ジェネシス

2024/05/07

昼行燈84「闇の衣」

Hakunetu  「闇の衣

 夢遊病者みたいだ。目覚めているはずなのにフワフワフラフラ。
 寝床を離れてとにかく外へ。夢を見ていたのだろうか。どんな夢だったか覚えていない。目覚めた瞬間、ハンマーで叩き割られたガラスの器みたいに粉々になった。モノの見事に粉塵になった。ガラス粉は頭蓋内に散在している。

続きを読む "昼行燈84「闇の衣」"

| | コメント (0)

2024/05/06

昼行燈83「夢は眼下に」

Umi3  「夢は眼下に

 海を眺めていた。限りなく透明で懐かし気で自分を何処までも蕩かせてくれそうな海。大好きな青。青というよりアズールの青だ。ラピスラズリの青

 もっと好きなのは紺碧の青。海外の人にはアズールの青と何処が違うだろうが、俺には全く違う。紺碧には、濃い青色の『紺色』と強い青緑色の『碧色』とが混ざっているのだ。紫を帯びた濃い青色、黒みを帯びた紺色、藍がかった濃い青色…藍染の色とも云えなくもない? 俺にはどう表現すればいいのか分からない。

続きを読む "昼行燈83「夢は眼下に」"

| | コメント (0)

2024/03/12

昼行燈79「カップ麺」

Th  「カップ麺

 無限だなんて今更そんなロマンチックな戯言を。奴は知恵遅れの俺を見下すように言い放った。
 俺は奴だろうが誰相手にだろうが、無限なんて言葉を口に出したことなどないはずだ。

 別にその存在を信じてるとかどうかじゃなく、その姿を思い浮かべようがないからでもない。
 神様だって御姿を脳裏に描けない。俺の脳味噌には任の重い仕事だ。

続きを読む "昼行燈79「カップ麺」"

| | コメント (0)

2024/03/11

昼行燈78「貝の殻」

Umi_20240311040501  「貝の殻

 

 何だかやたらと爽やかな感触があった。ドロッとした、何処かオリーブオイルの中に浸かったような。皮膚も喉頭も眼球も指先も、何もかもがつかみどころのない優しさに満たされている。決して密着の許されない絆。

続きを読む "昼行燈78「貝の殻」"

| | コメント (0)

2024/02/27

昼行燈74「負け犬の遠吠え」

Madoakari  「負け犬の遠吠え

 物質とは、究極の心なのだと今は考えている。別に根拠はない。直感的なものに過ぎない。
 心というものがあって、肉体にも物質にも経済にも制度にも世界の終わりにも関わらず永遠に存在する……。それは魂という呼び方しか出来ない何ものか。

 

続きを読む "昼行燈74「負け犬の遠吠え」"

| | コメント (0)

2024/02/20

昼行燈72「四次元の世界旅へ」

Reiiji  「四次元の世界旅へ

 やたらと曲がりくねった路地だった。おや? 天井らしき蓋が覆っている…。
 路地に迷い込んだんじゃなく、何処かの廃墟…ビルの中なのか。階段は上にも下にも続いている。踊り場らしき狭い床に居るようだ。
 時計とは逆方向に螺旋を描く階段。昇るたびに踊り場には半端に締まった扉が目につく。扉を潜って闇の向こう側へ忍び込むべきか。

続きを読む "昼行燈72「四次元の世界旅へ」"

| | コメント (0)

2024/01/29

昼行燈65「結ぼれ」

Adolf_wlfli   「結ぼれ

 遠い昔のこと、R.D.レインだったかの『結ぼれ』を読んだ。
 あれを読んだと云えるか怪しいが。『引き裂かれた自己』にまともにハートがショックくらって、その勢いで彼の本を読み漁った。読んで理解は全く及ばなかった。だけど、嵌った。ドツボに嵌ってしまった。『引き裂かれた自己』にだって、これは間違いなく俺のことを描いてるに違いないと、密かに疑ったっけ。そんな初心だった自分が懐かしい。

続きを読む "昼行燈65「結ぼれ」"

| | コメント (0)

2024/01/24

昼行燈64「架空凝視という病」

Ouroboros  「架空凝視という病

 都会に紛れ込んでいると、自分が何も見てはいないことに気付く。都会に住んでいるのだから、ちょっと外に出かけるか、そうでなくても窓の外を眺めるだけで人影を望むことができる。

 なのに、人とは決して出会わない。

続きを読む "昼行燈64「架空凝視という病」"

| | コメント (0)

2024/01/23

昼行燈63「線虫」

Senchu_20240123032301  「線 虫」

 夢の中だったろうか、奴がベッドでセンチュウ、センチュウって吐いてる。
 センチュウ? 戦争中ってこと? 

 だけど奴はどう見たって戦中派って歳じゃない。ガキじゃないけどそれなりに大人のはずだ。
 熱に浮かれたようにセンチュウを繰り返して止まない。魘されてる。

続きを読む "昼行燈63「線虫」"

| | コメント (0)

2024/01/15

昼行燈61「蒟蒻問答」

Konnyaku  蒟蒻問答


 蓑虫の真似して秋霜烈日を気取るとは。えっ? 隙間風が酷いんだって? 知ったことか!
 あれは誰に罵倒されたっけか。

 作り損ねた蒟蒻を手にしている感覚があった。蒟蒻は植物としてのコンニャクから毒抜き処理された食品。そう、お前は腑抜け、抜け殻に過ぎない。だから蓑を被って縮こまって風雪を避けてるんだよ、そんな噂を耳にしたことも。

続きを読む "昼行燈61「蒟蒻問答」"

| | コメント (0)

より以前の記事一覧