちゃん」さんより戴いた下記のコメントを参照のこと。どうも、サンバの印象が小生の脳裏に未だに濃厚に残っているみたい。)。
跳躍するためには、しっかり、身をかがめ、エネルギーを貯える必要があるというわけだ。
そして、春から夏にかけて、路上などでの活動が始まるのだ。
チンドン屋さんは、サンバパレードに先駆けて、既に路上での活動が始まっている。春の到来と同時に始まるのだ。だから、小生には、チンドン屋さんの活躍の始まりは、春を告げるファンファーレであり、「チンドン屋」というのは、立派な春の季語なのである。
→ 志村けんの『変なおじさん』に負けない人気ぶり!
(「富山といえば…チンドン屋篇」より)
チンドン屋さんは、「コマーシャル効果は高く、チンドン屋はプロの職業として成り立っていた」が、「マスメディアの発達とともに広告・宣伝の主役はテレビ・ラジオ・新聞などに移り変わり、チンドン屋は宣伝業としての「職業」という位置づけから「芸」というパフォーマンス的要素が強くなった」そして、「コンクールが始まった当初、 60チームだった出場数も平成元年には13チームまでに減ったという」のである。
平成元年。そう、バブルの絶頂期の頃だ。実業が一番、馬鹿にされていた時代だった。楽して儲けることこそが一番の時代だった。金融が狂気の様相を呈していた悪夢の時代だった。
額に汗して働くことは、一部の人たちには愚の骨頂と見なされた時代でもあった。
→ 今年は富山市など平野部での桜の開花が、まるでチンドンコンクールの開催にタイミングを合わせるようにパッと咲いてくれた。そう、この画像の人のように華やかに!
(「「チンドン大パレード」へ(3)」へ続く)
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 2024年12月読書まとめ(2025.01.05)
- 2024年11月の読書メーター(2024.12.06)
- 2024年10月の読書メーター(2024.11.17)
- 2024年9月の読書メーター(2024.10.01)
- 2024年8月の読書メーター(2024.09.04)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 2024年12月読書まとめ(2025.01.05)
- 2024年9月の読書メーター(2024.10.01)
- 2024年8月の読書メーター(2024.09.04)
- 2024年7月の読書メーター(2024.08.05)
- 2024年5月の読書メーター(2024.06.03)
「パレード番外編(スタジオ)」カテゴリの記事
- 「チンドン大パレード」へ(2)(2008.04.09)
- 「今日はエンサイオ」(注釈付き)(2007.07.18)
- 週末ジタバタアタフタ日記…スタジオ篇(2006.11.26)
「富山情報」カテゴリの記事
- 芭蕉に「何もないっちゃ」と答えたわけは(2018.11.09)
- 前田普羅のこと(後編)(2011.11.19)
- やっと「斎藤真一」に出会う(2009.12.11)
- 木版画家・鈴木敦子展へ(2009.11.29)
- 「富山市美術展 2009」を観て来た(下)(2009.10.14)
「富山散歩」カテゴリの記事
- 芭蕉に「何もないっちゃ」と答えたわけは(2018.11.09)
- 瓜南直子twitter展覧会(2010.02.27)
- 木版画家・鈴木敦子展へ(2009.11.29)
- 『ブラックホール戦争』は決着したのか(2009.11.27)
- 「富山市美術展 2009」を観て来た(下)(2009.10.14)
コメント
若干の事実誤認があるようなので。。。
>サンバパレードも、恐らくはチンドン屋さんもオフシーズンがある。冬、街頭で、というのは、難しいものがある。
ちんどん屋さんは冬でも仕事ありますよ~。
吹雪の中の宣伝の現場とかも行ったことあります(笑)
仕事の頻度や内容は業界大手のちんどん通信社のHPが参考になると思います。
http://www.tozaiya.co.jp/index.html
>チンドン屋は宣伝業としての「職業」という位置づけから「芸」というパフォーマンス的要素が強くなった
これは屋号にもよりますが、やはりベースは宣伝業だと思います。難しい話になりますが、普通のパフォーマンスだと、お客さんが喜び具合が次回のリピート(同じイベントに呼んでもらえる)に繋がりますが、ちんどん屋の場合、お客さんが喜ぶ芸をしても「クライアントの売り上げ」に繋がらなければ次がないのです。(もちろん、売り上げ云々は別に場を盛り上げたりする意味で呼んでいるクライアントが多いのも事実ですが)
この辺がちんどん業の難しいところであり醍醐味であるのではないかと個人的には思っています。宣伝の現場でのチラシの配り方とか街廻りの順路を予想するとか(この辺はマニアックすぎますが)
まあ、見る側はサンバでもちんどんパレードでも同じように楽しめばいいのですが、少し業界の裏事情もわかれば、面白いかな、と書いてみました。
投稿: こまっちゃん | 2008/04/15 22:28
こまっちゃんさん
記事を丁寧に読んでくれて、嬉しく思います。
>ちんどん屋さんは冬でも仕事ありますよ~。
小生、サンバのダンサーのパレードでの恰好のことが脳裏に強く印象付けられているみたい。
小生が真冬にチンドンさんを見ていないだけのことなんですね!
認識不足でした。
「チンドン屋は宣伝業としての「職業」という位置づけから「芸」というパフォーマンス的要素が強くなった」なんて、受け売りで書いてちゃいけないですね。
基本は(特にプロは)宣伝業であり、宣伝(売り上げ)との絡みでパフォーマンス的要素も工夫されたりするのかな。
小生、東京では滅多にチンドンさんの活躍を見ることができなかったのですが(せいぜい2、3年に一度くらい)、富山ではもっと街頭か何処かでの出会いが期待できる?
投稿: やいっち | 2008/04/16 03:13
>小生、サンバのダンサーのパレードでの恰好のことが脳裏に強く印象付けられているみたい。
たしかにサンバという視点からみれば、冬=オフシーズンと思ってしまいますね(^^♪
>基本は(特にプロは)宣伝業であり、宣伝(売り上げ)との絡みでパフォーマンス的要素も工夫されたりするのかな。
ちんどんの要素を3つ挙げるなら、口上・音楽・衣装だと思うのですが、現場で大切なのはいかに注目させるか、ということです。
例えば、通行人のいない住宅地での練り歩きでは家の扉や窓を開けさせることがまず目標です。もちろん、その人にチラシなどを渡すことが最終目標ですが。
>富山ではもっと街頭か何処かでの出会いが期待できる?
う~ん、コンクールの関係もあるので遭遇できる確率は高いと思いますが、富山のちんどん屋は大道芸関係の事務所の一部門、みたいなポジションですので、正統派ちんどんかといえば、微妙かもしれません。素人グループも乱立していますしね。
投稿: こまっちゃん | 2008/04/16 13:42
こまっちゃんさん
富山では、正統派ちんどん屋さんとの遭遇は難しい?
となるとますますチンドンコンクールが貴重な機会ってことになりますね。
東京では、時々でも出会えていたのに:
http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2007/03/post_848d.html
ああ、肝心のチンドンさんも期待薄。
サンバもベリーも、ストリートパフォーマンスも、やっぱり東京など都会に集中しちゃってるってことですね。
投稿: やいっち | 2008/04/16 22:51
>チンドンコンクールが貴重な機会ってことになりますね。
ただ、コンクールにはコンクール用のネタを考えて出場するので普段着のちんどん屋ではないのが痛いところです。
>東京では、時々でも出会えていたのに:
写真のちんどん屋さん、確証はないけど、たぶん風街宣伝社(早稲田大学)っぽいです。
>やっぱり東京など都会に集中しちゃってるってことですね。
残念ながら結論はそういうことでしょうねえ。
投稿: こまっちゃん | 2008/04/16 23:43
こまっちゃんさん
コメント、ありがとう。
あっちでも宜しくね。
投稿: やいっち | 2008/04/17 16:35