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2006/11/13

第28回 薬王寺・柳町 七夕まつり(2 笑顔篇)

[以下、あれこれ駄文を綴りますが、あくまで画像を貼り付ける壁紙(の紙魚)だと思って読み飛ばしてください。本文と画像とは直接、関係はありません。
 リベルダージのメンバーを満遍なく撮りたかったが、なかなかそうもいかない。激しい動きが売りのサンバ。「静」の瞬間を捉えるのは小生には難しい。今だ、と思っても、シャッターを切った瞬間、顔があっちを向いたり、下向きになったり。あるいは、ギャラリーの誰彼やスタッフの人がデジカメの前を通り過ぎることもある。
 それに、なんといっても、女性のダンサー・パシスタの方々がメインになるのは、仕方ないよね。]

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→ メンバーの多くは社会人。仕事を持っている。そんな素振りも見せないけれど。

「笑顔」が撮影のテーマだと書いたが、自分に一番欠けているものが笑顔でもある。
 つまり、ある意味、自分の世界とは対極にあるような素晴らしい世界がカメラのレンズのターゲットなのである。

 あるいは、以前、書いたことだが
「カーニバルもパレードも、老若男女を問わない観客の前で、多くは若い男女が煌びやかな衣装を着て踊りまくり、楽器を鳴らしまくるのである。それだけはない。とにかくにこやかに、陽気に、心からの歓びを発散して、体の芯からのエネルギーを周囲に放射しているのだ。」

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← 小生には名前(愛称)さえ知らない人。でも、サンバの最中はそんなことはどうでもいいのだね。

「決して絶やさない笑顔。老人だろうと子どもだろうと、目が合い、手が振られれば、近づいていって、握手したり、彼らの前でノペという一際激しいダンスを踊ってみせる。」

「サンバのパレードを「見て感じるのは、生きる喜びの心底からの発露であり、自分が生きているという喜びだけではなく、一緒に時間・空間を共有して生きていることの喜びの端的な表現なのだ。」

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→ コースの中の踊り手と外から応援する自分。近くて遠い、遠くて近い。

「生きているとは、肉体が生きていること、脳味噌の出来とか、社会の中での役割に見合った程度の断片化された身体などに制約されるのではなく、そんな逆立ちした後ろ向きの人間性に縛られるのではなく、まさに丸ごとの人間。頭も胸も腰も腕も脚も、とにかくあるがままの肉体の全てをそのままに、今、生きている地上において神や天や愛する人や知り合った全ての人に曝け出すこと、それがサンバなのではないか。」

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← その微妙な距離感を埋めるのは情熱と愛情だろうか。

 また、こんなことを書いたこともある
「全ては過ぎ去る。だからこそ、人は、生きて、新たな手応えを求める。過去の充実は、熱い。その熱さに感懐深く浸るのも時には構わないのだろう。しかし、自分に多少でも新たな舞台への挑戦の意欲があるのならば、一層、痛切な過ぎ去り行く時間の残酷を予感しながらも、現実のステージで新たに何かを成し遂げたいという欲求を呼び覚ます。」

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→ 地上の妖精あるいは熱帯魚たち。

「恐らくは、ダンサーに限らず、何かを成し遂げたいと思う人は、誰よりも栄光の時の充実の素晴らしさと共に、ある種の空しさを覚えるのではなかろうか。過去は過去。求めるのは、今であり、今に続く近い将来の感激と興奮なのだ。
 生きることを欲し、今以上に生きることに渇望する人は、写真を見れば見るほどに、次へ先へという欲求に駆られるのではないか。
 その意味で、写真とは、生きることに堕したくないと思う人ほどに、残酷なほどに生きることの無常を人に突きつける匕首のようなものなのだろう。そしてその無常感は、一層、深く熱く生きることを渇望させる。」

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← 笑顔とパワーと技術、そしてサービス精神。

 雨がとうとう本降りに。
 それでも、パレードは続く。羽根が濡れる。ウイッグが濡れる。衣装が濡れる。路面が濡れる。心も落ち込みそうになる。
 小生も意地になってビニール傘は閉じたまま。軟弱な体の小生、濡れた体では後が怖いが、今は撮影が命なのだ。
 と思っているうちに、雨が小降りになってきた。雨粒も小粒になっている。
 ただ、それでも降り続いていることに変わりはない。

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→ 群舞にひたすら見惚れてしまう。

 一応、撮れるだけは撮ったつもりだけれど、撮りきれていない人もいる。バテリア陣は個々には撮れないのは諦めているが、ダンサー陣だけは全員、なんとか撮りたいのだが。
 と、そろそろ前半のパレードが終わろうかという頃、パシスタの一人がパレードの後方から走ってやってきた。
 そういえば、参加するはずの人だった。
 撮りたい! が、コース上を駆けていく彼女を混雑するギャラリーの中で追うのは難しい。とうとう、遠い後姿を指をくわえて眺めるだけになってしまった。

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← 手を振るあなた。嬉しくて手振れしそうなオイラ。

 パレードの終わりには、バツカーダの時間となる。ダンサー陣とバテリア陣の競演の時。パレードの醍醐味でもある。が、タイミングが悪く、肝心のバツカーダを撮れない。
 何が不都合って、「第28回 薬王寺・柳町 七夕まつり(1)」でも書いたように、デジカメの画素数を最大に設定したままなので、撮りうる枚数が80数枚で、既に容量が尽きてしまっているのだ。
 なので、人ごみの歩道の隅っこでせっせと不要な(失敗した)画像の削除作業。
 設定をほどほどの画素数にしておけば、200枚以上だって撮れていたのに。

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→ 多くはただ見守るだけの観客を渾身の笑顔で盛り上げようとする。

 サンバパレードは通常、前半と後半とに分かれる。同じ向きにコース上を行進することもあれば、往復で異なる場合もある。
 牛込の場合は、往復で異なる。
 その休憩の間に、サンバパレードのコースである路面を歩くのが、小生の習慣である。コースの上からの周りの風景を眺めたり、コースの荒れ具合を確かめたり、お腹が空いていたら、軽く食事を摂ったり、喉が渇いていたら、ジュースか何かを飲む。さすがにリンゴの缶ジュースを飲んだ。

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← 華やかさは笑顔で一層、艶やかとなる。

 前半は、雨にもかかわらず、想像以上の観客がいた。尤も、傘を差している人が多いので、実際は晴天の場合よりは少ないのだろうが。
 コースは外苑東通りの一角である。牛込の商店街ともなっていて、片側一車線の対面道路。懸案だった道路の拡幅工事もようやく始まったようで、昨年辺りから、道路沿いの商店や民家が段々と空き地に変わりつつある。
 東京は、井の頭通り、東邦医大通り、外苑東通りetc.と、ドンドン、片側二車線あるいは、それ以上の車線の大通りに変貌を遂げつつあるのだ。

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→ 世界の悲しみを癒すものは喜びに溢れた笑顔のほかに何があろう。

 気が付くと、次第に天候も好転しているようだ。そんな予報も出ているのだろう、当初の時間には中止になっていた、「和太鼓の演奏」や、「天然理心流の演武と市谷柳町試衛館、新選組流山隊の殺陣が披露」が、場所や時間帯を変更して行われますとアナウンスが流れてくる。
 とてもじゃないが、後半のパレードだって、見物する余力があるかどうかも怪しい。それらの演舞に関心はあっても、観ることは叶わないだろう…。

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← 分かち持ちたい、喜びの溢れ出る源泉。
 
 やがて、うっすらとではあるが、次第に薄日が差し始めている。開かないビニール傘が邪魔に思えてくる。デジカメも、ある程度、失敗した画像を削除して、少しなら後半の演技も撮れるはず。
 今度は、前半のようにパレードの移動を追って行ったり来たりせず、一点に陣取って、パレードを待ち受ける。写真の撮影もするが、パレードそのモノを愉しみたい。演奏も含めて。

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→ どうしてこの世界を生きる喜びを感じられないのって、言ってるの?

 遠くのほうからパレードが段々とやってくる。最初は小さかった姿が、そして音がドンドンと膨らみ高鳴ってくる。タンボリンやスルドやヘピニキ、カイシャ、スルド、アゴゴ、クイーカなどの音が聞き分けられてくる。
 今回は、何故かカバキーニョの音が期待ほどは聞こえてこないのが寂しい。憧れた楽器だっただけに。

 前半のパレードの終わり頃には化粧も乱れ勝ちだったのが、後半はバッチリなのか、前半以上に後半は乗っている。やはり、サンバには太陽が似合う。

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← 楽しくて楽しくて! 踊る喜びが爆発しているね。

 そういえば、「2006年 26th 浅草サンバカーニバルのリベルダージのパレードテーマ(Enredo)は『太陽』」なのだ。
 例の遅れてやってきたパシスタの方の画像もなんとか確保することができた。嬉しい。でも、手を振っても素通りする人もいる。沿道からではなかなか絶好のシャッターチャンスというわけにいかないので、撮り直したい人もいたのだが。

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