「チンドン大パレード」へ(1)
日曜日、「全日本チンドンコンクール」へ行ってきた。最終日だったから、この日だけは逃したくなかった。
金曜日の夕方近くからプレイベントが始まっていて、土曜日には「全日本チンドンコンクール」の予選など多くのイベントが催されていた。
行きたい気持ちはあったが、夜には未明近くまでの仕事をやっており、終わっても家庭での雑用があって、金曜日も土曜日も日中は体が言うことをきかない。
土曜日の夜も日曜日の未明まで仕事し、帰宅しての家での雑事はあったのだが、日曜日の夜には家事以外の予定はなく、眠気を押して出かけた。
チンドン屋さんは東京でも何度となく見ているが、生での「チンドン大パレード」を見るのは半世紀ぶり…(物心付くか付かない頃、お袋に連れて行ってもらったらしいが)、学生時代に帰省した折に見たはずだから、それでも、35年ぶりになるかもしれない。
といっても日曜日にも朝からイベントは盛りだくさん。「全日本チンドンコンクール」の本選さえ見ることは叶わない。
(ちなみに、「ちんどん通信 囃子座」がチンドンコンクールで「日本一」に輝いた。)
結局、日曜日の午後二時半から始まる、「チンドン大パレード」だけ見ることに決めた。
洗い物を済ませ家を出たのは午後二時を10分近く回っていた。
我が愛車…、といっても父が長年乗ってきたチャリを駆って富山の中心街へ。
一昨日来の快晴が日曜日も恵まれていて、人の出が多い。交通規制もあり、道路は渋滞。
そんな中、自転車は爽快に走っていける。
会場には、パレード開始の五分前に到着することが出来た。
日頃の買物のための自転車での疾走(?)もあって、息は少しも上がらない。陽気もあって、ちょっと汗が滲む程度。
浅草サンバパレードには敵わないものの、富山としてはなかなかの人の出。パレードコースには既に人垣が延々と続いていた。
「全日本チンドンコンクール」やチンドン屋さんのことについては、これまで何度となく小文を書いた。
関連する記事も含め主なものを示すと、以下のとおり:
「路上アーティスト」
「来週は全日本チンドンコンクール!」
「チンドン屋」
「富山チンドンコンクールのこと」
「富山といえば…チンドン屋篇」
以下、旧稿から一部を抜粋する。
(「路上アーティスト」より)
が、落語にしろ歌舞伎にしろ、能にしろ、楽器の演奏にしろ、全てとはいはないが、多くは大道での芸だったのではないのか。それがいつか様式化されて、教養のない人間、素養のない人間にはやや遠い世界のものに、つまり<至芸>の世界のものに成り果ててしまったのだ。もっと泥臭くて、汗っぽくて、等身大で、視線が低くて、同じ大地に立つ者同士であることの共感を、一切構えることなく、気軽に味わえる、その素朴さにこそ、サンバに限らずストリートのライブにはあるのだと思う。
その素朴さが失われた時、芸人にとっては芸の完成・熟成ということになるのだろうし、芸人・アーティストとして大成したということになるのだろうが、同時に、一歩、凡人の気軽に立ち寄れる素朴さの喪失をも意味する。
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コメント
トラバーありがとうございます。(*^^)v
投稿: かつみ | 2008/04/07 12:42
かつみさん
>トラバーありがとうございます。(*^^)v
こちらこそ!
投稿: やいっち | 2008/04/07 16:15