倉橋由美子さん死去…旅の重さ
[ 本稿は、季語随筆「倉橋由美子さん死去…旅の重さ」から書評エッセイ部分を抜粋したものである。 (06/04/23 アップ時追記)]
倉橋由美子さんが亡くなられていたという一報を車中、ラジオで聞いた。
「Sankei Web おくやみ 倉橋由美子さん(反リアリズムの作家)(06-14 0500) 」によると、「倉橋由美子さん(くらはし・ゆみこ=作家、本名・熊谷由美子=くまがい・ゆみこ)10日、拡張型心筋症のため死去、69歳。自宅は非公表。葬儀・告別式は近親者で行われた」という。
「Hililipom>レファランスルーム」の「倉橋由美子」の頁を覗くと、彼女のProfileや著作リスト、翻訳リストを見ることができる。
学生時代から文学活動を始め、明治大学在学中に「パルタイ」を発表し(60年)、芥川賞候補になったりなど、注目を浴びた。執筆活動を続けたが、「71年からしばらく小説の執筆から遠ざか」り、「80年創作を再開」という。
その後は翻訳活動を中心に活躍していたようだが、小生は、皮肉にもというか、80年以降は関心を抱かなくなり、僅かにロングセラーとなった『大人のための残酷童話』を読んだだけである。
それも、何処かの書店に立ち寄ったら、文庫版の『大人のための残酷童話』が目に付き、書き手の名を見ると、倉橋由美子とあり、懐かしさを覚えたくらいだった。
数年前のこと。その頃、グリムやアンデルセンなどの童話や民話、昔話に興味を持っていたので、おお、こんな作家も、「大人のための残酷童話」というような際物的な仕事に手を染めていたのかと、やや驚いてしまったり(驚く小生が、迂闊で彼女の近年の仕事をフォローしていないだけのことなのに。まして最後の仕事がサン・テグジュペリの「星の王子さま」の翻訳だったとは、知る由もない)。
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