妄想的エッセイ
2022/03/11
2022/02/21
あの日から始まっていた (37 南天の実に血の雫かと訊ねけり)
← 南天の真っ赤な実は、雪の中では一層、色鮮やかである。一瞬、血の雫に見えたりする。
細切れな睡眠を取る日々が続いている。
眠りが細切れなのは、忙しいから?
そうではあるが、仮にそれほど忙しくなくても、小生の睡眠は苦しげに息継ぎするような、むしろ喘ぐような仮の眠りにすぎない。
2022/01/29
2022/01/21
2022/01/18
2021/11/26
あの日から始まっていた (30 美は醜の滾りより)
← 小林たかゆき作品 (「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」参照。「君はピエロ 僕もピエロ」より)
「美は醜の滾りより」
美は常に一旦、描かれ示されると、その瞬間から古典になる。昇格されるのか棚上げなのか分からないが、人間はどんな美であっても満足ができないのが宿命らしい。
この世は美を嘲笑うかのような醜に満ち満ちている。醜の海に美は島として浮んでいるともいえるのかもしれない(決して大陸ではない!)。
且つ、人間は美に惹かれ美を是としながらも醜に一層、惹かれて行く。醜の海の波は美という島の海岸線を容赦なく波打っている。津波さえ折に触れ襲い来る。
美の島で安閑としていたいと思っていても、気がついたなら足元まで醜の誘惑の手が、波がひたひたと押し寄せている。
2021/11/08
あの日から始まっていた (* 番外編)
ぬたが好きである。食べ物のぬたではあく、ぬたという言葉が好きなのだ。ぬたはぬめった感じからして何処かぬめりに通じるところがある。あくまで語感の上での連想に過ぎない。郷土料理として愛している方たちには申し訳ない。吾輩も好きである。
ぬめりからしてヒルやナメクジ、ミミズなどを連想する。殻を忘れたカタツムリとか。これらは決して仲間なんかじゃないが、似た者同士の輪に加えたくなる。
2021/11/07
あの日から始まっていた (28 ディープブルー)
「ディープブルー」
夢の中にいる。夢だと分かっている。間違いなく夢に違いないのだ。そんな世界がありえるはずがないし。
でも、この世界から抜け出せない。上も下も右も左も、どっちを向いても、水である。水に浸されている。口を固く閉じているつもりだけど、つい油断して口を開けてしまう。すると、口の中に水が浸入してくる。水が口中だけじゃなく、喉にまで入り込み、内臓をも水浸しにしてしまう。
喉に入った水は、容赦なく気管支に流れ込み、肺にも入り込んで、肺胞を水攻撃し、水鉄砲で突っつき始め、ついには、無数に分枝したその末端にある肺胞の一個一個が肺の本体から剥がれ落ち、気が付けば、ブクブク上がる水の泡どもと紛れてしまって、もう、水の泡なのか肺胞だったのかの区別も付かない。
2021/11/05
あの日から始まっていた (26 古ぼけた障子紙)
「古ぼけた障子紙」
頭の中の何処かに異常があったからといって、ひたすら精神的に打ちのめされ、打ちひしがれ、圧倒され、精神的な闘争に疲労困憊し、困窮し、心が枯渇し、それこそ、草木の一本も生えない荒涼たる、寒々とした光景ばかりがあからさまとなるケースもある。
癲癇(などの精神的な病)を抱えることと、精神的な荒廃、あるいはその位相的には逆にあるかのような創造性とは、決して直結しない。心の病を抱えている、だから、心が荒廃した、とも説明できるし、心の病を抱えている、だから、彼はその病を活かして彼特有の世界を探究し表現したとも、そのどちらとも、言える。
2021/10/14
あの日から始まっていた (20 バスキア!)
「バスキア!」
オレは、街中をやたらと歩き回った。何かを求めて? それとも、何かから逃げるために?
そのどちらでもあり、どちらでもない。
オレは、壁の落書きを見て歩いた。他に見るものなど、何もなかったからだ。空の青? 公園の緑? 今更、都会で風景など眺めたって、何の新味があるものか。所詮は、作り物の自然、刈り込まれた、自然とは名ばかりの、冷たく乙に澄ました他人行儀な植木じゃないか。
小奇麗で洒落たショーウインドー? 聳え建つ高層ビル群? 高速道路とモノレールと地下鉄と運河の立体交差する湾岸の眺望? 瀟洒な豪邸の居並ぶ高級住宅街? 昔ながらの佇まいを残す古びた住宅街?
より以前の記事一覧
- あの日から始まっていた (19 球体関節人形) 2021.10.12
- あの日から始まっていた (17 夢を憶する) 2021.10.09
- あの日から始まっていた (12 匂いを嗅ぐ) 2021.09.22
- 赤い闇 2020.05.09
- ささやかなエピソード 2020.04.02
- 美は醜の滾りより 2018.01.28
- 寧日の日々 2016.04.23
- 終わりはない 2015.09.13
- 息をする 2015.07.02
- Yosikiのギャラリー ざらざらした大地へ 2015.06.28
- ピンクの裸婦 2015.06.24
- アルフレート・クービンの悪夢へ 2015.05.16
- 鈍麻なる闇 2015.03.13
- ユートピアの祈り 2015.02.28
- オレはロマンチスト 2015.02.09
- ボクはダイオウイカだよ! 2015.01.30
- サナギ 2015.01.01
- 何処へだっていこう 2014.11.02
- 砂人形 2014.05.25
- 末期の光 2014.04.06
- 電信柱のチラシ 2013.12.20
- 童話の世界 2013.09.30
- あの頃の自分 今の自分 2012.12.10
- 死に損なっている何か 2012.10.17
- オレではダメなのか 2012.03.20
- クラゲなす漂へる… 2012.01.24
- 不可視へのモノローグ 2011.12.16
- 回り道 2011.11.11
- 白夢 2011.08.21
- 月影に寄せて 2011.06.12
- 断言の世界 2011.04.18
- 火車の頃 2011.03.10
- 藍色の闇の海の白き花びら 2011.02.06
- バタイユという名の祝祭 2010.12.28
- 雨に負けた 2010.11.13
- 私が<それ>になる夜 2010.10.18
- 古ぼけた障子紙 2010.05.23
- 死に損なっている何か 2010.04.11
- 記憶の欠片 2010.01.17
- クリスマス小風景 2009.12.16
- カラスのことあれこれ 2009.10.13
- バタイユへ寄せるオマージュあるいは懺悔 2009.07.07
- 断片2 2009.03.04
- 幽霊考…幽霊は素っ裸たるべし! 2009.03.02
- 雨上がりの夢想 2009.02.13
- ビアズリー 瀬戸際のエロス 2009.01.27
- 球体鏡の中の美 2009.01.06
- 雪の轍(わだち) 2009.01.03
- 粉塵の夢 2008.12.21
- デルヴォー……氷の中の恍惚 2008.12.14
- 水辺へ 2008.10.20
- 木枯しも終わりよければ全てよし 2008.09.26
- 架空凝視という病 2008.08.11
- 止まない雨はない 2008.08.10
- 嗤わぬ月 2008.04.21
- 煙草に火を点けて 2008.03.05
- 放火魔 2008.02.27
- 明けない夜に 2008.02.04
- 「蜘蛛の糸」を裏読みする 2007.11.28
- 誕生日に寄せて 2007.08.19
- 仮面の舞踏 2007.06.15
- 水母・海月・クラゲ・くらげ… 2007.04.05
- 「光陰矢の如し」の周辺 2007.04.03
- ヒトはいかにして人となったか 2007.02.17
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