ビエスタッド(後篇:センス・オブ・ワンダー)
→ ビエスタッド 『日光と影』(ニューアーク美術館蔵) (画像は以下全て、「肉筆複製画・美術品・絵画販売 ハドソンリバー派絵画」より)
上記に関連するかと思うが、必ずしもアルバート・ビエスタッドの名は出てこないのだが、前にも参照した「理想か自然か―ハドソン・リヴァー派のジレンマ― 生田ゆき」という記事は逸したくない。
ここでは最後の一節のみ転記する:
チャーチの《ナイアガラ》はハドソン・リヴァー派の最も成功した例としてあまりにも有名である。垂直にえぐりとられた大地。絶え間なく落下する滝の一群。絵を見る者は思わず轟音に耳をふさぎ、水しぶきに体をよけそうになるだろう。画家は若き大国の象徴に相応しいスケールと活力とを兼ね備えた対象を探し当て、細部と整合性に流れることなく、崇高さを表出することのできる描写を完成させた。海を越えてイギリスからもあふれんばかりの賞賛を勝ち得たこの絵にも一抹の不安が脳裏をかすめぬわけではない。ヒルの例をひくまでもなく、このような大胆な構成は追随者を量産する危険性がある。さらにより致命的なものとして、一国のイコンたるモティーフは大量消費される運命を免れず、栄光ある国民的絵画が単なる名所絵葉書へと堕する転落は誰にも止めようがないであろう。言うまでもないが、この潮流はチャーチ一人に降りかかるものではなく、ハドソン・リヴァー流すべてが呑み込まれる危険性をはらんでいた。
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