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2006/11/26

週末ジタバタ日記(後篇…所沢パレードへ)

 我がサンバコスコーラ(チームあるいはクラブ)・リベルダージ(G.R.E.S.LIBERDADE)の「ところざわまつり」でのパレードは商店街でのパレードとしては年内最後とあっては見逃すわけはいかない。
 例によってデジカメと文庫本を一冊抱え、いざ所沢へ。
 所沢というのは、小生が仙台から上京した際、事情があって引越しの荷物を某所に仮置きさせてもらったこともあって、ちょっと懐かしい。50ccのバイクを駆って日中、車の激しく往来する所沢街道を(気分の上では)どこまでも走って、延々、二時間も走った頃、ようやく荷物のある場所へ。
 今では、所沢が遠かったという記憶しかない。

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→ パレードの先頭車両。パレードが来るよ!(今回は、画像はクリックしても、あまり大きくはなりません。あしからず! その代わり、32枚、載せます。画像は時系列のままです。)

 その所沢でのパレードは、今年で何度目になるだろう。
 リベルダージファンになり、またメンバーになって四年目の小生だが、一度、所沢へは行かなかったことがある。やはり、三度目か。
 所沢は、祭りの会場としては道路も広く、またサンバパレードについても何年も経験があるので、沿道に集う観客からの声援も他より多いという印象がある。
 やはり、観客の反応がいいと、メンバーにしても張り合いがあるのではないだろうか。

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← ここでも会えたね! 今夜は満月だよ。

 さて、持参した文庫本は、加賀乙彦著の『頭医者留学記』(講談社)である。
(小生が手にしていたのは、講談社文庫なのだが、今は、中公文庫に『頭医者事始』『頭医者青春記』『頭医者留学記』の合本の形で所収。)

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→ 懸命に撮ったけど、これがせいぜい。小生は、ぜいぜい。

 パレードへはここのところ、電車・バスを利用している。今はバイクを手放してしまったから当然だが、手放す前から公共機関を利用するようになっている。要は、時間がなくて、読書する暇がないので、移動する合間に少しでも読もうというわけである。

 一番近い会場でも、少なくとも一時間を要する。所沢となると、一時間半以上だったか(帰路は二時間)。

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← 悔しいので、先回りして、もう一度、トライ。観客を規制するロープに行く手を阻まれ、さすがにコースの向こう側へは渡れなかった。渡る世間は縄ばかり!

 馬橋、新浦安(舞浜)、志村坂上、浅草、花小金井、牛込…。いずれも小生の居住する地区とはまるで違う!
 加賀乙彦著の『頭医者留学記』は残すところ百頁余りだったのだが、帰路、あと一駅で小生の居住する大森の最寄り駅というところで読了。ほぼ計算どおりの分量だったわけだ。

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→ ああ、あなたはいつも凄い! あなたを見つめる視線も凄かった。

 今年は、そういうわけで、移動の(列)車中で塩野七生著の『ローマ人の物語 (1)   ローマは一日にして成らず(上)』(新潮文庫)と加賀氏の本との二冊を読むことが出来た(いずれも拾った本である! 後者の塩野氏の本は前々から読みたかったのだが、会社の駐車場のゴミ箱に本書を見つけたときは感激! ああ、全部とは言わない、せめて(下)を読みたい)。

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← その笑顔。少しでも分けて頂戴!

 ちなみに、『頭医者留学記』で描かれるフランスでの医者体験などを経て、加賀は作家として立つ決意を固め、帰国後の彼の処女作『フランドルの冬』を書き上げるわけである。

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→ な、な、何とか一枚、撮れたよ。

 さて、前回の経験もあって、山手線を新宿駅で降りて西武新宿線に乗り換えるのではなく、高田馬場で乗り換えるのが便利だと知っていた(正確には最寄の大森駅で切符を買う際に、はて、もしや、と思い出したのだったが)。
 で、高田馬場で西武新宿線のホームに立ったのはいいが、そこでちょっとした間違い。

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← 両手を広げるそのポーズが大好き。開かれた心。受け入れる心。

 改札を出たら、すぐに急行だったかがやってきた。所沢駅も止まる。が、その三分後には特急が来るではないか。しかも、所沢まで何処にも止まらない。
 小生、先の電車を見送って特急に。

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→ といいながら、もう一枚。よほど、心が豊かなのだろう。だから眩しいのだね。それにしても、もう一人のほうは、まるで撮れない!

 乗り込む際、乗降車口に駅員が立っていて、切符を確認している…。なんだか、まずいような。しかも、小生の前の客は小生のような普通の切符ではなく、なんだか大そうな大き目の切符を持っていて、それを駅員に見せている。
 小生はポケットに仕舞っていたので、出す手も間に合わず、また発車の時間が迫っていたので、駅員のチェックも受けず、すんなり乗り込めた。

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← 逞しい! 小生にもそんな昔があった…(と思いたい年頃です)。実は、素晴らしいダンサーなのです。

 ガラガラの車内。立派な座席。リクライニングなんてある! そのうち、車内放送で「当列車は全席座席指定になっています。のちほど、係員が参りますので……」なんて言っているじゃないか。
 小生のほうこそ、「参りますので」、である。
 しかし、席はガラガラなので、空いている席に腰を沈め、やおら文庫本を取り出したら、そこへ男女の客が来て、「そこは私の席なので…」だって。

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→ 浅草ではオープニングで踊っていた…。新年会でボイ・ブンバしていた君が忘れられない!

 小生、ポケットから切符を取り出すふりをして、他の空いている席へ。あーあ、全席指定だって。そんなこと、知らないもんねー。
 そのうち、案の定、係員がやってきた。別に切符を改札しているわけではないのだが、そこは正直者(あるいは気の小さい)小生、通り過ぎていく駅員を呼びとめ、座席指定なんですか、などと間の抜けた質問など一発。
 一瞬、駅員さんは戸惑った様子だったが、すぐに事情が分かったようで、指定席券の購入の手配。

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← いつ見ても感動を呉れる。底抜けに素敵な魂を感じるのだ。

 値段を聞いて、小生、びっくり。350円だって。
 高田馬場から所沢までは330円…。
「あの、350円って、指定席の料金だけで?」なんて、思わず問い質してしまった。
 ああ、せっかく、大森駅から所沢までの通しの券を買ったのに、そこに350円がまるまる乗っかる!
 吉野家の牛丼が食べられたはずだった!

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→ バテリア陣。サンバは音楽に始まり音楽に終わる。小生、一員に加わるはずが、根性がなくて練習に付いていけず、あっという間に縄で仕切られた観客の、さらに後ろで追っかけする身に。だから、いつも、彼らのことが眩しくて正視できない!

 こうなったら、束の間の上客気分である。リクライニングを必要以上に倒し、読書。せっかくだから、列車内でトイレ。幾つもの駅を通過する特急ならではの光景を愛で、350円を少しでも取り戻そうと切なく空しい足掻きをしてみたりした。

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← 久しぶりだよね。やはり、ここに居てこその人だ。

 さて、所沢駅に降り立って駅の時計を見たら6時過ぎ。パレードまで45分ほどある。
 さすが所沢、人が多い!
 嘗て知ったる道なので(そう、これまでのパレードで散々、所沢の駅前を歩いて回ったのだった)、駅からパレードコースへ人混みの流れに乗って、ゆっくり向っていった。

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→ ポーズを決めてくれて、ありがとう!

 そして、パレードコースを端から端まで歩いてみる。ああ、この道路上をメンバーが演技しつつ通り抜けていく。ダンサーらがパフォーマンスする。路面はなかなかにいい。何年か前のときは、路面が工事のせいか、継ぎ接ぎなところがあったような気がしたが、今回はコンディションがいい。気温は半袖だと涼しいより寒いくらいだが、熱気の中でパフォーマンスするにはこれくらいがいいのかもしれない。

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← 目は合わなくても気は合っている…ってこともないけど、笑顔だけは戴き!

 お腹が空いている。日曜日は、正午に冷蔵庫の中のありあわせのものでお腹を満たしただけなので、そろそろ夕方も6時を回るとなると、小生の謙虚なお腹も何かくれ! と訴えてくる。
 道路の両脇にはびっしりテントが並んでいる。テントの前にも人気に随分バラツキがあるが、客が並んでいる。タコヤキがいいか、豚肉の串焼きがいいか、クレープもいいし、飴もある。ヤキソバも久しぶりだから食べてみたい。

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→ 笑顔を一杯、ありがとう!

 綿菓子は……、嫌いじゃないけど腹の足しにはならない。
 小生が選んだのは結局、鳥の唐揚げ。なんだか、普段、近所のスーパーで買って食べているものとメニューてきいは同じのような。ただし、ここで買った物はやたらと塩が効いている。食べると塩の味しかしない。やっぱり、祭りで買う食べ物ってこんなものなのね。
 
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← オープンカーの君は撮れなかった! 追えども追いつかないけど、カメラは負けずに撮ってくれた。

 お腹もくちた。マイクロフォンでは、そろそろパレードが始まります、と、何度目かの放送。
 やばい! 小生、パレードコースの一番、端っこまで来て焼き鳥を食べていた。ここまでは比較的空いていると思っていたのだが、それが油断だった。スタート地点へ向おうとしたら、客が犇(ひしめ)いている!
 凄い数だ。所沢でパレードを見るのは少なくとも三度目、あるいは四度目かもしれないが、こんなに一杯の観客を見たのは初めてだ。
 とうとう、スタート地点へ辿り着けなかった。不覚!

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→ 一体、何枚、撮ったやら。ここ一番の笑顔だ。

 パレードの始まる時の、せいぜい観客のざわめきだけの空気が、ジレトール(リーダー)の合図の下、バテリア陣が勢い良く楽器を打ち鳴らす。ダンサー陣は一団となっていて、それぞれにあるいは足踏みし、体を揺らしつつ、スタートを今か今かと待っている。
 初めてパレードでパフォーマンスする人、あるいは久しぶりにダンスする人は、緊張で一杯だったり、あるいはワクワク感で満ち溢れていたりする(ほとんど想像)。

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← めったにないシャッターチャンス。慌てたものだから、焦ってカメラが(手が?)傾いてしまった。

 それが、バテリア陣の演奏、歌手陣の歌声、ジレトールの合図などで一気に枷(かせ)が外され、一杯にエネルギーの溜められたバネが弾けるように、一斉に笑顔一杯に踊りだす。
 その静寂からカーニヴァル的な喧騒へ一挙に周辺の空気が変貌する瞬間というのは、見応えがあるし、体感するしかない感激がある。こればかりは写真でもビデオでもなかなか伝えようがない。

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→ オープンカーの君。コース上の君。どちらも最高!

 しかも、年内最後の商店街でのパレードなのに!
 小生、例によって観客の後ろから、短い足を伸ばし、背を(腹を?)伸ばし、首を伸ばしてパレードの面々がやって来るのを待ち受ける。
 先頭はパレードの来るのを告げる小型のトラック。

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← やっと撮れた貴重な一枚。どれほど追いかけたことやら。

 その後は……。
 その後の陣容を見て、小生、びっくりした。相撲や野球の優勝パレードなどの時、オープンカーに監督か優勝した関取が乗っていて沿道に犇(ひしめ)く観客の声援に応えるものだが、まさにその光景を髣髴とさせるもので、オープンカーの上にダンサーが二人、乗っていて、両脇の観客に愛想と笑顔を振りまき、手を振っているではないか。

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→ 足を伸ばし、背伸びし、手を伸ばして…。なのに、画面の真ん中で捉えられない。
 
 さて、である。
 それからが悲劇の始まりで、前回の末尾でも書いたが、「小生、夜の撮影は苦手。撮った写真の半分は削除の憂き目に。たまに鮮明でも後姿や頭の羽根だけだったり」なのだった。
 要はカメラの性能の問題もあるが、小生の腕前が一向に上達していないこともある。
 今だ! とシャッターを切っても、実際に撮れるまでにわずかながらタイムラグがあって、撮れた画像は後ろ向きだったり羽根だけだったり、あるいはダンサーの動きが激しいので、画像がぶれてしまう。

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← 久しぶりに踊る姿を見ることが出来た。ちょっと素?

 あるいは、小生は観客の後ろから手を伸ばして、デジカメのモニターを見つつ、ほとんど勘で撮っている。なので、どうしても腕が幾分なりとも揺れるし、ピント自体、しっかり合わさっていない。
 そもそも、小生自身が手振れ気味である(これは余計か)。
 フラッシュを焚くと、一度、撮れてから次に撮れるようになるまでデジカメは幾分、時間が掛かる。これがもどかしい!
 また、これだけ観客が多いということは、カメラやビデオを構えている小生のライヴァルが多いってことでもある。

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→ にこやかに演奏する。誰もが主役のサンバなのです。

 それでも、四年前、初めて所沢でのパレードを撮った時よりは、格段に進歩している。そのときは、画像はほぼ全滅だった! 最高の出来のものでさえ、画像がぼやけている。しかも、途中で容量が不足に。
 昨年、小生は思い切って、夜も撮れるようにと、カメラを買い換えた。本だって、この三十ヶ月、買ったのは数冊なのに(もっともHな雑誌は何冊か買ったが)、カメラで贅沢している!

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← 歌手陣と、小生が好きなカバキーニョを演奏する方。後ろには将来のリベルダージを背負って立つホープも!

 そろそろ肝心のパレードの感想など。
 といっても、小生は漫然と追いかけているだけなのだから、格別な感想などない。
 とにかく感じたのは、先述したが、今年の所沢は観客が多いということ。驚くほどだ。だから、例年以上に撮影には苦労した(というより、最後はほとんど諦めに近いものがあった!)。
 でも、そんなことより、パレードするチームの面々の乗りようが違う!

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→ やっと撮れた。旗を手に華麗且つ軽快に踊る女性と介添え役の男性。旗はチームのシンボルだ。

 年内最後の商店街でのパレードということもあってだろうが、ダンサー陣の張り切りぶりにも凄みがあった。あるいは浅草以上の熱気を感じた。観客とダンサーとが浅草に比べ近いこともあるのだろうか、また、ダンサーが観客に近づくことが禁止されていないせいだろうか、ダンサーが観客と握手したりして交歓する。
 また、ダンサー同士のいい意味での張り合い競い合いがあったような気がした。
 一時期、そういった接触のある交流は禁止されていたのだったが。

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← ベリーダンサー陣(?)。頑張ってパシスタになってほしい!

 どうせ、碌な写真が撮れるわけもないのだしと、途中から撮影を諦め気味になり、特にこのパレードを最後に当分、サンバは封印する、あるいは引退するという人を肉眼で追い、また、しばらしくスタッフに終始していた方がダンサーにあるはパフォーマーに復帰(復活?)しているのを発見し、驚くと共に撮影より見るのに忙しくなった。
 それに、バテリア陣の後にはベリーダンサー風の衣装を着た、新人なのか、あるいは他のチームからの応援なのか分からない、ダンサー陣がいて、これがまた初々しさがあって、感激。
 中に一人、リーダーを務めているのか、普段はダンサー(パシスタ)をしている人もいる。

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→ もっと大きな画像で見せたかったな。未確認情報なのだが、これらのダンサーらは所沢商工会議所青年部のサンバチームの方々だという話も。

「サンバ・エンヘード(Samba de Enredo または Samba-Enredo)」を歌う歌手陣もまた贅沢で、舞台で女優をしていて、サンバパレードや関連の催し物の時にはマイクを手に進行役を務める方や、クラブなどでライブ活動もされている方、歌えば朗々たる声を披露できはずの方などが揃っていた。
 歌と踊りと楽器と観客とで作り上げる狂騒の時空間。全てが許されており、全てが可能であり、心と体の全てが開かれていて、老若男女や美醜や肉体の条件の一切を度外視した、束の間の異次元世界。

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← メンバー同士の交歓も見ていて微笑ましい。そこに小生を加えて、なんて(思っても)言わない。

 人は一人で生きることもある。でも、完全に一人きりということはありえない。何処かで誰かと繋がっている。直接にとはいかなくとも。
 サンバパレードが作り出す時空間というのは独特なものがある。いい意味で猥雑性がある。舞台芸術のようなピュアさおりも、混沌を許容する大人の感覚に満ちている。

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→ もしかして、こ、こ、こ……。感激で今も尚、言葉が出ません。

 幻想なのだろうか。夢なのだろうか。パレードコース上での人の爆発するエネルギーが幻想のはずがない。ただの夢で終わるはずもない。
 一方、現実においては、サンバのメンバーと観客とが入り混じっての交歓などというのも、現実にはありえない。
 ダンサーらの笑顔が嘘のはずがないが、一歩、パレードコースを離れると、そこには現実が待っている。あるいは生活が待っている。日々の苦労や気遣いや明日への懸念。家族のこと、友人への思い。
 現実と異界とのギリギリの、鬩(せめ)ぎ合い。

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← パレードが終わって十分ほどのコース。清掃や後片付け作業が黙々と。あの喧騒が嘘のようだ。

 祭りが終わる。チームのメンバーは、係員に先導されガードされて控え室へ。一方、観客はそれぞれに岐路の途に付く。パレードコースは、パレードが終わって十分もしないうちに、掃除など、後片付けをする係員らばかりば目立つようになる。
 あの押し合いへし合いしていた混雑ぶりが嘘のように、パレードコースは遠くが見通せるようになる。「間もなく、交通規制が解除されます」といった声が聞こえてくる。日常が戻ってくる。

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→ 空を見上げると満月が。昨日の記事の末尾の画像も見てね。

 祭りは終わったのだ
 やっぱり夢だったのだろうか。
 でも、夢というのは、その人の一番、心の深いところでのドラマなのだとしたら、夢だったのに違いない。
 あとはただ、誰が一番、心と体に深く夢の余韻を鳴らし続けられるか、なのかもしれない。

 ああ、そうはいっても、明日の月曜日は仕事が待っている!
 夜は夜でブログを書いていたし

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