岡本綺堂『江戸の思い出』あれこれ
先月、車中で読むに相応しい本を物色していたら岡本綺堂の『江戸の思い出』(河出文庫刊)が目に付いた。
表紙に「東京名所図 駿河町雪」(小林清親)が使われている。文庫本を手にして、まず、その表紙の絵が気に入ったような気がする。
→ 岡本綺堂の『江戸の思い出 綺堂随筆』(河出文庫 河出書房新社)
[小林清親の紹介や作品は以下のサイトを参照のこと:「小林清親墓」]
[拙稿がある:「浮世絵版画に文明開化:小林清親(前篇) 」「浮世絵版画に文明開化:小林清親(後篇)」(07/12/31追記)]
岡本綺堂というと、何といっても、「半七捕物帳」である。この捕物帳という言葉も綺堂の創案なら探偵物も綺堂の創案になることは、今となっては知る人ぞ知るの部類だろうか:
「きどうを読む」
上記の岡本綺堂自身の話でも分かるように、大岡政談など裁判物はあったのだが、探偵物はないということで彼は書き始めたのだが、その際、自身、「江戸時代の風俗、習慣、法令や、町奉行、与力、同心、岡っ引などの生活に就いても、ひと通りの予備知識を持っている」強みを生かして、純日本的な探偵物ということで捕物帳を書いたわけである。
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