野良猫の怪…源五郎の夏
[源五郎の夏]
夕方、シャワーを浴び、扇風機の風で火照った体を癒していたら、不意に虫が飛び込んできた。真黒な大きめの虫。羽音がブーンと。虻か熊蜂か。そのうち、奴は正体を現した。なーんだ、源五郎(正確な名称不明。仮称である。昔、そんな名の昆虫がいたような)だ。光沢のあるボディが美しい。図体がデッカイ。我が茶の間を飛び回る。奴も出口を失って、正体を失っているのか。吾輩の方が冷静になった。
[源五郎の夏]
夕方、シャワーを浴び、扇風機の風で火照った体を癒していたら、不意に虫が飛び込んできた。真黒な大きめの虫。羽音がブーンと。虻か熊蜂か。そのうち、奴は正体を現した。なーんだ、源五郎(正確な名称不明。仮称である。昔、そんな名の昆虫がいたような)だ。光沢のあるボディが美しい。図体がデッカイ。我が茶の間を飛び回る。奴も出口を失って、正体を失っているのか。吾輩の方が冷静になった。
「ボクの世界は真っ赤な闇」
暗闇の何処かから声が聞こえる。声の主は目の前にいる。きっと先生だ。「10から1まで逆に言いなさい」とか何とか。生徒らは順番にハキハキと、中にはつっかえながらも、何とか答えている。やがてボクにも番がやってくる。ボクにできるだろうか。隣の女の子は、なんて綺麗な声なんだろう。「じゅう きゅう はち なな……さん にぃ いち。」ボクだ。みんなの目線がボクに集まる。何十もの目玉がボクの顔にへばり付く。視線というハリネズミの針がボクの心を突き刺す。椅子を引いて立ち上がるボク。「じゅう…きゅう……はち……」そこで止まってしまう。「なな」が言えない。
いつしか迷い込んでしまっていた。そうとしか言えない。分からないままにここにいる。ここが何処かも言えない。
分かったようにここって言ってるじゃないかって。そもそもそう言っているお前は何なんだ?
結構、はっきり分からないって断言してる。分からないと言い切るにはそれなりの何か確かなものがあるからだろう?
まさか、我思う、ゆえに我ありじゃないけど、分からないなりに我はここにいるって、主張し始めるんじゃなかろうな?
→ たった今(午前十一時ころ)、スズメバチの巣を発見。キイロスズメバチか。まったく気付かずにきた。午後にも、完全武装して、撤去作業に取りかかる。「キイロスズメバチ|上野高敏 -Takatoshi UENO-」参照。
スズメバチの巣を発見できたのは、まったくの偶然、ある種の幸運。
午前十一時ころ、珍しく来客なのかドアフォンが鳴った。
あ、集金だと(先月末に集金予定だった方がまだ来ていなかったのだ)、出ていこうとすると、どうも、声の調子が違う。
出てみると、近所に工事のため来ているものだが、お宅の屋根瓦は、一部並びが崩れている(専門用語でどう表現したか忘れた)、並びなおしたほうがいい、という勧め。
せっかくの立派な屋根瓦なんだし、放置しておくと雨漏りにつながるとも。
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未明のこと。そろそろ明けようかという頃だったろうか。
寝入ったのは三時過ぎだった。小一時間も眠ったのか。
お腹に何か違和感を覚えた。尿意とは違う。尿意も感じているが、もう少し重たい感じ。
起きようかどうしようか迷っていて、そのままベッドに横たわっていた。
すると段々、下っ腹に重みというか圧迫感のような感覚を覚え始め、やがて痛みに変わってきた。
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白い夢を見る。
夜毎に、白昼に。
とぐろを巻く夢。
原初の叫び。叫喚。阿鼻。
悪夢?
違う!
空白。からっぽ。何もない。何も感じない。
麻痺している?
裂けてしまっている。
食い違って、もう、つじつまが合わない。
きっと遠い昔、懸命に取り繕うとしたのだろう。
その悪足掻きの痕が、傷となって今に祟っている。
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近所のM家のガキは、とても賢い。
あれは三年前のある夏のこと、いつものように、オレは庭仕事に汗を流していた。
ジッとしているだけでも汗が滲む夏の昼下がり、その日は草むしり作業。
玄関先から段々と家の入り口附近の庭へと、草むしりしていく。
長袖の作業服を羽織り、古着のズボンを穿き、長靴、首にはタオルを巻き、頭には麦藁帽子。
庭木の剪定や除草剤を撒いたりするときは、マスクを嵌めるが、その日は草むしりだけなので、必要なかった。
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(前略)
さて、肝心の全身麻酔をされての体験のこと。
ゼンマをされるのは初めてじゃないのに、麻酔が効いてくる感じがまるで予想と反していた。
予想といっても、子供の頃の麻酔体験しかないから、その時の状態とは麻酔の効き方が違う! と感じていたのである。
徐々に意識が遠退いていくとか、そんな感じではなかった。
体の遠い部分から、体が泥か鉛か、とにかく肉体とは異質な何かへ完全に変質していくのである。
体が重いようであり、しかもさらに重くなっていくようであった。
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(前略)当時は国道さえ、一部は舗装されていなくて砂利道だったりする。
道が分からないのだから、ひたすら国道に沿って走っているつもりなのだが、曲がりくねる砂利道を長く走っているうちに日が暮れてしまった。周辺も空も真っ暗闇。街灯などない。民家もなくて、しかも、道はドンドン山の中へと呑み込まれて行くようでもある。
どれほど走ったことだろう。不安も頂点に達していた。幸い、夏の雨に祟られることのなかったのは助かったと今でも思う。あれで雨に降られていたら、途方に暮れていたに違いないのだ。
闇の道をよりによって一層、深い闇の世界へ分け入っていくような感覚があった。
盛り上がるような黒い影。きっと鬱蒼と生い茂る森か林が黒い物塊となって自分に圧し掛かろうとしているに違いない。
中古のバイクのヘッドライトは、懐中電灯じゃないかと思われるほどに頼りない。本当に照射しているのか、前に回って確かめてみたくなる。いっそのこと、懐中電灯で照らしたほうが余程、明るいのじゃないかとバイクに突っ込みを入れてみたくなる。
でも、しない。突っ込んだ挙げ句、バイクに逆切れされても困る。下手するとバイクの奴、自棄を起こして、藪に突っ込むかもしれない。それでは薮蛇である。
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