旧稿を温めます
2022/03/11
2022/02/25
あの日から始まっていた (38 孤独な配達人の独り言)
昨夜(の延長)というべきか、今朝未明、久しぶりに月影を見た。
何日ぶりに出合ったのか、定かではないが、気分的には実に久しぶり、と表現したくなる。
観たのは、朝方4時半頃。
日の出は七時前後のはずだから、まだ、真暗である。
小雪がちらついていて、空は曇っている。
雨が雪になって、外での仕事は大変だろうなと覚悟していたので、小雪程度の空模様で助かった。
2022/02/21
あの日から始まっていた (37 南天の実に血の雫かと訊ねけり)
← 南天の真っ赤な実は、雪の中では一層、色鮮やかである。一瞬、血の雫に見えたりする。
細切れな睡眠を取る日々が続いている。
眠りが細切れなのは、忙しいから?
そうではあるが、仮にそれほど忙しくなくても、小生の睡眠は苦しげに息継ぎするような、むしろ喘ぐような仮の眠りにすぎない。
2022/01/29
2022/01/21
2021/11/26
あの日から始まっていた (30 美は醜の滾りより)
← 小林たかゆき作品 (「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」参照。「君はピエロ 僕もピエロ」より)
「美は醜の滾りより」
美は常に一旦、描かれ示されると、その瞬間から古典になる。昇格されるのか棚上げなのか分からないが、人間はどんな美であっても満足ができないのが宿命らしい。
この世は美を嘲笑うかのような醜に満ち満ちている。醜の海に美は島として浮んでいるともいえるのかもしれない(決して大陸ではない!)。
且つ、人間は美に惹かれ美を是としながらも醜に一層、惹かれて行く。醜の海の波は美という島の海岸線を容赦なく波打っている。津波さえ折に触れ襲い来る。
美の島で安閑としていたいと思っていても、気がついたなら足元まで醜の誘惑の手が、波がひたひたと押し寄せている。
2021/11/17
2021/11/07
あの日から始まっていた (28 ディープブルー)
「ディープブルー」
夢の中にいる。夢だと分かっている。間違いなく夢に違いないのだ。そんな世界がありえるはずがないし。
でも、この世界から抜け出せない。上も下も右も左も、どっちを向いても、水である。水に浸されている。口を固く閉じているつもりだけど、つい油断して口を開けてしまう。すると、口の中に水が浸入してくる。水が口中だけじゃなく、喉にまで入り込み、内臓をも水浸しにしてしまう。
喉に入った水は、容赦なく気管支に流れ込み、肺にも入り込んで、肺胞を水攻撃し、水鉄砲で突っつき始め、ついには、無数に分枝したその末端にある肺胞の一個一個が肺の本体から剥がれ落ち、気が付けば、ブクブク上がる水の泡どもと紛れてしまって、もう、水の泡なのか肺胞だったのかの区別も付かない。
2021/11/05
あの日から始まっていた (26 古ぼけた障子紙)
「古ぼけた障子紙」
頭の中の何処かに異常があったからといって、ひたすら精神的に打ちのめされ、打ちひしがれ、圧倒され、精神的な闘争に疲労困憊し、困窮し、心が枯渇し、それこそ、草木の一本も生えない荒涼たる、寒々とした光景ばかりがあからさまとなるケースもある。
癲癇(などの精神的な病)を抱えることと、精神的な荒廃、あるいはその位相的には逆にあるかのような創造性とは、決して直結しない。心の病を抱えている、だから、心が荒廃した、とも説明できるし、心の病を抱えている、だから、彼はその病を活かして彼特有の世界を探究し表現したとも、そのどちらとも、言える。
より以前の記事一覧
- あの日から始まっていた (25 伽藍堂) 2021.10.31
- あの日から始まっていた (24 音という奇跡) 2021.10.26
- あの日から始まっていた (21 孤独ではなく孤立) 2021.10.15
- あの日から始まっていた (20 バスキア!) 2021.10.14
- あの日から始まっていた (18 ベルメール!) 2021.10.11
- あの日から始まっていた (17 夢を憶する) 2021.10.09
- あの日から始まっていた (16 麻酔は未だ効いてない) 2021.10.06
- あの日から始まっていた (15 窒息した美) 2021.09.30
- あの日から始まっていた (14 土中の恩寵) 2021.09.29
- あの日から始まっていた (13 夢は嘘をつかない) 2021.09.27
- あの日から始まっていた (12 匂いを嗅ぐ) 2021.09.22
- あの日から始まっていた (11 赤いシーラカンス) 2021.09.16
- あの日から始まっていた (7 雪の朝の冒険) 2021.09.08
- コウモリの夏 2020.05.18
- ささやかなエピソード 2020.04.02
- 私は偏在する塵 2020.03.06
- スキー靴の思い出 2020.01.21
- ジェネシス 8 ゼンマという奈落 2019.01.29
- 美は醜の滾りより 2018.01.28
- 百鬼夜行:クラクションが発端でした事件 2017.10.13
- 作家名を語呂合わせする 2017.01.07
- 酉年の年初から酔ってます 2017.01.05
- 名句に駄洒落で絡んでみました! 2017.01.01
- 私は歩く人 2015.01.12
- 赤い風船 2014.11.30
- ハイスイコウ 2013.02.24
- 真冬の満月と霄壤の差と 2013.01.18
- クラゲなす漂へる… 2012.01.24
- あの月影は夢か幻か 2012.01.04
- 天使の分け前 2011.11.21
- 祈りの果てにあるものは… 2011.10.10
- オレは蛇 2011.09.22
- 初秋の月影を追う 2011.09.17
- 月影に寄せて 2011.06.12
- 涙の夜 2011.06.11
- ピンク色の傘 2011.05.29
- 「安室奈美恵」さんに絡んでみました!(前篇) 2011.05.21
- 「安室奈美恵」さんに絡んでみました!(番外篇) 2011.05.21
- 蒼白の刃 2011.05.06
- 断言の世界 2011.04.18
- 祈りの果てにあるものは 2011.04.10
- 祈りについて 2011.04.08
- 私はゴムに 私はコンクリートに 2011.03.22
- 火車の頃 2011.03.10
- 蝋燭の焔に浮かぶもの 2011.02.13
- 藍色の闇の海の白き花びら 2011.02.06
- 叡智の芽吹き 2011.01.29
- 「月」というと秋 2011.01.02
- バタイユという名の祝祭 2010.12.28
- 沈黙の音に聞き入る 2010.12.20
- 音が奇跡だった頃 2010.12.16
- 月影や雲の波間に溺れしか 2010.12.14
- 里山…冬の蝶 2010.12.13
- 冬の蝶 2010.11.22
- 雨に負けた 2010.11.13
- 私が<それ>になる夜 2010.10.18
- 沈丁花 2010.10.15
- 雨音はショパンの 2010.10.01
- 青い空と白い雲 2010.09.14
- 夜の果ての天の光 2010.09.12
- 点々は 宇宙を攪拌しないのです 2010.05.27
- 古ぼけた障子紙 2010.05.23
- 合鴨の和みの時に和みけり 2010.05.19
- 花の宴 2010.04.14
- 窓の隙間から 2010.03.16
- 夢、それとも記…憶の世界 2010.01.31
- 真夏の夜の夢の旅 2010.01.05
- クリスマス小風景 2009.12.16
- 我がタクシードライバー時代の事件簿(番外編:夜間飛行) 2009.12.13
- 母と息子の「カラス なぜなくの」談義 2009.10.18
- カラスのことあれこれ 2009.10.13
- ディープブルー 2009.09.23
- 秋茄子と言えば 2009.09.09
- 帰京ドタバタツーリング 2009.09.08
- 頬杖 2009.07.30
- 梅雨空に寄せて 2009.07.18
- バタイユへ寄せるオマージュあるいは懺悔 2009.07.07
- 猫、春の憂鬱を歩く 2009.04.09
- 日記抄 2009.03.23
- 金色の庵 2009.03.12
- ドキュメント 脱糞だ! 2009.03.10
- 雪の朝(断片) 2009.03.09
- 影遊び…断片3 2009.03.07
- ボクの猫 2009.03.05
- 幽霊考…幽霊は素っ裸たるべし! 2009.03.02
- <私>の生まれた日 2009.02.15
- 沈黙の宇宙に響く音 2009.02.14
- 雨上がりの夢想 2009.02.13
- 足掻き… 2009.02.12
- 球体鏡の中の美 2009.01.06
- 初夢 2009.01.04
- 冬のスズメ 2008.12.30
- 粉塵の夢 2008.12.21
- デルヴォー……氷の中の恍惚 2008.12.14
- ムスカリの花 2008.11.27
- 青い雫 2008.11.21
- 水辺へ 2008.10.20
- 葉桜の散り残っての落ち零れ 2008.10.03
- 伊香保へいかほ 2008.10.01
- 木枯しも終わりよければ全てよし 2008.09.26
- 架空凝視という病 2008.08.11
- 富士登山の思い出 2008.08.09
- マラソンの思い出…恋 2008.07.22
- 松川にて 2008.06.23
- 枯葉たちの祝祭 2008.06.09
- 煙草に火を点けて 2008.03.05
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- 明けない夜に 2008.02.04
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- 雪蛍の舞った頃 2008.01.25
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