妄想的エッセイ
2023/12/08
2023/12/03
昼行燈43「お地蔵さんは黙っている」
なんだかもう、全てがグジャグジャになった気がする。
泥濘(ぬかるみ)の続く道を何処までも歩いている。
ずぼっと深みに嵌まってはよろめく。
いつからこんな道なき道に迷い込んだのか、さっぱり分からない。
こんなはずじゃなかった。
でも、どんなふうであったのか、あったなら少しは満足するか分からない。
2023/11/29
2023/11/27
2023/11/22
昼行燈39「 廃墟」
「廃墟」
寝苦しい夜だった。長い長い夜の果ての、遠い幽冥の境にいた。まるで、中東の戦闘の地を潜り抜けてきたような気分だった。
しかも、オレは、加害者だ。空襲する側に立っている。絶対、安全な場所にいて、ボタン一つを軽く押すだけ。
すると、目の前の液晶モニターに、綺麗な軌跡が緩やかな曲線を描いていき、ターゲットに当たると、一瞬、青白い閃光が煌くと、すぐに真っ暗闇の画面に戻る。
それだけのことだ。ここにいるオレは、鼓動が早まることもない。
2023/11/14
昼行燈34「オワンクラゲ」
「オワンクラゲ」
闇の宇宙を漂うものがある。フワフワプカプカ浮き漂っている。
浮いている。漂っている。上も下も横も何も座標となる軸がない以上は、落ちていようと昇っていようと同じ事。
もしかしたら、ただひたすらに迷い続けているだけなのかもしれない。
絶対零度に常に最接近している光なき空間。前も後ろも分からない以上は、時間があるともないとも言いようがない。
2023/11/13
昼行燈33「沈黙の宇宙に鳴る音楽」
(略)途切れ途切れの音の連なり。でも、一旦、曲を聴き始めたなら、たとえ中途からであっても、一気に音の宇宙の深みに誘い込んでくれる。
たとえば、何処かの人里離れた地を彷徨っていて、歩き疲れ、へとへとになって、喉が渇いたとき、不意に森の奥から清流の清々しい音が聞こえてくる。決して砂漠ではないはずの地に自分がいるのは分かっている。木々の緑や土の色に命の元である水の面影を嗅ぎ取らないわけにいかないのだから。
でも、やはり、水そのものの流れを見たい。体に浴びたい。奔流を体の中に感じたい時がある。
2023/11/09
昼行燈31「誕生日に寄せて」
「誕生日に寄せて」
私は今、何を書く当てもなく、こうして画面に向かっている。
が、画面に向かっていると言いつつ、私の気持ちとしては今日、生まれた人のことを思って心を整えようとしている。
その人の気持ちになって、生きることを考えてみたいと思っている。
人が生まれるというのは、どういうことなのだろう。それこそ、動物などが生まれるというのとは、明らかに違うような気がする。別に人間様が動物より上だとか、優れているということではなく、暦の中に自分の生まれた日を見出す時、誰しも一入の感慨を抱くということ、ただ、そのことを思うのである。
2023/11/06
2023/11/05
昼行燈29「沈黙の宇宙に鳴る音」
途切れ途切れの音の連なり。でも、一旦、曲を聴き始めたなら、たとえ中途からであっても、一気に音の宇宙の深みに誘い込んでくれる。
たとえば、何処かの人里離れた地を彷徨っていて、歩き疲れ、へとへとになって、喉が渇いたとき、不意に森の奥から清流の清々しい音が聞こえてくる。決して砂漠ではないはずの地に自分がいるのは分かっている。木々の緑や土の色に命の元である水の面影を嗅ぎ取らないわけにいかないのだから。
より以前の記事一覧
- 昼行燈26「森の雨音」 2023.11.01
- 昼行燈25「点々は 宇宙を攪拌しないのです」 2023.10.31
- 昼行燈16 2023.10.17
- 昼行燈14 2023.10.13
- 昼行燈13 2023.10.12
- 昼行燈9 2023.10.05
- 昼行燈5 2023.09.23
- 昼行燈3 2023.09.19
- あの日から始まっていた (39 独りきりの祝祭) 2022.03.11
- あの日から始まっていた (37 南天の実に血の雫かと訊ねけり) 2022.02.21
- あの日から始まっていた (36 「祈り」を巡って) 2022.01.29
- あの日から始まっていた (35 葬送のこと) 2022.01.21
- あの日から始まっていた (31 凍てつく宇宙に鳴る音楽) 2022.01.18
- あの日から始まっていた (30 美は醜の滾りより) 2021.11.26
- あの日から始まっていた (* 番外編) 2021.11.08
- あの日から始まっていた (28 ディープブルー) 2021.11.07
- あの日から始まっていた (26 古ぼけた障子紙) 2021.11.05
- あの日から始まっていた (20 バスキア!) 2021.10.14
- あの日から始まっていた (19 球体関節人形) 2021.10.12
- あの日から始まっていた (17 夢を憶する) 2021.10.09
- あの日から始まっていた (12 匂いを嗅ぐ) 2021.09.22
- 赤い闇 2020.05.09
- ささやかなエピソード 2020.04.02
- 美は醜の滾りより 2018.01.28
- 寧日の日々 2016.04.23
- 終わりはない 2015.09.13
- 息をする 2015.07.02
- Yosikiのギャラリー ざらざらした大地へ 2015.06.28
- ピンクの裸婦 2015.06.24
- アルフレート・クービンの悪夢へ 2015.05.16
- 鈍麻なる闇 2015.03.13
- ユートピアの祈り 2015.02.28
- オレはロマンチスト 2015.02.09
- ボクはダイオウイカだよ! 2015.01.30
- サナギ 2015.01.01
- 何処へだっていこう 2014.11.02
- 砂人形 2014.05.25
- 末期の光 2014.04.06
- 電信柱のチラシ 2013.12.20
- 童話の世界 2013.09.30
- あの頃の自分 今の自分 2012.12.10
- 死に損なっている何か 2012.10.17
- オレではダメなのか 2012.03.20
- クラゲなす漂へる… 2012.01.24
- 不可視へのモノローグ 2011.12.16
- 回り道 2011.11.11
- 白夢 2011.08.21
- 月影に寄せて 2011.06.12
- 断言の世界 2011.04.18
- 火車の頃 2011.03.10
- 藍色の闇の海の白き花びら 2011.02.06
- バタイユという名の祝祭 2010.12.28
- 雨に負けた 2010.11.13
- 私が<それ>になる夜 2010.10.18
- 古ぼけた障子紙 2010.05.23
- 死に損なっている何か 2010.04.11
- 記憶の欠片 2010.01.17
- クリスマス小風景 2009.12.16
- カラスのことあれこれ 2009.10.13
- バタイユへ寄せるオマージュあるいは懺悔 2009.07.07
- 断片2 2009.03.04
- 幽霊考…幽霊は素っ裸たるべし! 2009.03.02
- 雨上がりの夢想 2009.02.13
- ビアズリー 瀬戸際のエロス 2009.01.27
- 球体鏡の中の美 2009.01.06
- 雪の轍(わだち) 2009.01.03
- 粉塵の夢 2008.12.21
- デルヴォー……氷の中の恍惚 2008.12.14
- 水辺へ 2008.10.20
- 木枯しも終わりよければ全てよし 2008.09.26
- 架空凝視という病 2008.08.11
- 止まない雨はない 2008.08.10
- 嗤わぬ月 2008.04.21
- 煙草に火を点けて 2008.03.05
- 放火魔 2008.02.27
- 明けない夜に 2008.02.04
- 「蜘蛛の糸」を裏読みする 2007.11.28
- 誕生日に寄せて 2007.08.19
- 仮面の舞踏 2007.06.15
- 水母・海月・クラゲ・くらげ… 2007.04.05
- 「光陰矢の如し」の周辺 2007.04.03
- ヒトはいかにして人となったか 2007.02.17
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