ピーター・アトキンス著『ガリレオの指』
ピーター・アトキンス著『ガリレオの指―現代科学を動かす10大理論』(斉藤 隆央訳、早川書房刊)を読了した。
二週間以上掛けて、ゆっくり読み進めていった。一気に読めないということもあったが、香味あるウイスキーの熟成された深みを浴びるように、ではなく、ちびりちびりと呑み味わうに相応しい本だったからでもある。
図書館で本書を見たとき、副題の「現代科学を動かす10大理論」にやや悪い予感、網羅的に現代科学を総覧するには適するかもしれないが、そういった類いの本を読み漁ってきた小生には、目新しくも何ともない…、本書もそんな本の一冊なのかなと、あまり期待しないで開いた。
そういった類いの本とは、例に挙げるのも失礼かもしれないが、メルヴィン・ブラッグ(Melvyn Bragg)著『巨人の肩に乗って―現代科学の気鋭、偉大なる先人を語る』(熊谷千訳、長谷川真理子解説、翔泳社刊)や、矢沢サイエンスオフィス編集の『知の巨人』(Gakken刊 ←近く書評エッセイを掲載するつもり)などなど。
これらの本がつまらなかったわけではない。本書が素晴らしかったのである。
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