闇夜の国から二人で舟を出す
小池 真理子氏著の『闇夜の国から二人で舟を出す』(新潮社)を過日、読了した。小池氏の久々のエッセイ集だとか。言うまでもなく同氏は生粋の小説家である。その意味で、必ずしも彼女の小説のファンでもない、読んだというと、『欲望』(映画化され昨年末に公開されているはず)だけで、肝心の直木賞受賞作である『恋』さえ読んでいないままにエッセイを読むのは、書き手の評価というより印象を誤らせる懸念もある。
(本書『闇夜の国から二人で舟を出す』の中で、この『恋』という作品が生まれた経緯が興味深く書かれている!)
その上で、しかし、率直な読後感、否、読んでいる最中の感覚からしても、好印象を残してくれた。この人ならいい小説を書いてくれると思うし、それとは別個に女性の生き方を主張を持って示してくれている一冊の本として読んでも、つまり小池氏の世界への水先案内本として読んでも、一向、差し支えないとも思った。
小生が初めて彼女の本を読んだのは、女流作家(書き手)を纏めて読み漁っていた頃に、その中の一冊として上記した『欲望』だった。残念ながらあまり印象が残っていない。
当時(主に失業時代だった十年余り以前)読んだのは、白洲正子、林真理子、長野まゆみ、樋口一葉、坂東真砂子、柳美里、唯川恵、吉本ばなな、桐生典子、(宮部みゆき)、群ようこ、乃南アサといった面々だった。その中に小池 真理子氏もいたわけである。
(この中に樋口一葉がいる。恥ずかしながら、学生時代には手が出せず、あるいた出したが読みきれず、94年の一ヶ月ほどの入院の際に一葉集を読んだのだった。)
女性の書き手を読み漁ったというと、やはり若い頃、主に大学時代で、円地文子、幸田文、倉橋由美子、山口洋子、落合恵子、津島佑子、田辺聖子、富岡多恵子、曽野綾子、桐島洋子といった方々の本を折々に読んだ。学生の頃が小生の第一期女流作家耽溺(大仰?!)時代で、93年から95年が第二期女流作家渉猟(?)時代と言えるかもしれない。
要するに一人の作家に分け入るより、広く浅く早く焦り気味に手を出していたのだった。どの作家のどの本がという印象より、めくるめく女の(文)体の群れに目が点々だったわけである。
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