« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

2007/12/31

ビエスタッド(後篇:センス・オブ・ワンダー)

246211

→ ビエスタッド 『日光と影』(ニューアーク美術館蔵) (画像は以下全て、「肉筆複製画・美術品・絵画販売 ハドソンリバー派絵画」より)

 上記に関連するかと思うが、必ずしもアルバート・ビエスタッドの名は出てこないのだが、前にも参照した「理想か自然か―ハドソン・リヴァー派のジレンマ―   生田ゆき」という記事は逸したくない。

 ここでは最後の一節のみ転記する:

 チャーチの《ナイアガラ》はハドソン・リヴァー派の最も成功した例としてあまりにも有名である。垂直にえぐりとられた大地。絶え間なく落下する滝の一群。絵を見る者は思わず轟音に耳をふさぎ、水しぶきに体をよけそうになるだろう。画家は若き大国の象徴に相応しいスケールと活力とを兼ね備えた対象を探し当て、細部と整合性に流れることなく、崇高さを表出することのできる描写を完成させた。海を越えてイギリスからもあふれんばかりの賞賛を勝ち得たこの絵にも一抹の不安が脳裏をかすめぬわけではない。ヒルの例をひくまでもなく、このような大胆な構成は追随者を量産する危険性がある。さらにより致命的なものとして、一国のイコンたるモティーフは大量消費される運命を免れず、栄光ある国民的絵画が単なる名所絵葉書へと堕する転落は誰にも止めようがないであろう。言うまでもないが、この潮流はチャーチ一人に降りかかるものではなく、ハドソン・リヴァー流すべてが呑み込まれる危険性をはらんでいた。

続きを読む "ビエスタッド(後篇:センス・オブ・ワンダー)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/12/30

ビエスタッド(前篇:風景は一期一会)

 アルバート・ビエスタッド(Albert Bierstadt 1830-1902)は、「肉筆複製画・美術品・絵画販売 ハドソンリバー派絵画」によると、アメリカのハドソンリバー派の画家で、「ドイツ生まれで両親と米国に移住し、その後3年間ドイツアカデミーに留学し、北アメリカ西部の山並みなどの大自然をはじめて描いた米国で最も有名な風景画家の一人である。米国西部などをスケッチ旅行し多くの作品を残している」という。
 が、少なくともネット上では日本語では彼についての情報はあまり得られない(見つけられなかった)。

Anakinbike480

→  『故郷の夕焼け』([ 2003.06.29 ]  STAR WARS Episode II  ATTACK OF THE CLONES クローンの攻撃 より) (画像は、「CWS - CG Diorama」より) 「EP-2は赤く、そしてどこか絵画的な色合いの場面がいっぱいでした。他でも少し書いたのですが、これはEP2の劇場パンフレットによると、ルーカスがアルバート・ビアスタットなど、ハドソン・リバー派の画家達の絵を画面に求めたことによるらしい」とのこと。以下、画像は全て拡大できます。その手間の値打ちあり!

 ハドソン・リバー派ということになると、言及したり、採り上げたりするサイトも一気に増える。
 例えば、案の定というか、「Kamio Gallery No.476 ジャスパー・クロプシー Kamio Gallery」に以下のような記述が見出せる。

続きを読む "ビエスタッド(前篇:風景は一期一会)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/12/29

井上安治:影法師切なる思い描きしか

 小林清親のことを調べていたら、彼には影法師と呼ばれる存在のあることを知った。
影法師」とは、辞書的には「光が当たってできる人の影」ってことのようだ。
 時代劇や何かで似て非なる言葉(存在)に「影武者」役の人物が登場することがある。この場合は、身代わりってことか。

4988064221813

← 白土三平(作)『忍風カムイ外伝 コレクションDVD-BOX 2』(中田浩二(声) エイベックス )

(ちなみに、「影武者」って言葉(存在)を初めて知ったのは、黒澤明監督作品の映画『影武者』ではなく、隆慶一郎の小説『影武者徳川家康』ではなおのことなく、漫画家・白土三平の『忍者武芸帳 影丸伝』かあるいは『カムイ伝』か『サスケ』でのことではなかったか。…ところで、「現在『カムイ伝第三部』の構想が進んで」いるとか! 小学生の頃から大学生の頃まで、どれほど読んだことか。自分でも気づかないほどに影響されているのだろう。「白土三平ファンサイト」を覗いてみる? いや、いっそのこと、「2009年劇場公開予定映画「カムイ外伝」公式サイト」(監督:崔洋一、脚本:宮藤官九郎、主演:松山ケンイチ……ケガ、直ったの?)へ飛んでみるか。エキストラ募集中だっていうし。…ん? もう締め切られたのかな? …先月、終わっている!

 おっと、脱線。白土三平ワールドに嵌まったら、当分、出てこれなくなる!

続きを読む "井上安治:影法師切なる思い描きしか"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/12/28

アルトドルファー追記

 サイモン・シャーマ著『風景と記憶』(高山 宏・栂 正行【訳】 河出書房新社)を昨夜からボチボチ、読み始めている。

03612x

← ヴェステルボッテン River Byske, Vasterbotten (画像は、「ヴェステルボッテン(スウェーデン) 壁紙」より) 手付かずの原風景、であるかのような…。

 内容紹介によると、下記の通り:

原初の森に分け入り、生と死の川をわたり、聖なる山々に登る―人間は風景をどのように見、創りあげてきたか。これまでの歴史学の手法をすべて捨て去り、大いなる小説を読む感動を与える風景論の名著、ついに刊行。
第1部 森(リトアニアのバイソンの地にて;林道―森を抜ける道;緑林の自由;緑の十字架)
第2部 水(意識の流れ;血また流れる)
第3部 岩山(デイノクラテスとシャーマン―高さ、至福、そして崇「高」;垂直の帝国、脳髄の深淵)
第4部 森と水と岩山(再びのアルカディア)

続きを読む "アルトドルファー追記"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007/12/27

浮世絵版画に文明開化:小林清親(後篇)

 曽祖父やそのまた先祖だと兄弟姉妹や従兄弟の関係も含めると、数十人が明治の世には、主に生地なのだろうけれど、商売などの都合で(売薬さんが親戚にいるし)全国各地、見知らぬ空の下、生きていたはずなのである。
 石を投げたら自分の親戚というのは大袈裟だとして、生地の関係者となると、間違いなく誰かに突き当たるに違いない。

 こんなことこそ、よしなしごと、他愛もない夢想に過ぎないのだろうが。
 
Dsc_01911_m

← 小林清親画『隅田川夜』(明10) (画像は、「一心 みずい版画」より)

 まあ、理屈はいい。とりあえずは、ミーハー精神で東京などの名所旧跡の類いでも全く構わないのだ。
 ほんの数世代前の人びとの暮らした風景を、ほんの一瞬でも同じような気分で眺められた…という幻想を持てたなら、もうそれで十分なのだ。
 絵葉書風の紋切り型でいいのだ。絵の良し悪しなど自分に判るはずもない。綺麗と思わせてくれたら、それ以上の何を求める必要があろう。
(無論、「岡本綺堂『江戸の思い出』あれこれ」のように、書籍を通じても古今を大いに巡る!)

続きを読む "浮世絵版画に文明開化:小林清親(後篇)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

浮世絵版画に文明開化:小林清親(前篇)

 身辺にちょっとした異変のある予感。
 でも、そうした中でも、こうして画面に向かって昔日の面影を辿っている間だけ、ちょっとした平安が保てるような気がする。

071221

← 本日、室内にあった蔵書を処分。ここ十数年の間に購入した本はほぼ全て手放した。多分、千冊以上。残ったのは数十冊だろうか。画面は処分先の業者が来る前の蔵書の山(の一部)。感想…部屋がちょっと広くなった。

 小生は生まれは富山だが、東京で暮らして来年の三月で丁度三十年となる。
 生まれ育った富山よりは居住している時間はずっと長いわけである。
 都内で働きつつ暮らしていて、最初のうちは東京の地に生まれ育った先人のことにはあまり思いが到らなかったように思う。とにかく本を読む。中味が大事というわけである。

続きを読む "浮世絵版画に文明開化:小林清親(前篇)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/12/26

増山麗奈:そんなあなたに会いたくて(後篇)

 例年通り、クリスマスはイブも当日も一人静かに過ごした。
 今年は営業で都内を走り回ることもなく、自宅に篭っていたので、街の賑わいも一切、分からない。思えば、クリスマスソングを一回も(テレビやラジオを通じてさえも)聞かなかったのは、物心付いてから初めてだったような気がする。
 世界の片隅でポツンといる感覚。

Article11

← クロード・モネ『かささぎ』 (画像は、「クロード・モネ-音楽・映画、言わせておけば」より) 昨日、ネットで見つけた一番のお気に入り。実は、この絵に遭遇したので、今日はクロード・モネを特集しようかと一時、思ったほど。郷里は今頃、こんな雪景色かしら…。

 けれど、時間は確実に流れている。どんな過ごし方をしようと、25日が過ぎ26日となり、年末へとカレンダーの日付は捲られていく。
 流されないためにはどうする?
 一番いいのは、流れに身を任すことか!

 というわけで(?)、「増山麗奈:そんなあなたに会いたくて(後篇)」を提供する。

続きを読む "増山麗奈:そんなあなたに会いたくて(後篇)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

増山麗奈:そんなあなたに会いたくて(前篇)

[この春に彼女の企画展へ足を運んだ。凄い人だと思った。で、そのうち彼女の展覧会やパフォーマンスを改めてじっくり見てから特集を組もうと思っていたが、生憎、小生の怠慢と無精もあり、とうとう半年以上も先延ばし。今日25日は増山麗奈氏の誕生日だとか。中途半端ながら、今日と明日の前後2回に分けて、同氏のミニ特集をアップする。…ここで遠くからだけど、増山麗奈さん、誕生日、おめでとう!!]

200705e

→ 増山麗奈作 題名は不詳。画像は、「増山麗奈の革命鍋! ついに麗奈タン個展☆「ネオ春画」6月18日からだよ!」から

 某サイトで知った増山麗奈氏の活動ぶりや、彼女の仕事(作品)の一端をでも知りたい、触れたいと思い、今年の春、「ART LAN@ASIA~アジアの新☆現代美術!!」なる展覧会へ行ってきた。
 その際のレポートは既に、「桃色のゲリラ眠れる我起こす」の中で大よそのことを書いている(関連して、「桃色の夢見るごとく花盛り」なんて呟き風な雑文も続いて書いた)。

 その増山麗奈氏の活躍が一層、目立ってきて、今やメジャーになりつつある。メジャーという表現を彼女は嫌うかもしれない(が、そんなことでどうでもいいと、頓着しないかもしれない)。
 テレビのヴァラエティ番組にも月刊・週刊を問わず雑誌にもしばしば登場している。また、活躍は年末年始を含め来年も予定が目白押しのようだ(今日25日も渋谷・TAKE OFF 7(テイクオフセブン)で夕方、誕生日ライブを行なうとか)。

続きを読む "増山麗奈:そんなあなたに会いたくて(前篇)"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »