猫と扇風機の思い出
今は東京でも大田区の工場町に住んでいる。
その前は港区の高輪のマンションに住んでいた。もう、この地名とマンションに居住するというだけで事情を知らない人は何か豪奢な感じを受けるらしい。
しかも、その高輪に住んで間もなく会社の必要もあって、車の免許を取り、会社の同僚の紹介で安く車を入手することさえできていた!
買ったのは中古ではあるが、スカイライン2000GT-Xである。
GT-Rでないところに、車通の方は多少の落胆の念を覚えるかもしれない。
そのスカイラインは、ハンドルがミニハンドルで、まさに暴走族仕様だった。気の弱い小生は、すぐにハンドルをノーマルに換えてもらったものだ。
高輪のマンションに住み、スカイラインを乗り回しているという噂がどう伝わったものか、数年来、音信普通だった友人連とも再会した。彼らは共に既に結婚していた。
彼らがやってきた小生の部屋は、狭っ苦しいワンルーム(1K)に過ぎず、スカGも相当の中古に過ぎず、会社でも倉庫番というウダツの上がらぬ仕事をしているのだと知れるのに、数時間も要するわけもない。
小生はその八階建ての中古のマンションの八階に住んでいた。最上階であり、冬は寒く夏は暑い。屋上からの熱気がコンクリート越しに容赦なく伝わってくる。冬は冬で、どんなに暖めても、熱は呆気ないほどに逃げ去っていく。
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