昼行燈

2024/05/29

昼行燈88「眠れない」

Hibiya  「眠れない

 電車の中でふと耳に入ってきた中学生の会話。まあ、中学生にしてはレベルが高い…のか。蒙昧と曖昧の意味の違いって分かる? というか、そもそも違う? 相手のほうはモゴモゴ答えていたが、よく聞き取れなかった。
 そいつらの雑談に聞き入る間もなく、俺は次の駅で降りてしまった。話もそのまま忘れてしまった。

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2024/05/28

昼行燈87「円らな瞳」

Kuroneko  「円らな瞳

 夢の中にいることは分かっていた。だから藻掻いていても焦ったりはしない。ただ息苦しいのが困る。息が出来ない。喘ぐような息。気管支が閉塞してる? 肺胞が目詰まりしてる?
 ガキの頃、息してることが不思議でならないことがあった。一瞬、呼吸が止まってしまって、もしかしてこのまま窒息して…なんて心底心配したっけ。肺が自動的に動いている不可思議。意識して吸ったり吐いたり。その繰り返しが何より大切なんじゃないか。自分にはみんなのようにうまくできないんじゃないか…。

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2024/05/20

昼行燈86「神の目を憶する」

Wols_20240520020901  神の目を憶する

 昨夜の仕事は曇天の中で。雨にはならない。下弦の朧月が見え隠れ。一時は天頂かと錯覚するほど高い空に。今さら天蓋なんて表現は野暮か。でも敢えてそう見なすのも一興だろう。天蓋孤独を気取るのも乙なもの。

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2024/05/07

昼行燈84「闇の衣」

Hakunetu  「闇の衣

 夢遊病者みたいだ。目覚めているはずなのにフワフワフラフラ。
 寝床を離れてとにかく外へ。夢を見ていたのだろうか。どんな夢だったか覚えていない。目覚めた瞬間、ハンマーで叩き割られたガラスの器みたいに粉々になった。モノの見事に粉塵になった。ガラス粉は頭蓋内に散在している。

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2024/05/06

昼行燈83「夢は眼下に」

Umi3  「夢は眼下に

 海を眺めていた。限りなく透明で懐かし気で自分を何処までも蕩かせてくれそうな海。大好きな青。青というよりアズールの青だ。ラピスラズリの青

 もっと好きなのは紺碧の青。海外の人にはアズールの青と何処が違うだろうが、俺には全く違う。紺碧には、濃い青色の『紺色』と強い青緑色の『碧色』とが混ざっているのだ。紫を帯びた濃い青色、黒みを帯びた紺色、藍がかった濃い青色…藍染の色とも云えなくもない? 俺にはどう表現すればいいのか分からない。

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2024/04/09

昼行燈82「猫、春の憂鬱を歩く」

Sironeko 「猫、春の憂鬱を歩く

 春である。近所の犬コロどもも盛りの血が騒ぐ春である。我輩の可愛いお鼻もあちこちから春風に乗って漂ってくる匂いにヒクヒクしている。でも、臭いに関しては、犬コロどもには、ちょいと敵わない。
 まあ、それだけが奴等の取り柄なんじゃから、自慢気に大地をクンクンさせておけばよいのだよ。
 その代わり、我々猫族は、なんたって耳がいい。犬コロどもだって、人間には比べものにならないほどに音に敏感だ。そう、ドアの閉まった家の中にいたって、表から響いてくる足音で、ご主人様の草臥れかけたドタッドタッという足音、近くのガキどもの元気闊達なタンタンという足音を聞き分けているよね。

 

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2024/03/14

昼行燈81「汽車と列車」

Teturo_20240314173501汽車と列車

 以下は、吾輩の小学生の頃の思い出である。

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昼行燈80「ダダ ダダ ダダ」

Megane   「ダダ ダダ ダダ」

 訳の分からない理屈が頭の中をグルグルしている。先生が何か言ってる。みんなも納得しているようだ。分からないのは自分だけのようだ。
 分かるとか分からないか、その辺りがモヤモヤして考えているうちに頭の中どころか体中がカッカしてきた。恥ずかしさも極まっている。
 どうしたらいいのか分からない。事態がどうなってるのか見えない。

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2024/03/12

昼行燈79「カップ麺」

Th  「カップ麺

 無限だなんて今更そんなロマンチックな戯言を。奴は知恵遅れの俺を見下すように言い放った。
 俺は奴だろうが誰相手にだろうが、無限なんて言葉を口に出したことなどないはずだ。

 別にその存在を信じてるとかどうかじゃなく、その姿を思い浮かべようがないからでもない。
 神様だって御姿を脳裏に描けない。俺の脳味噌には任の重い仕事だ。

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2024/03/11

昼行燈78「貝の殻」

Umi_20240311040501  「貝の殻

 

 何だかやたらと爽やかな感触があった。ドロッとした、何処かオリーブオイルの中に浸かったような。皮膚も喉頭も眼球も指先も、何もかもがつかみどころのない優しさに満たされている。決して密着の許されない絆。

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