思い出話

2024/03/14

昼行燈80「ダダ ダダ ダダ」

Megane   「ダダ ダダ ダダ」

 訳の分からない理屈が頭の中をグルグルしている。先生が何か言ってる。みんなも納得しているようだ。分からないのは自分だけのようだ。
 分かるとか分からないか、その辺りがモヤモヤして考えているうちに頭の中どころか体中がカッカしてきた。恥ずかしさも極まっている。
 どうしたらいいのか分からない。事態がどうなってるのか見えない。

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2024/01/05

昼行燈57「ドキュメント 脱糞だ!」

Bebchi   ドキュメント 脱糞だ!
(旧タイトル:痔物語、あるいは、我が生涯最悪の日)

 あれからもう何年経ったことだろう。十五年は過ぎたかもしれない。
 あの日、小生はいつも通り会社へ行った。朝は特段、異変を感じてはいなかった。
 普段どおりの生活が始まっただけだった。

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2023/12/27

昼行燈50「刀葉林の夢」

Toyorin刀葉林の夢

 

  ガキの頃とて、誰かに見せられた絵図の印象は鮮明であり、強烈だったようである。どんな昔話や童話よりも。曼荼羅画の説明などは右の耳から左へ抜け去ってしまっていたはずだが。
 小学校に上がる前の一時期、夜毎、地獄の世界を彷徨っていた。曼荼羅画に垣間見た世界は自分がまさに今、日々体験している世界そのものじゃないか…。

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2023/12/18

昼行燈49「雪蛍の舞った頃」

Yuki_20231218052601雪蛍の舞った頃


 窓外の雪を見ていると、何か胸が締め付けられるような、自分がここにいるべきじゃなくて、何処か他にもっと自分がいるべき場所があり、そこで誰かが俺を呼んでいる…といったような、郷愁とも違う、不思議な感傷に囚われるものである。

 私が未だ郷里である富山で住み暮らしていた頃は、まだ雪も毎年、たっぷり降ったものだった。だから、3月になっても、さすがに降雪の日は少ないとしても、根雪は深く固く大地を覆っていた。

 

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昼行燈48「真冬の明け初めの小さな旅」

Gosetu真冬の明け初めの小さな旅

 正確な年限などは覚えていないけれど、子供の頃、雪明りの外を歩いて回るのが好きで、よく未明の朝などにこっそり家を抜け出したものだった。
 その頃はまだ雪がタップリ降っていた。平野(田圃)の片隅に位置する我が家だったけれど、ともすると一階の窓からは降り積もる雪に視界が遮られて何も見えなかったりする。

 降る雪だけではなかった。

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2023/02/09

なにがゆえの悪夢だった?

 自分のトラウマは、物心付いたかどうかの頃の、手術台でのこと。横たわって全身麻酔されて意識を失いそうで消え切らない末期の眺め。それは闇の中の真上の眩しすぎる照明。手術台の上の闇と光の交合。煌めくメスと肉の深き交合。口唇口蓋が深く切り裂かれて、心身の中までが抉られているという感覚。吾輩はただ無力だった。 [「手術台の上の闇と光の交合」より]

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2022/03/11

あの日から始まっていた (39 独りきりの祝祭)

Kitune ← 狐の嫁入り by kei

 

  「独りきりの祝祭

 

 もう三十年も昔のこと、バイクの免許を取った夏、小生は中古の故障しているバイクを早速入手し、無謀にも修理もせずに駆って、大学のある仙台から東京を経由して富山への往復旅行を敢行し たことがある。
 これは正に敢行だった。バイクのチェーンがチェーンカバーに擦れていて、走っているとカラカラカラと不気味な音を立てているのだ。

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2021/10/31

あの日から始まっていた (25 伽藍堂)

2018_008伽藍堂

 

(前略)引き篭もる自分。別に冬だからというのではなく、自分の抱えるコンプレックスに負け、打ちひしがれて、後年、ある人に評された際に呈された言葉を使うと、沈湎 (ちんめん)していた…。そんな自分を自覚したのは、保育所時代だったろうか。
 自分には回りの世界は無縁の世界。神々しく輝く現実は、それこそ舞台の上でのことであり、映画の世界であり、つまりは形作られた芝居、演出、演技、よそよそしいに過ぎない他人事。

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2021/10/22

あの日から始まっていた (23 思わぬデート?)

思わぬデート?

 あれは高校三年の秋だったか、思わぬことが続けて起きた。
 起きたというのは他人からしたら大袈裟かもしれない。でも、自分には事件だった。
 放課後、二年だった自分はさっさと帰るはずだった。そうでなくたって高校時代も一貫して帰宅部だった。授業が終われば学校には用がない。
 なのに、なぜかその日は、クラスメイトの女子高生が話しかけてきた。いや、どのように近づいてきたのか、今では全く覚えていない。
 覚えているのは、気が付くと、教室の窓際に二人並んで窓の外を眺めていた場面。時折、彼女の顔を覗き見、ほとんどは眼下の校庭や銀杏並木を眺めていた。憎からず思っていた彼女だが、明るく眩く、とてもガールフレンドとはなりえない相手だった。人気者だし、自分のつけ入る余地はありえない…。というより、誰にしろ、個人的に仲良しになるとは思ったことはなかった。

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2021/10/18

あの日から始まっていた (22 屈辱の夜)

 「屈辱の夜

 あれは誰の差し金だったのか。私は会社の同僚だったか上司に勧められるままに、私の会社と関係するデパート会社の女子社員らの集まりに出席した。それは何処かの小さなバーでの飲み会、ささやかなダンスパーティーだった。退社後の気晴らしの宴。
 飲めないお酒に付き合い、やがてダンスの時が来た。女性らはデパートの中のブティックの店員のようだった。やや派手目の化粧と、如何にもセンスがあるかのような黒服でまとめていた。細身の体は、いかにも遊び慣れた風だった。
 女性らは踊り始め、私も無理強いに誘われ、ダンスフロアーへ。踊ったことなどない。踊りたいとも思わない。踊っている姿を観て楽しむのがせいぜいの私だった。

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