妄想的エッセイ
2025/03/20
2024/09/04
昼行燈117「夏の終わりの雨」
「夏の終わりの雨」
俺は眠れないままに闇を見詰めていた。
じっと眺めていると、見えないはずの闇の中にいろんなものが見えてくる。
分厚いカーテンの向こうの何処か靄の掛かったような夏の終わりの夜の闇が、まるで船底の罅割れから水の洩れ入るように俺の部屋を満たしているようだった。
内と外とを厳格に分けるために、高いカネを払っておんぼろなアパートには不似合いな遮光カーテンを下げたのに、まるで役目を果たしていない。
2024/08/02
2024/07/24
昼行燈105「月に吠える」
「月に吠える」
月をジッと眺めあげていると、つい月の面に淡い文様を見出す。煌々と照る月、未だに自ら光るとしか直感的には思えない月、その月は、その表面の文様を見分けることを許すほどには、優しい。
優しいのだけれど、秋の空の満月は、やはり、凄まじい。空にあんな巨大なものが浮かんでいるなんて、信じられなくなる。ポッカリ、浮いて、どうして落ちてこないのか、不思議でならなくなる。
昼行燈104「赤茶けた障子紙」
「赤茶けた障子紙」
肉体的異常があったからといって、ひたすら精神的に打ちのめされ、打ちひしがれ、圧倒され、精神的な闘争に疲労困憊し、困窮し、心が枯渇し、それこそ、草木の一本も生えない荒涼たる、寒々とした光景ばかりがあからさまとなるケースもある。
2024/07/19
2024/07/18
2024/07/10
昼行燈97「私はゴムに 私はコンクリートに」
さて、肝心の全身麻酔をされての体験のこと。
ゼンマをされるのは初めてじゃないのに、麻酔が効いてくる感じがまるで予想と反していた。
予想といっても、子供の頃の麻酔体験しかないから、その時の状態とは麻酔の効き方が違う! と感じていたのである。
徐々に意識が遠退いていくとか、そんな感じではなかった。
2024/07/05
2024/02/27
より以前の記事一覧
- 昼行燈73「化粧」 2024.02.25
- 昼行燈71「戻る場所はいつも…」 2024.02.19
- 昼行燈68「喧騒のあとで」 2024.02.12
- 昼行燈67「真冬の月と物質的恍惚と」 2024.02.11
- 昼行燈66「鬼哭啾愀」 2024.02.07
- 昼行燈65「結ぼれ」 2024.01.29
- 昼行燈64「架空凝視という病」 2024.01.24
- 昼行燈56「蝋燭の焔に浮かぶもの」 2024.01.05
- 昼行燈(番外3「葬送のこと」) 2023.12.12
- 昼行燈46「土の精」 2023.12.08
- 昼行燈43「お地蔵さんは黙っている」 2023.12.03
- 昼行燈(番外2「音という奇跡」) 2023.11.29
- 昼行燈41「 ダストシュート」 2023.11.27
- 昼行燈39「 廃墟」 2023.11.22
- 昼行燈34「オワンクラゲ」 2023.11.14
- 昼行燈33「沈黙の宇宙に鳴る音楽」 2023.11.13
- 昼行燈31「誕生日に寄せて」 2023.11.09
- 昼行燈30「瑠璃色の光」 2023.11.06
- 昼行燈29「沈黙の宇宙に鳴る音」 2023.11.05
- 昼行燈26「森の雨音」 2023.11.01
- 昼行燈25「点々は 宇宙を攪拌しないのです」 2023.10.31
- 昼行燈16 2023.10.17
- 昼行燈14 2023.10.13
- 昼行燈13 2023.10.12
- 昼行燈9 2023.10.05
- 昼行燈5 2023.09.23
- 昼行燈3 2023.09.19
- あの日から始まっていた (39 独りきりの祝祭) 2022.03.11
- あの日から始まっていた (37 南天の実に血の雫かと訊ねけり) 2022.02.21
- あの日から始まっていた (36 「祈り」を巡って) 2022.01.29
- あの日から始まっていた (35 葬送のこと) 2022.01.21
- あの日から始まっていた (31 凍てつく宇宙に鳴る音楽) 2022.01.18
- あの日から始まっていた (30 美は醜の滾りより) 2021.11.26
- あの日から始まっていた (* 番外編) 2021.11.08
- あの日から始まっていた (28 ディープブルー) 2021.11.07
- あの日から始まっていた (26 古ぼけた障子紙) 2021.11.05
- あの日から始まっていた (20 バスキア!) 2021.10.14
- あの日から始まっていた (19 球体関節人形) 2021.10.12
- あの日から始まっていた (17 夢を憶する) 2021.10.09
- あの日から始まっていた (12 匂いを嗅ぐ) 2021.09.22
- 赤い闇 2020.05.09
- ささやかなエピソード 2020.04.02
- 美は醜の滾りより 2018.01.28
- 寧日の日々 2016.04.23
- 終わりはない 2015.09.13
- 息をする 2015.07.02
- Yosikiのギャラリー ざらざらした大地へ 2015.06.28
- ピンクの裸婦 2015.06.24
- アルフレート・クービンの悪夢へ 2015.05.16
- 鈍麻なる闇 2015.03.13
- ユートピアの祈り 2015.02.28
- オレはロマンチスト 2015.02.09
- ボクはダイオウイカだよ! 2015.01.30
- サナギ 2015.01.01
- 何処へだっていこう 2014.11.02
- 砂人形 2014.05.25
- 末期の光 2014.04.06
- 電信柱のチラシ 2013.12.20
- 童話の世界 2013.09.30
- あの頃の自分 今の自分 2012.12.10
- 死に損なっている何か 2012.10.17
- オレではダメなのか 2012.03.20
- クラゲなす漂へる… 2012.01.24
- 不可視へのモノローグ 2011.12.16
- 回り道 2011.11.11
- 白夢 2011.08.21
- 月影に寄せて 2011.06.12
- 断言の世界 2011.04.18
- 火車の頃 2011.03.10
- 藍色の闇の海の白き花びら 2011.02.06
- バタイユという名の祝祭 2010.12.28
- 雨に負けた 2010.11.13
- 私が<それ>になる夜 2010.10.18
- 古ぼけた障子紙 2010.05.23
- 死に損なっている何か 2010.04.11
- 記憶の欠片 2010.01.17
- クリスマス小風景 2009.12.16
- カラスのことあれこれ 2009.10.13
- バタイユへ寄せるオマージュあるいは懺悔 2009.07.07
- 断片2 2009.03.04
- 幽霊考…幽霊は素っ裸たるべし! 2009.03.02
- 雨上がりの夢想 2009.02.13
- ビアズリー 瀬戸際のエロス 2009.01.27
- 球体鏡の中の美 2009.01.06
- 雪の轍(わだち) 2009.01.03
- 粉塵の夢 2008.12.21
- デルヴォー……氷の中の恍惚 2008.12.14
- 水辺へ 2008.10.20
- 木枯しも終わりよければ全てよし 2008.09.26
- 架空凝視という病 2008.08.11
- 止まない雨はない 2008.08.10
- 嗤わぬ月 2008.04.21
- 煙草に火を点けて 2008.03.05
- 放火魔 2008.02.27
- 明けない夜に 2008.02.04
- 「蜘蛛の糸」を裏読みする 2007.11.28
- 誕生日に寄せて 2007.08.19
- 仮面の舞踏 2007.06.15
- 水母・海月・クラゲ・くらげ… 2007.04.05
- 「光陰矢の如し」の周辺 2007.04.03
- ヒトはいかにして人となったか 2007.02.17
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