創作(断片)

2025/03/16

昼行燈126「眼差しという匕首」

 ← 湖畔に浮か広がる朝靄 (Wikipediaより)

[ 下記は、ル・クレジオ著『物質的恍惚』を読み出していて、ふと創作してみたくなったもの。創作…ただの想像かな。(03/13 13:34)]:

 

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2025/02/02

孤独を託つ宇宙

 今朝見た夢:

 今朝、目覚めた際の観ていた夢、恐らくは我輩が観た中で最もスケールの大きなもの。地球を遥か昔に飛び出した宇宙ロケット(の乗員たち)が、人類の遠い過去に築いた宇宙空間の中の橋頭堡たるステーションに辿り着いた。煌々と煌めく巨大な施設。が、そこは無人。誰も居るはずはない。我々は既に宇宙に置いて他者と出逢うことを期待していない。人類は宇宙に拡散し過ぎてしまったのだ。戻ることなど、何の意味もなさなくなった。旅は意味もなく続いていく。生命は宇宙で生き続ける。それぞれが孤独な点粒子として。 (01/14 09:23)

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2024/10/16

昼行燈123「家の中まで真っ暗」

  「家の中まで真っ暗

 

 夢: 静かすぎる夜。真夜中だから? 丑三つ時だから? 窓が頑なに閉まっていて雨の気配を消し去っているから? 昨夜は朧な月が南の空に見えていた。曇天になりかけていたのかな。 

 周り中を家々が取り囲んでいる。なのに茶の間のカーテンを開けても町灯り一つ見当たらない。家は北に向いて建っている。南側は一面トタン葺きの壁。仏間の仏壇の脇に出窓があって車道の街灯からの光が漏れ込む。ただ、仏間は襖で閉ざされたまま。縁側が北にも南側にもある。外光はほんの僅かだろうと招き入れようと虎視眈々。だけど締め切られた襖や障子がこそとも柔らかなはずの気配を断ち切っている。

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2024/10/07

昼行燈122「夢…それとも蝋燭の焔」

Rousoku  「夢…それとも蝋燭の焔

 夢……いつも観る夢は同じようなテーマを繰り返し……何処とは分からない茫漠たる空間。白いというより白けた空っぽの視界。何もかもか見えるのだが、その実何も眼中にない。虚ろ。ガラーン。

 廃墟と化した伽藍堂に一人迷い混んだ。真昼の小学校の校庭。コンクリートブロックのプールの壁で一人ボールを投げて遊ぶ。弾ける音が土の校庭に白々しく響き渡る。跳ね返って来るボール。そうだ、相手をしてくれるのは壁とボール。

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2024/09/20

昼行燈121「お萩の乱」

Hagi_20240920120201  「萩の乱」

 帰宅したら何だか庭先が賑やかだった。近所の人たちがワイワイやってる。見ると庭の隅っこに立派に育ってる萩の木を前に談義してるような。萩の木は優に人の背丈以上に広がって、しかも今年は花も立派に咲き誇ってる。萩は薬草なんだとか、昔は屋根の葺き替えに重宝したとか。

 すぐ近くには棕櫚の木も2本。いや、庭のあちこちに散在してるから数本か。それらを指差して縄にしたもんだなんて。棕櫚の葉で箒だって作れるさ。いや、実際に作ったぞ。

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2024/09/17

昼行燈120「小望月(こもちづき)」

14tuki  「小望月(こもちづき)

 月がぽっかり浮かんでる。満月…いや違う。少し欠けてる。十三夜? でもないようだ。何だっけ? 遠い昔 聞いたことがある。というか、オレには違和感を覚えさせる呼び方。滅多に誰からも聞いたことのない無理矢理な名前。

 そうだ! 確か小望月(こもちづき)だ。 何だって子持ち月なんだ? もっと他に呼び方があったろうに。それこそ満月のほうが似合いそうだ。

 

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2024/09/05

昼行燈118「夢魔との戯れ」

  「夢魔との戯れ

 夢魔擬きの妄想…寝入るまでの迷想:夜の底深い。深みの際に達したなら浮上あるのみか。そのはず。泥濘をノタノタと這っているうち気が付いたら、視界が開けてきて、息苦しささえいつしか忘れ去っている。浮かび上がるために踠いたりはしない。何をしたって無駄。悪足掻きはしないことだ。藻に絡まれクラゲにチクリとされ、イソギンチャクになぶられる。何故かマリンスノーまで深海から舞い上がってきやがる! 

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2024/09/04

昼行燈117「夏の終わりの雨」

Rain   「夏の終わりの雨

 

 俺は眠れないままに闇を見詰めていた。
 じっと眺めていると、見えないはずの闇の中にいろんなものが見えてくる。
 分厚いカーテンの向こうの何処か靄の掛かったような夏の終わりの夜の闇が、まるで船底の罅割れから水の洩れ入るように俺の部屋を満たしているようだった。

 内と外とを厳格に分けるために、高いカネを払っておんぼろなアパートには不似合いな遮光カーテンを下げたのに、まるで役目を果たしていない。

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2024/08/26

昼行燈115「ピエロなんだもの」

Pierot_20240826035301  「ピエロなんだもの

 夢が嗚咽のように噴出する。血と汗と涙のように、時も所も弁えず、ただ本能のように剥き出しに。
 ああ、しゃっくりのように止まらない発作。

 真っ直ぐすぎて、魂をも射抜いてしまう衝動。
 目の前にぶら下がっている命。干し柿の真似をしているのか。それとも、いつの日かミイラになることを夢見ている?

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2024/08/13

昼行燈113「里帰り」

Photo_20240813033901  「里帰り


 星空だった。大好きなお月さんも今日はお休みみたい。
 お袋の田舎に里帰り。乗り物が苦手なお袋は、乗り物を乗り継ぐ旅は前夜から緊張してる。顔が引き攣ってる。大丈夫だよ。間違ったっていつかは何処かへ着くんだかねって、云ってあげたいけど、かく云うボクも不安でたまらなかったから、情けない。

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