海洋画家アイヴァゾフスキー(前篇)
ひょんなことからイワン・アイバゾフスキーという海洋画家(こういう用語があるかどうか分からない)の存在を知った。
ブログでのマイブームテーマである「空」「海」「水」「雲」「川」「霧」の一環で、誰か(少なくとも小生にとっては)目新しい、敢えて特集するに値する画家はいないかと物色していた賜物だろう。
← Gianni Caffiero (著), Ivan Samarine (著) 『Seas, Cities and Dreams: The Paintings of Ivan Aivazovsky 』(Laurence King Pub)
ひょんなことといっても、このところ毎日のように覗いている「Olga's Gallery」サイトの中をうろうろしていたら、「Ivan Aivazovsky - Olga's Gallery」なる頁というか画家の項に出会ってしまったのである。
風景画…ではないが、大きくは外れていない。
→ Ivan Aivazovsky. 「The Great Roads at Kronstadt.」 1836. Oil on canvas. The Russian Museum, St. Petersburg, Russia (画像は、「Ivan Aivazovsky - Olga's Gallery」(ホームページ:「Olga's Gallery」)より。以下同様)
イワン・アイバゾフスキーは、「肉筆複製画・美術品・絵画販売 風景画1」(ホームページ:「World Art Shop」)によると、「イワン・アイバゾフスキー Ivan Aivazovsky (ロシア1817-1900)アカデミック古典主義」とある。
それだけである。但し、同上サイトでは彼の作品が結構、楽しめる。
← Ivan Aivazovsky. 「Seashore. Calm.」 1843. Oil on canvas. The Russian Museum, St. Petersburg, Russia.(画像は、「Ivan Aivazovsky - Olga's Gallery」より)
ネットだと、「海景画を得意とするロシア人画家」とか、「19世紀のロシア美術の黄金時代を築いた代表的な画家」の一人だとか、「第九の怒濤」という題名の作品が有名らしいとか、東京都美術館で「国立ロシア美術館展」があり、アイバゾフスキーの「月夜」が展示されていたとか、断片的な情報が見つかるだけである。
あとは、宮本百合子の『二つの庭』という作品に、下記のくだりがあるらしいことが分かっただけである:
壁に、海洋を描いた画家として有名であったアイバゾフスキーの嵐の夜の海の写真版がかかっている。反対のもっと光線のすくない方の壁に、この間うち開かれていた現代ロシア美術展のとき売っていた赤いサラファンを着た太った若い女の絵の色刷りがはって(以下略)
→ Ivan Aivazovsky. 「The Bay of Naples by Moonlight.」 1842. Oil on canvas. The Aivazovsky Art Gallery, Feodosia, Ukraine. (画像は、「Ivan Aivazovsky - Olga's Gallery」より)
ところが、イヴァン・アイヴァゾフスキーだと、アイバゾフスキーよりは情報がずっと豊富である:
「イヴァン・アイヴァゾフスキー - Wikipedia」
(「アイバゾフスキー」をキーワードに検索しても、もしかしてアイヴァゾフスキー?かもしれないって融通を利かせてくれないものか! 小生は、画像を参照するつもりの「Ivan Aivazovsky - Olga's Gallery」で見つけたプロフィールを大まかにだが訳し終えてから、アイヴァゾフスキーという表記のほうが一般的なのだと知った次第。手間が無駄になった。ま、抄訳(意訳)だけど、記録(記念)に残しておくけれど。)
← Ivan Aivazovsky. 「Malta. Valetto Harbour.」 1844. Oil on canvas. The Russian Museum, St. Petersburg, Russia..(画像は、「Ivan Aivazovsky - Olga's Gallery」より)
クリミア半島のフェオドシヤに、貧しいアルメニア人を両親に生れる。傑出した画才ゆえに援助金を受けてシンフェロポリのギムナジウムに入学。その後はペテルブルク美術アカデミーに進み、金メダルを得て卒業した。初期の風景画や海洋画で稼いだ賞金でクリミアに行き、黒海沿岸の諸都市で肖像画家として活動した後、ヨーロッパ各地を旅して回った。後に海洋画の評判によってロシア海軍から長年にわたって作品を委嘱されるようになった。(「イヴァン・アイヴァゾフスキー - Wikipedia」より)
→ Ivan Aivazovsky. 「The Battle of Chesme.」 1848. Oil on canvas. The Aivazovsky Art Gallery, Feodosia, Ukraine (画像は、「Ivan Aivazovsky - Olga's Gallery」より)
1845年にスルタンのアブデュルメジト1世に招聘されてイスタンブルに行き、その後も含めて1890年まで計8回同市を訪れた。イスタンブルに長期滞在中に、オスマン・トルコの宮廷画家に任命され、歴代皇帝(アブデュルメジト1世、アブデュルアズィズ、アブデュルハミト2世)から数々の作品を委嘱されている。そのうち30点は現在もドルマバフチェ宮殿に飾られており、その他の多くの委嘱作品は、トルコのさまざまな美術館に展示されている。(「イヴァン・アイヴァゾフスキー - Wikipedia」より)
← Ivan Aivazovsky. 「The Battle in the Chios Channel.」 1848. Oil on canvas. The Aivazovsky Art Gallery, Feodosia, Ukraine..(画像は、「Ivan Aivazovsky - Olga's Gallery」より)
長寿に恵まれたおかげで、当時としてはロシアで最も多作な画家となり、1900年に歿したときには優に6000点を超える作品を残した。芸術家としての成功で得られた資金により、故郷のフェオドシヤに美術学校や美術館を開いている。アイヴァゾフスキー作品は、競売の売上がこれまで総額320万弗に達しており、国際的な評価は伸び続けている。そのためか、ロシアのすべての画家の中でも最も贋作が多いと言われている。(「イヴァン・アイヴァゾフスキー - Wikipedia」より)
→ Ivan Aivazovsky. 「The Tenth Wave.」 1850. Oil on canvas. The Russian Museum, St. Petersburg, Russia (画像は、「Ivan Aivazovsky - Olga's Gallery」より)
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