妄想的エッセイ

2020/05/09

赤い闇

 いつしか迷い込んでしまっていた。そうとしか言えない。分からないままにここにいる。ここが何処かも言えない。
 分かったようにここって言ってるじゃないかって。そもそもそう言っているお前は何なんだ?
 結構、はっきり分からないって断言してる。分からないと言い切るにはそれなりの何か確かなものがあるからだろう?
 まさか、我思う、ゆえに我ありじゃないけど、分からないなりに我はここにいるって、主張し始めるんじゃなかろうな?
 

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2020/04/02

ささやかなエピソード

 私は風に吹き消された蝋燭の焔。生きる重圧に押し潰された心のゆがみ。この世に芽吹くことの叶わなかった命。ひずんでしまった心。蹂躙されて土に顔を埋めて血の涙を流す命の欠片。そう、そうした一切さえもが神の眼差しの向こうに鮮烈に蠢いている(……と思いたいのだ)。
 蛆や虱の犇く肥溜めの中に漂う悲しみと醜さ。その悲しみも醜ささえも、分け隔ての無い神には美しいのだろう(……と思いたいのだ)。

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2018/01/28

美は醜の滾りより

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→ 小林たかゆき作品 (「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」参照。「君はピエロ 僕もピエロ」より)

 美は常に一旦、描かれ示されると、その瞬間から古典になる。昇格されるのか棚上げなのか分からないが、人間はどんな美であっても満足ができないのが宿命らしい。
 この世は美を嘲笑うかのような醜に満ち満ちている。醜の海に美は島として浮んでいるともいえるのかもしれない(決して大陸ではない!)。

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2016/04/23

寧日の日々

 私は形を失ったゾウリムシ。それとも、腐り切ったミジンコ。
 あるいは、踏みつけられ大地に無残な姿を晒すミドリムシ。

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← (画像は、「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」より)

 透明な粘々する、恐ろしく濃密な時空に窒息し押し潰された肺の成れの果て。
 体表の繊毛列は、ダンプカーに突っ込まれた麦畑のように、薙ぎ倒された茎の惨状を呈している。
 細胞の口は、喘ぐことしか知らない、末期の老婆のように、呆けた心を吐きだそうとしている。

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2015/09/13

終わりはない

 闇の世界の濃密さを誰も知らない。ねっとりとした闇に一歩、踏み込むと、もう二度と元に戻れない。

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→ お絵かきチャンピオンさん作「  」 (同氏のホームページ:「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」)

 
 目も眩むような白日の世界は、湖が大地に抱かれているように、闇の海に浮かび漂っている。
 そう、星だらけの闇夜のように。 
 癒しを求めて、愉楽を求めて、それとも救いを求めて、あなたは闇を見つめる。
 あなたは、闇を見つめているんじゃない、闇の中の真実、希望の光である星を凝視しているのだと、きっと言い張るだろう。

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2015/07/02

息をする

 息をしている。息をスーハーしている。
 スーハーと吐き、スーハーと吸っている。
 うん? スーと吐き、ハーと吸う?
 それとも、スーと吸い、ハーと吐く。

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 一体、吸うほうと吐くほうの、どっちが最初だったんだろう。

 気まぐれにちょっと、ほんのしばし、吸うををやめてみる。そう、吐くのもね。
 数秒、数十秒。

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2015/06/28

Yosikiのギャラリー ざらざらした大地へ

 この世界は広いって、つくづく感じることがある。
 別に地球儀を見て、改めて気付いたってわけじゃない。

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→ 「木目の顔 Face of the grain」 (画像は、「Yosikiのギャラリー 木目の顔」より) (ホームページ:「Yosikiのギャラリー ―魂の在り処、精霊の棲み家ー」)

 ただ、自分がこの世界の中にポツンと放り出されている。自分があまりにちっぽけ で、世界どころか、自分の周囲さえ、ろくに見通すことができないことを、何故か不 意に実感してしまったのだ。
 きっと自分の心があまりに窮屈で、それに臆病なものだから、井戸の中にいて、四 角く限られた天を眺めやることに慣れ過ぎたんだろうと思う。

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2015/06/24

ピンクの裸婦

 刀身が浮かび上がる。闇を刺し貫くように。
 闇が凍て付き、刃となったのだ。研ぎ澄まされ、やせ細り、スカスカとなって、今じゃガラスの裸身を晒している。

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→ お絵かきチャンピオン 作「おはーーーーーーーーーーーーーな」

 中には何もない。魂さえ、逃げ出そうとしている。
 ビーズ玉たちの乱舞。五弁花の花びらたちの涙のようだ。

 オレは淋しくてならなかった。色が欲しかった。闇だからって、色があって悪いわけがあろうか。
 色。その色は何処にある? 闇の中をまさぐっても、手の平にはザラザラした壁面が感じられるだけ。

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2015/05/16

アルフレート・クービンの悪夢へ

 赤い闇の中で奔放に踊るあの人は誰。
 印画紙に影を写し取るしかすべのない、あの人は誰。

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→ 小林たかゆき作「題名不詳」(作品No,2015_1639) (画像は、「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」より) この絵を観ているうちに、好きな画家アルフレート・クービンのある作品を思い浮かべてしまった。

 放射線に刺し貫かれた時空に磔となって、それでも魂のように揺らめいている、あの人は誰。
 抱きしめたくて、思わず外へ飛び出してみた。

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2015/03/13

鈍麻なる闇

 寝苦しい夜が続く。毎夜のようにつかみどころのない夢を見てしまう。
 毎夜… むしろ、毎度というべきかもしれない。
 不規則極まる生活。隔日で車中での長い生活。隔日で家で過ごす日々。

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← ☪ αηιѕα作 "the family who forgot to talk" by Glenn Brady made me cry the first time I saw it l o l

 家ではだから、二日分を寝ないといけない。まともな睡眠などありえない週日の車仕事なので、家では貪るように寝るのだ。
 が、眠れない。貪るように眠れるものなら、こんなにいいことはない。実際には、ニ三時間も眠ると目が覚めてしまう。寝足りないのは明らか。でも、悪夢のせいか、頭の芯が重っ苦しい、なのに煮え切らない感覚がもどかしい。

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