妄想的エッセイ

2016/04/23

寧日の日々

 私は形を失ったゾウリムシ。それとも、腐り切ったミジンコ。
 あるいは、踏みつけられ大地に無残な姿を晒すミドリムシ。

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← (画像は、「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」より)

 透明な粘々する、恐ろしく濃密な時空に窒息し押し潰された肺の成れの果て。
 体表の繊毛列は、ダンプカーに突っ込まれた麦畑のように、薙ぎ倒された茎の惨状を呈している。
 細胞の口は、喘ぐことしか知らない、末期の老婆のように、呆けた心を吐きだそうとしている。

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2015/09/13

終わりはない

 闇の世界の濃密さを誰も知らない。ねっとりとした闇に一歩、踏み込むと、もう二度と元に戻れない。

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→ お絵かきチャンピオンさん作「  」 (同氏のホームページ:「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」)

 
 目も眩むような白日の世界は、湖が大地に抱かれているように、闇の海に浮かび漂っている。
 そう、星だらけの闇夜のように。 
 癒しを求めて、愉楽を求めて、それとも救いを求めて、あなたは闇を見つめる。
 あなたは、闇を見つめているんじゃない、闇の中の真実、希望の光である星を凝視しているのだと、きっと言い張るだろう。

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2015/07/02

息をする

 息をしている。息をスーハーしている。
 スーハーと吐き、スーハーと吸っている。
 うん? スーと吐き、ハーと吸う?
 それとも、スーと吸い、ハーと吐く。

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 一体、吸うほうと吐くほうの、どっちが最初だったんだろう。

 気まぐれにちょっと、ほんのしばし、吸うををやめてみる。そう、吐くのもね。
 数秒、数十秒。

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2015/06/28

Yosikiのギャラリー ざらざらした大地へ

 この世界は広いって、つくづく感じることがある。
 別に地球儀を見て、改めて気付いたってわけじゃない。

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→ 「木目の顔 Face of the grain」 (画像は、「Yosikiのギャラリー 木目の顔」より) (ホームページ:「Yosikiのギャラリー ―魂の在り処、精霊の棲み家ー」)

 ただ、自分がこの世界の中にポツンと放り出されている。自分があまりにちっぽけ で、世界どころか、自分の周囲さえ、ろくに見通すことができないことを、何故か不 意に実感してしまったのだ。
 きっと自分の心があまりに窮屈で、それに臆病なものだから、井戸の中にいて、四 角く限られた天を眺めやることに慣れ過ぎたんだろうと思う。

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2015/06/24

ピンクの裸婦

 刀身が浮かび上がる。闇を刺し貫くように。
 闇が凍て付き、刃となったのだ。研ぎ澄まされ、やせ細り、スカスカとなって、今じゃガラスの裸身を晒している。

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→ お絵かきチャンピオン 作「おはーーーーーーーーーーーーーな」

 中には何もない。魂さえ、逃げ出そうとしている。
 ビーズ玉たちの乱舞。五弁花の花びらたちの涙のようだ。

 オレは淋しくてならなかった。色が欲しかった。闇だからって、色があって悪いわけがあろうか。
 色。その色は何処にある? 闇の中をまさぐっても、手の平にはザラザラした壁面が感じられるだけ。

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2015/05/16

アルフレート・クービンの悪夢へ

 赤い闇の中で奔放に踊るあの人は誰。
 印画紙に影を写し取るしかすべのない、あの人は誰。

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→ 小林たかゆき作「題名不詳」(作品No,2015_1639) (画像は、「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」より) この絵を観ているうちに、好きな画家アルフレート・クービンのある作品を思い浮かべてしまった。

 放射線に刺し貫かれた時空に磔となって、それでも魂のように揺らめいている、あの人は誰。
 抱きしめたくて、思わず外へ飛び出してみた。

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2015/03/13

鈍麻なる闇

 寝苦しい夜が続く。毎夜のようにつかみどころのない夢を見てしまう。
 毎夜… むしろ、毎度というべきかもしれない。
 不規則極まる生活。隔日で車中での長い生活。隔日で家で過ごす日々。

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← ☪ αηιѕα作 "the family who forgot to talk" by Glenn Brady made me cry the first time I saw it l o l

 家ではだから、二日分を寝ないといけない。まともな睡眠などありえない週日の車仕事なので、家では貪るように寝るのだ。
 が、眠れない。貪るように眠れるものなら、こんなにいいことはない。実際には、ニ三時間も眠ると目が覚めてしまう。寝足りないのは明らか。でも、悪夢のせいか、頭の芯が重っ苦しい、なのに煮え切らない感覚がもどかしい。

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2015/02/28

ユートピアの祈り

 アメーバの蠢き
 血糊の戯れ
 反吐の祈り
 人肉の舞
 地吹雪の中の祭り

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← ユウの家の柴田龍平さん「60分を超える組曲」 文化庁のアールブリュット公募展で入選しました。とりあえず大津プリンスホテルにて2月6日から8日にお披露目です。 by 水野 浩世 (画像は、「文化庁のアールブリュット「創造のカタチ」展入選しました! ユウの家スタッフブログ」より)

 大気が垂直の断層を成している
 気圧がアコーディオンのように蛇腹を誇示している
 白い影と黒い影が地団駄踏んで歓んでいる

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2015/02/09

オレはロマンチスト

 雪が降ってきた。水の中だというのに。
 雪なんて大嫌いなのだ。だから、わざわざ凍て付く水中へと飛び込んできたというのに、雪の奴が追いかけてきやがった。

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← チャンプ(@takayuki419)さん作「構成主義が解体」 (画像は、「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」より)

 雪は水を凍らせ、まるでガラスの海に変貌させてしまった。ゆらゆら揺れて、どんな世界へも移ろい彷徨えたのに、今じゃ、誰もがその場で立ち尽くしている。息さえできず、かといって苦しさのあまり喘ぐ…なんてことすら、叶わない。

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2015/01/30

ボクはダイオウイカだよ!

 怖いほどに透明な、蒼き闇。
 覗き込むと吸い込まれてしまう。否、目にした瞬間、もう、天も地も分からなくなる。上下など意味をなさなくなる。気が付くと、私はそれになっている。

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→ チャンプwxp 作「蜘蛛の巣ザンヌ」 (画像は、「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」より)

 それは、浮遊する粉塵より微細な粒子。水晶体にへばりつく網膜の切れっ端。血の涙さえ、疾うに吸い取られ尽くして、眼窩は深海の沈黙に耳を澄ます。

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